JAPANEXV、マオリオールブラックスに敗れる―好機活かせず「ファンダメンタルなスキルが足りない。それに尽きる」 | ラグビージャパン365

JAPANEXV、マオリオールブラックスに敗れる―好機活かせず「ファンダメンタルなスキルが足りない。それに尽きる」

2024/06/30

文●編集部


29日、JAPAN XVは「リポビタンDチャレンジカップ2024」でマオリ・オールブラックスと対戦し、序盤からチャンスを作るも相手のプレッシャーから決めきることができず2トライに終わり、10-36で敗れた。

JAPAN XV マオリオールブラックス戦メンバー

PR 三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ/10)
HO 原田衛(東芝ブレイブルーパス東京/1)共同主将
PR 為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/1)

PR三浦昌悟・NO8サウマキアマナキ

PR三浦昌悟・NO8サウマキアマナキ



PR3為房慶次朗・HO原田衛

PR3為房慶次朗・HO原田衛

LO 桑野詠真(静岡ブルーレヴズ/0)
LO 小瀧尚弘(神戸スティーラーズ/11)
FL 下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/5)
FL 山本凱(東京サントリーサンゴリアス/1)
NO8 サウマキ アマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ/4)

左からFL下川甲嗣・LO小瀧尚弘・LO桑野詠真

左からFL下川甲嗣・LO小瀧尚弘・LO桑野詠真



FL山本凱

FL山本凱




SH 小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ/0)
SO 山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/7)

SH小山大暉

SH小山大暉


SO山沢拓也

SO山沢拓也

WTB 根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/2)
WTB ヴィリアメ・ツイドラキ(トヨタヴェルブリッツ/0)
CTB サミソニ・トゥア(浦安D-Rocks/1)
CTB 長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ/8)
FB 矢崎由高(早稲田大学2年/1)

左からCTB長田智希・CTBサミソニ・トゥア・WTB根塚洸雅

左からCTB長田智希・CTBサミソニ・トゥア・WTB根塚洸雅


FB矢崎由高・WTBヴィリアメ・ツイドラキ

FB矢崎由高・WTBヴィリアメ・ツイドラキ


控え
HO 佐藤健次(早稲田大学4年/0)
PR 岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス/0)
PR 森山飛翔(帝京大学2年/0)
LO サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ/3)
LO 本橋拓馬(帝京大学4年/0)
SH 齋藤直人(元・東京サントリーサンゴリアス/20) 共同主将
SO 高本幹也(東京サントリーサンゴリアス/0)
CTB ニコラス・マクカラン(元・ブレイブルーパス東京/0)

左からLOサナイラ・ワクァ、PR森山飛翔、PR岡部崇人、HO佐藤健次

左からLOサナイラ・ワクァ、PR森山飛翔、PR岡部崇人、HO佐藤健次



左からSH齋藤直人、CTBニコラス・マクカラン、SO高本幹也、LO本橋拓馬

左からSH齋藤直人、CTBニコラス・マクカラン、SO高本幹也、LO本橋拓馬



原田衛のトライで先制!するも・・・

今回共同キャプテンを務めるHO原田衛のトライで先制すると、前半数回にわたりゴール前のチャンスをつくり流れを引き寄せた。それでも決めきれず、9分、マオリに同点をされると、28分、36分に連続トライを許し5-17とリードされて前半を終える。

山沢拓也のブレイク

山沢拓也のブレイク



ヴィリアメ・ツイドラキはなかなかスペースを見つけられず苦労した

ヴィリアメ・ツイドラキはなかなかスペースを見つけられず苦労した



JAPANXVのスクラムは低く突き刺さっていた

JAPANXVのスクラムは低く突き刺さっていた



序盤からスペースをみつけてブレイクしたFB矢崎由高

序盤からスペースをみつけてブレイクしたFB矢崎由高




TMO判定の結果、原田衛のトライが認められた

TMO判定の結果、原田衛のトライが認められた


ツイドラキがゴール前に迫るもノックオン

ツイドラキがゴール前に迫るもノックオン



この試合では12番で出場した長田智希

この試合では12番で出場した長田智希



ワイルドナイツで見せた素早い球捌きを遺憾なく発揮したSH小山大暉

ワイルドナイツで見せた素早い球捌きを遺憾なく発揮したSH小山大暉



スクラムは安定、相手にプレッシャーをかけていた

スクラムは安定、相手にプレッシャーをかけていた



「魂のタックラー」FL山本凱が低姿勢で相手との間合いを詰める

「魂のタックラー」FL山本凱が低姿勢で相手との間合いを詰める




後半3分にマオリにトライを許しさらにリードを広げられると、JAPANXVはリザーブを投入。PR岡部崇人、LOサナイラ・ワクァ、SH齋藤直人が入り流れを変える。前半同様にチャンスは作るも決めきれない時間帯が続き、逆に61分にトライを許し5-29とされると、HO佐藤健次、FL本橋拓馬の大学生のリザーブが投入。68分には同じく大学生のPR森山飛翔も出場。さらにSO高本幹也もシニアレベルの国際試合初出場を果たした。


後半から出場したPR岡部崇人

後半から出場したPR岡部崇人



下川甲嗣

下川甲嗣



突破を図る矢崎由高の首に手がかかるがお咎めなし

突破を図る矢崎由高の首に手がかかるがお咎めなし



ピッチに出る直前・佐藤健次と本橋拓馬.

