JAPANXVサモア遠征直前合宿をエディー・ジョーンズ代表HCが視察「セレクションの意味合いが強い」 | ラグビージャパン365

JAPANXVサモア遠征直前合宿をエディー・ジョーンズ代表HCが視察「セレクションの意味合いが強い」

2024/04/03

文●編集部


エディー・ジョーンズ日本代表HCは、31日から千葉県成田で合宿を行っているJAPANXVを視察。練習終了後、メディアの取材に応じた。今回U20日本代表の選手を主体で構成している中で、4名選手がオーバーエイジ枠で招集された。エディー氏は「私にとってはセレクションの意味合いが強い」と話した。

――ジャパンXVに期待していること


本当に上達したいと思っている若い選手を探している。ハードワークして、そして超速のラグビーができるチームだ。だから、私にとってはセレクションの意味合いが強い。もちろん、チームとして良い結果を出してほしいが、それ以上に私は個々の選手に注目している。



――試合のパフォーマンスで注目していることは


セレクションと同じで、最もシンプルな事柄です。試合を見て、ハードワークしているか、ボールを持っている時も持っていない時もいいパフォーマンスを見せる。常にチームメイトを助けようとする。そういうプレーを私は求めています。



――今日の練習を見た感想は


6週間ほど選手たちを見て、成長し始めた選手と落ち始めた選手を見てきた。この年代では、みんな迷いや不安、弱さを持っていて、自分のベストを見つけようとしているか。そう、ただそれだけです。つまり、育成というのは、選手たちがどのように成長し、どのように成長が止まってしまうかを見極めることなんですよ。


――U20代表選手の中には180cmもない小柄なFLやPRもいる。そういった選手たちは代表として通用するか。


体格は一つのファクターではあるが、それが決定的な条件というわけではない。 身体的に不可能な選手はいない。彼らの身体で何ができるかだ。歴史的に見ても、最も背の低いプロップが、最高のスクラムを組む選手もいる。だから、自分の体で何ができるかが大事なんです。


――この短い間に成長を遂げたと感じられる選手は


SHの(髙木)城治は、私が初めて彼を見たときから、本当にとてもいい選手だと思っていましたが、トレーニングでも自信を持って話している。彼のパスの一貫性も向上しています。だから彼は、ポテンシャルの高い選手ですね。


髙木城治

髙木城治



――活躍した選手はフル代表に呼ぶこともあるか 


何一つ保証されることはありません。セレクションは一時的なものでも恒久的なものでもない。すべてはパフォーマンス次第です。ここにいる選手たちはパシフィック・チャレンジで、サモア、フィジー、トンガ(のA代表)との3試合が控えている。彼らにとっては、セレクションに前進するか、それとも後退するかの重要な試合になるだろう。


――夏のテストマッチに向けてHCは今どんな準備をしているか。


私にとって一番大きな仕事はセレクションです。正しいセレクションをすることです。お分かりでしょうが、私たちは2027年のワールドカップを見据えたセレクションが必要です。もちろん我々は今すぐ勝利を手にしたいが、私はチームを再建しなければならない。ご存知のように、2023年ワールドカップのメンバーは年齢の高い選手が多かった。

だから私たちはチームを再編することが求められています。ですから、有望な若手選手を発掘するということは、非常に重要なことで、最重要事項です。今スタッフの75%は決まってきているので、あとは最後の仕上げをして、スタッフが揃い次第、超速のラグビーをどのように実践していくかを話し合うことになるだろう。


矢崎由高

矢崎由高



――これまでいろんな年代カテゴリーの選手を見てきた中で気づいたことは


そうですね、フィジカル面では、体格の差ではなく、ストレングスやコンディショニングの面で世界水準に遅れをとっていると思う。それが懸案事項です。だから、それに対処するためのプログラムを導入したいと考えています。



――3月に行われた4試合はビデオで見たのか?


この6週間見てきたということです。2回は生で、2回はビデオで見ましたね。



――4試合の中で発見があった選手はいたか。


たくさんいますよ。 なんとも答え難いものですが、少なくともこの中から4人か5人は2027年のワールドカップのスコッドに入るでしょう。それは全て選手たち次第です。才能だけではある程度の地点までしか到達できません。だから、ハードワークと忍耐力、集中力によって自分をさらに高めていくのです。


――パシフィック・チャレンジに挑む選手たちに期待すること


いつでも勝ちたいとは思っています。そうでしょう? でも、彼らは育成中の若い選手なので、やはり成長が見たいです。成長が彼らにとってはとても大切ですよね。


――10年くらい前は松田力也、具智元、梶村祐介など、育成世代から日本代表にならないといけないと言っていたが、そういうことを感じさせる選手はいるか。


まだわかりませんね。パシフィック・チャレンジでわかるでしょう。練習ではどの選手も素晴らしく見える。コンディションもいい。何一つそれを阻害するものもないです。暑くも湿気もない。

ですが、パシフィック・チャレンジでは選手たちは特別なチャレンジをします。30度の気温と湿度75%という中でのチャレンジです。それに、屈強な選手たちのいるチームと戦います。だから、その中で、どの選手が今後成長していけるかと見ることができるでしょう。

私がパシフィック・チャレンジから戻ってきたら、どの選手がすぐに成長しそうで、どの選手がもう少し時間がかかりそうだと思ったか私は皆さんにお答えすることができると思いますよ。ですが、どの選手にも可能性はあります。素晴らしい選手になる可能性があるから皆ここにいる。



――若い選手を見ることは好きですか。


若い選手たちが成長していくのを見るのは大好きです。しかし、日本代表のヘッドコーチとしてもまた、若い選手が活躍できるように導く責務がありますし、トップレベルでプレーする日本人選手がもっと必要です。今リーグワンは53%、日本人選手がプレーしています。少ないですね。だから、私たちは若い選手たちの力を引き出す必要があります。彼らは非常に優秀です。でももっと向上させる必要がある。ボールを動かすことについては素晴らしい仕事をしてくれているが、もし私が彼らにもう少しハードワークさせることができれば、もっと迅速なプレーができるはずです。


――リーグワンのレギュレーションを少し変えたいか。


2027年は(リーグワン全体で)75%日本人がプレーしているようにしたい。私のアドバイスで、3、4年かけて徐々にやっていくことだと思っています。

記事検索

バックナンバー

メールアドレス
パスワード
ページのトップへ