世界8強を勝ち取れ!
9月9日に南アフリカ・ケープタウンで開幕するのがラグビーワールドカップセブンズ(RWC7s)2022 南アフリカ大会だ。ここで悲願の世界8強を目指しているのがサクラセブンズこと女子セブンズ日本代表だ。
この大会には女子16カ国、男子24カ国・地域が出場。日本は女子が4大会連続で出場する(男子はアジア予選で韓国に敗れて上位2枠に入れず出場権を失い、1993年第1回大会からの連続出場が途切れた)。
女子はRWC7sに女子の部が採用された2009年から4大会すべてに出場。
2009年ドバイ大会はプール戦3敗、ボウル戦初戦敗退で13位タイ、
2013年モスクワ大会もプール戦3敗、ボウル戦初戦敗退で13位タイ、
2大会連続で全敗に終わったが、3度目の正直で躍進した。
2018年サンフランシスコ大会は初戦でフランスに敗れたが、初戦敗者によるチャレンジトーナメント(9位以下戦)でブラジル、スペインを連破。決勝(9位決定戦)ではまさかの初戦敗退でチャレンジトーナメントにまわってきたイングランドと対戦、5-31で敗れたが史上最高の10位、大会成績も2勝2敗で終えた。
だが2021年の東京五輪では全敗。直前のHC交代、戦術変更、負傷者の続出、メンバー編成の迷走などの試行錯誤を経て、サクラセブンズは改めて世界に挑む。それがこの大会だ。
今大会、初戦の相手はフィジー。昨年の東京五輪では優勝したNZに準決勝で17-22と食い下がり、ブロンズファイナルでは英国を21-12で破り銅メダルを獲得。今季のワールドシリーズでも6大会中2位が2回、3位が1回という好成績で年間ランキング3位に躍進している。
鈴木貴士HCは「間違いなく強敵です。男子はときどきレイジー(怠け癖)な面も顔を出したりするけれど、フィジーの女子にはそれがない。ディシプリンが高い。でもやっぱり波はある。相手にとって最初の試合で戦えるのは我々にとってチャンスです」と話す。日本はあくまで初戦必勝だ。
全敗に終わった東京五輪から不死鳥のごとく蘇り、アジア王座を奪回、さらに8月のワールドセブンズチャレンジャーシリーズでも優勝してコアチーム復帰を決めたサクラセブンズ。初の8強入りと、さらなる躍進に挑むサクラ戦士を写真名鑑でお届けする。
【1】プレイングコーチ:中村知春(なかむら・ちはる=ナナイロプリズム福岡)
1988年4月25日生まれ 神奈川県出身 34歳
ポジション:BK/FW
競技歴:PHOENIX(22歳)-アルカス熊谷-ナナイロプリズム福岡(電通東日本在籍)
法政大まではバスケットボールをプレー。大学卒業後、22歳でラグビーを始め、競技歴1年の2011年10月、ARFUアジア選手権でサクラセブンズデビュー。
2012年8月のアジアパシフィックセブンズで代表入り8ヵ月で主将を拝命。以後、2019年11月のワールドシリーズドバイ大会まで日本代表のほぼすべての大会で主将を務める。
2021年東京五輪は直前に不可解なセレクションで代表を外れたが、五輪後に着任した鈴木HC(当時は代行)は中村をプレイングコーチとして呼び戻し、チームの柱に据えた。サクラセブンズの大黒柱が再び世界に挑む。
2013年6月、RWC7sモスクワ大会出場(主将)
2014年9月、アジア競技大会出場(主将)
2016年8月、リオ五輪(主将)
2018年7月、RWC7sサンフランシスコ大会出場(主将)
2021年11月、ドバイで開かれたアジアセブンズ兼RWC7sアジア予選出場、優勝
今回、大黒田裕芽とともにRWC7s3大会連続出場は男子にもない日本の新記録。
セブンズキャップ:52(歴代最多) 15人制キャップ:4
今大会の代表で唯一の15人制テストマッチ経験者
太陽生命ウィメンズセブンズシリーズでは2014年東京フェニックスで、2015年からアルカス熊谷で出場。2017東京大会MVP、2017年間MVP、2021年チャレンジ、2022年ナナイロプリズム福岡で、通算11大会出場 217得点(19T 35C)
162cm/64kg