JAPANXV直前合宿・大久保直弥HC「勝つというゴールの中で、選択肢はオーバーエイジをキャプテンにしないということ」 | ラグビージャパン365

JAPANXV直前合宿・大久保直弥HC「勝つというゴールの中で、選択肢はオーバーエイジをキャプテンにしないということ」

2024/04/03

文●編集部


31日から千葉県・成田で合宿をおこなっているJAPANXVは2日、公開練習を行った。練習後、チームを率いる大久保直弥HCにキャプテンを太安善明選手に任命した意図と、この合宿から合流したオーバーエイジ4選手への期待と10日からサモアで開催される「ワールドラグビー パシフィックチャレンジ2024」への意気込みと暑さ対策について話を聞いた。

JAPANXV・大久保直弥HC

キャプテンは大安です。2月からお付き合いさせてもらっていますが、身体をしっかり張るし、(大安にとって)ラッキーなのはリーダーできる人材が揃っているので、身体張るところでいうと、うまくいいバランスでリーダーシップを取っていけると思います。一人でどうこうというのを考えていなくて、彼の成長、チームの成長にとって、何人かのリーダーがサポートしながら大安キャプテンの下、まとまってくれればいいかな。

大久保直弥HC

大久保直弥HC



――タックルで身体を張る選手です


(ラグビーの)本質ですからね、2月からリーグワンのチームの胸を借りてやってきて、格上相手にひたむきにひるまずやっていけると実感している。大安、川越は向かっていく気持ちが強い。格上のリーグワンのチームとやっているから見えることもある。僕も勉強になることもあった。同世代でやっていると見えない部分も多々あった。

太安善明キャプテン

太安善明キャプテン



――オーバーエイジを4人招集しました


ちょうどいいタイミングだと思います。固定したチームでやってきて、(彼ら4人は)学生トップレベルで、将来の日本代表としても見本になれる選手たちだし、彼らが昨日、一昨日来たときも自分は日本代表でやりたいという明確なビジョンが僕自身にも伝わってきた。スタッフも彼らの目標をサポートしたいし、U20日本代表の選手たちも学ぶことがあると思います。

オーバーエイジ枠で招集された秋濱悠太・佐藤健次・青木恵斗

オーバーエイジ枠で招集された秋濱悠太・佐藤健次・青木恵斗



――オーバーエイジの4人にはリーダーシップも期待している?


みんな各大学でリーダーシップを持っている選手なので、(キャプテンを)任せるのは簡単な選択肢だったと思うが、彼らの力を借りながら、U20の7月のスコットランドに向けて、どう成長するかというプロセスの過程でもある。パシフィックに勝ちたいし優勝したいが、7月に(開催されるワールドトロフィーで)勝つというゴールがある中で、僕の選択肢としてはオーバーエイジをキャプテンにしないということです。

エディー・ジョーンズ日本代表HC

エディー・ジョーンズ日本代表HC


――エディー・ジョーンズ日本代表HCも視察します


エディーと話して、(オーバーエイジの4人は)新たな日本代表のスタートを経験したことで別なスイッチが入っていると思う。エディーの希望と、U20の目指しているコンセプトがつながっていい方向に向かっていると思います。U20で結果を出した選手が日本代表に関われるのが選手のモチベーションとして大事ならば、自然とオーバーエイジの選手がJAPAN XVとして活動することが違和感なくなれば、また日本のラグビーも変わっていくかなと思います。

――2月の福岡キャンプ時に大学4年で、社会人1年目の選手は招集できなかった?


エディーと選手を共有していますし、リーグワンが終盤戦に入って大事なので僕はわからない。


――あらためて目標は


2020年大会以来の優勝と、ここから次のW杯に何人、行ってくれるか。2020年のチームからはSO李とPR小林だけです。PR小林は最後は(スコッドに)残れなかったが、(2020年は)優勝した。


――相手はフィジカルが大きいし暑さもあります。


そのために2月、3月やってきたので怯むことなく、ラグビースタイル、環境の違いがあるが、そこを超えないと日本代表には行けないよとメッセージは(選手たちに)送っている。若い選手たちの失敗は学びだと思っているので、失敗から何か掴んだら成長の糧になる。


――暑さ対策は?


ホテルで暖房を利用して、30数度、空気が薄い中で、接点の練習をやっている。(昨季、サモアの遠征に参加している)SH土永の経験は僕らにとってラッキーです。彼と話してポゼッションは3試合で42%しかないと目の当たりにしていて、ボールを持たないといけないと実感している。3月、そういうラグビーを経験させてきている。そこをやり切れるかどうかだと思います。

――メンバーは変えながら戦っていくか


28人全員、試合に出したいとは思います。


――先につながるプロセスの途中? 


そうですね。7月は見据えていますが、とはいえ3月、自分たちのラグビースタイルとか 最初の20分の戦い方とか、ユニークだと思う。僕らが考えている、世界で勝つということに対して、みんなプライドを持っているので、それを出し切ってプレーしてほしい。


――ボール継続していました
勝つ術はそこに集中しないといけないと常々言ってきている。セットプレーも含めて思った以上に勇気を持ってプレーしてくれているとコーチ陣もみんな感じている。

オーバーエイジの4選手たちにとっては「代表へのセレクション」の場にもなる

オーバーエイジの4選手たちにとっては「代表へのセレクション」の場にもなる



――オーバーエイジの選手にとっては日本代表のセレクションでもある


オーバーエイジ(の選手たちにとって)はエディーも見に来るし、彼らの今のコンディション的には、佐藤は走り込んできましたと言っていましたがまだまだ勘は鈍っていると思う。慌ててケガさせてもなんなので、とはいえ、昨日、一昨日みても佐藤は賢い選手です。秋濱、土永、青木も対応能力は心配ない。あと1週間、10日もあれば(チームに)馴染んでしまうと思います。


――今後、高校ジャパンからU20日本代表に呼ぶこともあるか


高橋監督とは電話でイタリアのフィードバックと、こんな選手良かったよと聞いています。呼べるかどうかはまだ大学側とはやりとりできていない。戻ってきたときに会えたらいいなと思います。


――超速ラグビーを理解している


僕も具体的に超速教えてもらっていない。ただ、ずっとエディーと選手、コーチとやっていると、あっと思うところがありますね。朝早いのは間違いないですね。それが超速だったらそれはそれで面白い(笑)。

視察にきていたエディー・ジョーンズ代表HC

視察にきていたエディー・ジョーンズ代表HC



――エディーに何か要求されていますか?


それはないですね。あれやれ、これやれはないですね。(エディーに)パッときて選手に数分話してもらうだけで、選手の目の輝きが変わるだけで僕は手助けしてもらっている。

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