ピッチに出る直前・佐藤健次と本橋拓馬.




ピッチに入ったばかりの本橋拓馬がキックチャージ

ピッチに入ったばかりの本橋拓馬がキックチャージ


佐藤健次

佐藤健次


後半から出場した森山飛翔

後半から出場した森山飛翔



SO高本幹也も後半から出場。冷静なプレーでプレータイムは少ないがしっかり存在感を残した

SO高本幹也も後半から出場。冷静なプレーでプレータイムは少ないがしっかり存在感を残した





69分に再びマオリにトライを許すと、80分、ゴール前モールを押し込み最後はアウトサイドにスペースができてWTB根塚洸雅に齋藤直人からのフラットパスがつながりトライ。JAPANXVは2トライで終わり、10-36で敗れた。

後半終了間際にWTB根塚洸雅のトライ

後半終了間際にWTB根塚洸雅のトライ



残り時間少ない中、トライ後、ラストワンプレーに挑んだ

残り時間少ない中、トライ後、ラストワンプレーに挑んだ


新生エディジャパンはイングランド戦に続き2連敗。エディー・ジョーンズHCは「負けたこては本当に怒りを感じる」と試合後の会見で話した。イングランド戦に続き出場した20歳の矢崎由高はこの日、思い切りのあるプレーで成長を見せたし、桑野詠真、小瀧尚弘といったジャパニーズロッカーもしっかりその役割を果たした。

小瀧尚弘

小瀧尚弘



佐藤健次や森山飛翔といった若いフロントローもこのレベルの試合を経験した。「世界のトップ4」入りを目指すジャパンにとっては選手層の厚みは至上命題だ。今後の試合でも積極的に若手選手の起用が想定される。

翌週6日(土)、場所を豊田スタジアムに移して再びマオリオールブラックスと相まみえる。第1戦よりもまた成長したジャパンのプレーが見られることだろう。

HIGHLIGHT



JAPAN XV エディー・ジョーンズHC

エディ・ジョーンズHC

エディ・ジョーンズHC



選手たちがどんな感情を抱いているのか、話し合ったところです。悔しい。落胆している。でも、結局のところ、私たちは実力が足りなかったんです。私たちは22メートルに11回入りました。対するマオリ・オールブラックスは7回私たちの中に入ってきました。

しかし、向こうはチャンスをすべて得点に結びつけました。彼らのモールの強さは我々よりはるかに上でした。ですから、そこから学ぶことはたくさんあります。でも、試合の攻め方には本当に感心しました。

自分たちがどうプレーしたいかを学び始めたところです。いい攻撃のチャンスをたくさん作れたと思いますが、それを決めきれませんでした。そのためには、より質の高い練習が必要です。そして、それは時間が経てばできるようになるでしょう。ですから、チームの努力には本当に感心していますし、本当に残念でした。マオリ・オールブラックスにチャンスを得点に結びつけることを許したことについては、相当な怒りを感じています。

――セットプレーについて


スクラムは今回も非常によかったです。スクラムはもう少し練習ができるけど、モールはもっと感覚が必要だから、習得するのが難しい。だからスクラムはすごく進歩したんですが、モールが今日はまだ不十分でした。

そして、彼らはとても素晴らしかったです。本当によくできていました。私たちはそうではありませんでした。タイトじゃなかったし。低さも足りなかったし。私たちはチャンスを感じなければなりません。そして、それは時間とともに得られるでしょう。

最後に出て来たメンバーを見ると大学2年生の森山、大学4年生の本橋、矢崎も2年生。彼らは若い選手で、自分たちのプレーを学んでいます。でも、今のところパフォーマンスには結びついていません。でも、そうなるでしょう。必ずね。自信はあります。

森山飛翔

森山飛翔


――グラウンドレベルで試合を見ていた理由は?


ただ、選手の雰囲気をつかみたかったんです。ご存知のように、テストマッチではないので、ピッチでそれができるんです。フィールドでの選手たちのコミュニケーションを聞くのは面白いですよ。彼らの頑張りを少しでも近くで見ることができます。だから、今日はちょっと違うことをする機会だったし、来週もそうしますよ。


戦況をピッチサイトで見つめるエディー・ジョーンズHCとオーウェン・フランクス

戦況をピッチサイトで見つめるエディー・ジョーンズHCとオーウェン・フランクス



――若手の評価は?


