眩しい日差しが降り注ぐ八幡山のグラウンドで、明大ラガーメンは地響きを立てて走り回っていた。
「普通にやってますよ」と田中澄憲監督は笑った。
「手洗いは1日に10回以上、検温は1日3回。ちょっとした風邪や喉の痛みでも練習は休ませるし、熱が高かったら隔離します。結局、ちょっとした胃腸炎とかで、みんなすぐに回復しました。みんな元気です。普通に練習してます」
1日10回以上の手洗いとハードトレと部内マッチ。 「今年のチームはラグビーが好きなんです」by田中監督
コロナ渦は春シーズンの行方も霞ませている。4月に予定されていた東日本大学セブンズと対抗戦セブンズはすでに中止が決定。関東大学春期大会は4月下旬に始まる予定だが、実際に開催されるかどうかは微妙な雲行きだ。
「昨季までのレギュラーが結構抜けたし、試合を経験させておきたい選手もいるけど、試合がなくなったらなくなったで、じっくり練習できる。ポジティブに考えればいいんです。対外試合ができないなら部内で試合をやればいい。もともと明治はそうですから。僕も大学に入って練習に合流したら、すぐ試合をやらされました(笑)」(田中監督)
北島忠治監督の時代、明大は春も夏も秋も、頻繁に部内マッチを行っていた。選手たちは実戦を重ねてフィジカルの強さ、強さの活かし方を身につけ、駆け引きを学び、勝負のツボを身につけていった。S&C理論が発達した現在、トレーニングのプランニング環境は変化し、かつてのやり方がすべてあてはまるわけではないが、グラウンドを支配する勝負の緊張感が強いチームを作り上げ、それが伝統を作っていたのは確かだ。
今季は、2月17日にチームが集合し、18日から始動した。サンウルブズに練習生として参加していた箸本龍雅主将は15日のチーフス戦のあとリリースされ「1週間のオフをもらって」22日に合流。3月20日まで5週間のトレーニングを行い、そして21日には、伝統ともいえる部内マッチを実施した。