箕内拓郎と言えば、ナンバーエイトだ。
日本代表ではフランカーでもプレーしたけれど、箕内の大きな背中には「8」という数字が似合った。
NO8としての箕内拓郎
「ナンバーエイト」というポジション名は独特だ。
直訳すれば「8番」
「ハーフバック」や「フルバック」や「フランカー」「センター」「ウイング」というポジション名は、チームの中の立ち位置を示している。
「プロップ」(柱)や、「フッカー」(掻き込む)、「ロック」(固める)は機能を意味している。
だが「8番」というポジション名自体に意味はない。
しかし、その数字に込められた意味は重い。
8という数字は15のポジションの真ん中だ。
FWでもありBKでもある。どちらの機能も求められる。
箕内拓郎は、そんな「ナンバーエイト」というポジション名を象徴する選手だったと思う。鞘ヶ谷ラグビースクールで楕円球を追い始めた当初のポジションはBKのスタンドオフ。福岡県立八幡高校2年のときFWのナンバーエイトにコンバートされた。FWらしい重厚なコンタクトと、BK仕込みのボールを自在に操るハンドリングスキル。両方を兼ね備えたプレーヤーだった。