『結果に対して』腹を立てています。負けるのは嫌です。選手たちの努力には感謝しています。この若い選手たちには本当に感心しています。彼らは私たちが望むプレーをしたいのです。今夜はイングランド戦とは少し違ったプレーをしたかったんです。イングランド戦のようなセットプレーからは離れようとしました。

私たちはセットプレーでマオリ・オールブラックスに挑みたかったし、集団的なスピードに基づいたゲームを展開しようとしてきました。今はまだちょっとした実験期間みたいなもので、何ができて何ができないかを見極めているところです。

世界のトップチームになるためには、いろいろなプレーができるようになる必要がありますから。だけど、負けるのは嫌ですね。それは悪いことではないと思います。わかりました。このようにあなたのようなほとんどの材料に追いつくことができますか?

佐藤健次

佐藤健次




それで、何を見ましたか?そうですね、矢崎の2試合での成長には本当に感心しました。まだアマチュアの選手なのに、プロのラグビーの試合で5人のアマチュア選手がフィールドに立ったんですから。

矢崎は2試合見ただけでも成長し続けているし、マオリオールブラックスは、誇り高く、情熱的で、フィジカルに富んだチームです。そして、あのような若い選手が再びステップアップし、今日の彼のバックでのコミュニケーションは、イングランド戦よりもよく見えましたし、その対策も見えました。彼がこのまま成長し続ければ、きっと一流の選手になるでしょう。だから、今日の彼には本当に満足しています。

矢崎由高

矢崎由高



――パスミスや慌ててしまう場面が目立ったが、相手のフィジカルが勝っていたからか?


ファンダメンタル・スキルが足りない。それに尽きます。だから、私たちはそれに取り組み続ける必要があるんです。今日のプレーはとてもよかったです。試合のある部分では、かなり攻め込んでいたと思います。マオリ・オールブラックスは、いいチームだし、いい選手がいます。特に、若い選手が亡くなって、辛い1週間を過ごした後なのに、今日のようにフィジカルで情熱的なプレーができたのは、素晴らしいことです。


だから私たちとしてはファンダメンタル・スキルを向上させる必要があります。野球で言えば、ゴロを打って10回に1回はファンブルするようなもの。まあ、試合をまだ経験していません。自分のゲームからそれをなくさなければいけません。今日の試合ではそれができているところもありました。それは、より良い練習を積み重ね、失敗から学ぶことによってのみ得られるものです。そして、それは若手の選手の成長にはつきものです。

今日出場した本橋は、22mで2回ノックオンした。彼がハードワークし、二度と同じことが起こらないことを保証しますよ。でも時には、何かが起こる前に、その前に教訓が必要なんです。そう、それは難しいレッスンだけど、いいレッスンですよ。

本橋拓馬

本橋拓馬




JAPAN XV HO原田衛共同キャプテン

原田衛共同キャプテン

原田衛共同キャプテン



――特に前半モールでトライを狙ったがうまくいかなかった


難しさはないですけど。 エクセキューションのところに尽きると思いますけど、まあ、小瀧さんがコーラーっていうか、サインだしを久しぶりというか、そんなに僕もあんまり同じチームじゃないので。 まあ、もうちょっとよくなると思います、来週は。


―― まだチームも集まっての時間とかでの熟成ということ。


まあそうです、はい。


――試合始まって何度もペナルティがあったがショットも狙える位置だったがトライを狙いにいったのは?


まずゲームプランとしてはモールとスクラムを押すっていうところをFWとしてやってきたので、そこは僕らがプライドを持ってやりたかった部分なんで。 選択に後悔はないですけど、みんなも。まああとはエクスキューションのところ、そこだけかなと思うんですけど。


――コーチとの話し合いではなくて、FWの、自分たちがチャレンジということで


いやコーチと話し合った上で、FWで決めました。


JAPAN XV SH齋藤直人共同キャプテン

齋藤直人

齋藤直人



――後半からの出場でした。それまでゲームを見ていてどう立て直そうと流れをどう変えようと思ったか


前半見ていて、アタックしてる時は両コーナー、左右のコーナー空いてるって印象あったので、 そこは入ったら狙おうと思ったんですけど。 振り返ってみるとなかなかこう見えてなかったというのが実際の感想です。

あとは、ただスクラム、モールも押せていたので、そこのプランに関しては変えずに行こうというふうに入りました。ただその何回も言われている、本当にアタックして、特にハーフブレイクだったり、ちょっとブレイクした後のミスっていうのは本当に多いっていう感じが出て、そこは、僕としては本当にポジティブに捉えてはいけないというか、やっぱりチャンスは作れているけどっていうふうになことじゃなくて、本当にそこで取り切らないと勝てないっていうのをもう次の1週間、僕もミスしてるけど、チームに対しても自分に対しても求めていきたいと思います。

――空いていると思ったところを攻めようとすると、相手のディフェンスが幅が広かったりとか、そういう感じなんでしょうか


いや、スペースはありましたし、実際にそのハーフブレイクできるってことは、スペースつけて前に出られてるということ。まだわかんないですけど、キャリアの問題なのかサポートの問題なのか。後半、明らかにそのカウンターアタック時にブレイクダウンにより自分がドライブするって言ってるんですけど、そこが明らかに遅くなっていた。そこは大事な部分なので詰めたいです。

齋藤直人

齋藤直人




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