サクラフィフティーン、ワールドカップ前最後の国内でのテストマッチ前日練習、PR峰愛美、CTB弘津悠、谷口令子アシスタントS&Cコーチ | ラグビージャパン365

サクラフィフティーン、ワールドカップ前最後の国内でのテストマッチ前日練習、PR峰愛美、CTB弘津悠、谷口令子アシスタントS&Cコーチ

2025/07/25

文●編集部


「太陽生命JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2025」第2戦を控えた25日午前、サクラxvは試合会場の秩父宮ラグビー場で前日練習。練習終了後、第2戦に先発するPR峰愛美(日体大)とCTB弘津悠、谷口令子アシスタントS&Cコーチの3人がメディア対応を行った。

弘津悠(ひろつ・はるか CTB、24歳、ナナイロプリズム福岡)

弘津悠

弘津悠


「私は国際舞台で通じるボールキャリーが課題なのですが、前回の試合では練習の成果を出すことができた。自分が行けると思ったら行くだけでなく、外のスペースも使えるよう外側の選手とコミュニケーションを取っていきたい」

――秩父宮での試合に特別な思いは。父(英司さん=神戸製鋼、日本代表でフッカーとして活躍。現リーグワン神戸のGM)の応援の思い出は?

「秩父宮でプレーするのは太陽生命で一度と、2年前のフィジー戦があったのでたぶん3回目だと思います。父の応援で来たことはありますが、秩父宮だけでなくいろいろな会場へ行ったので、秩父宮だから、という特別な感覚はありません。


ただ、ここまでくる過程で本当にたくさんの方にサポートしていただいて、そのみなさん全員がワールドカップでイングランドまで来てもらえるわけではないので、ワールドカップ前の国内最後の試合で自分がプレーする姿を見せられるのは嬉しいです」

――お父さんは1995年のワールドカップに日本代表で参加しましたがワールドカップ本番では試合でプレーできませんでした。その分、私が出るんだ、というような気持ちはありますか?

「そういうのはないです(笑)。父はシャイというか、自分のことは何も言わないし、私から聞くこともないです。プレーもほぼ見たことがないくらいで……いろんな方から『名選手だったんだよ』と聞かされるんですが(笑)」


――スペインはワールドカップ本番でも戦う相手です、この試合に臨む思いを。

「ワールドカップに向けて3年間やってきたので、ここのひとつの試合が特別なんじゃなく、これまで重ねてきた試合と同じように大事にして、自分自身ができることを最大限に出したい。それはワールドカップ本番でも戦う相手だろうがなかろうが変わらず、挑戦しようという気持ちです」



――身に来てくれるファン、子供たちへの思いを。


「日本では『女子がラグビーをするなんて珍しいな』とか『海外には体格から言っても勝てないだろう』と思う方がまだまだ多いかもしれないけれど、私はラグビーをしている人はみんな強くて優しくてかっこいいと思っている。『女子だってラグビーしてエエやん』『やりたいことやればイイやん』と思ってもらえるようなプレーを見せたいです」

峰 愛美(みね・まなみ) PR 21歳 日本体育大学ラグビー部女子

峰愛美(左)

峰愛美(左)


――第1戦ではFWのフロントロー勢が5トライすべてを決めました。同じフロントローで先発する気持ちを。


「これまでずっとJapanBaseでの合宿、菅平での3週間の合宿の間、FWのモールとセットプレーにずっとフォーカスして、一体感を持ってみっちりやってきた成果が出たと思う。私はプレーできなかったけれど、見ていてすごく嬉しかったです」

――九州が地元(長崎県出身、高校は佐賀工)ですから、北九州での試合に出たかったのではないですか。


「はい。出たかったですが、出た選手たちが頑張ってくれたし、私は次のチャンスに頑張ろうと思った。今回、チャンスをもらったので、ピッチに出たら気を抜かず、私の強みである、ボールを持ったら1歩でも前に出ることにフォーカスしていきたい」


――スペインはワールドカップ本番でも対戦する相手です。戦い方が難しくなるのでは?


「スペインとは今回の2試合とワールドカップ本番と、この2カ月ちょっとで3度戦うわけですが、私は『これがワールドカップだ』と思って戦っていきたい」


――国内でのテストマッチを戦うにあたって、観戦する子供のファンにはどんなところを見てほしい?


「日本の選手は海外のチームよりも体が小さいけれど、その分低さが強みになると考えています。アグレッシブに、外国に負けないプレーを子供たちにも見てもらって、子供たちにも『ラグビーをやりたいな』『日本代表になりたいな』と思ってもらえるように頑張ります!」

谷口令子(たにぐち・のりこ アシスタントS&Cコーチ、2016年リオ五輪出場)

谷口令子アシスタントS&Cコーチ

谷口令子アシスタントS&Cコーチ


――S&Cとしてはこの半年間、どういう部分を重点的に強化してきたのでしょうか。


「これまで、アタック面でもディフェンス面でも、ワールドカップ本番の戦い方に沿って強化プログラムを組んできました。その中で重点的に取り組んだのは体を大きくすることです。体重でいえば1人あたり5-10㎏くらい、マシンでパワー系のトレーニングをするときのウエートも、3-5㎏くらい増やして、体重も5―10㎏くらい増やしています。これは、今年来てくれたS&Cコーチのオリバー・リチャードソンのおかげだと思います。」

――オリバーコーチが日本代表にもたらしたものはどういうものですか?


「今までの日本代表の合宿はスケジュールがタイトすぎて、選手も栄養や捕食を採られないままグラウンドのラグビー練習に入ってしまったりすることが多かった。その点、オリバーが来てからは、グラウンドに出ている間は細かいタイミングでも栄養を取れるようにS&Cからじっくりとリクエストしています。今回も、暑熱対策でゼリーを採ったり、アイススラリーを採ったりしています」

――S&Cのメニューが変わったというよりも、練習全体のプランニングで、S&C部門からの働きかけが徹底されたということですか。


「そういうことです」


――昨年のパリ五輪後に15人制に戻ってきた松田凜日をはじめ、セブンズから15人制へ移ってきた選手が何人かいます。彼女らにはS&Cとしてどんなサポートをしてきたのでしょう?


「選手によって、怪我を抱えた状態でこちらへやってきたりとか、怪我の程度もいろいろでしたが、彼女たちがベストパフォーマンスを出せるよう、コミュニケーションを取ってプログラムを立てていました。そこで感じたのは、セブンズの選手は自分のことをよく理解しているアスリートだなということです。みな、自分の強みや課題を理解していて、『ここを重点的に強化したい』『こういうトレーニングをしたい』という意思が明確なので、サポートする側も『こういうことをやってみようか』とスムーズに提案できました」


――S&Cの面からみて、この半年で最も成長した部分は。


「ランニングの加速と減速に耐久性がついたと思います。特にバックス、とりわけバックスリーにそれを感じます。以前はメリハリなくずっと走っていることが多かったけど、今はメリハリが出ている。オリバーが来てから、無酸素で加速するランニングのメニューも増やしたりしたので、そのベースができてきたのかなと感じています」

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