エディージャパン、関東・宮崎合宿、欧州遠征メンバー発表。新メンバーも選出。エディーHCの狙いとは | ラグビージャパン365

エディージャパン、関東・宮崎合宿、欧州遠征メンバー発表。新メンバーも選出。エディーHCの狙いとは

2024/10/11

文●編集部


10日、男子ラグビー日本代表は13日から行われる関東・宮崎合宿とヨーロッパ遠征に参加するメンバーを発表した。FWでは2023年ワールドカップでキャプテンを務めた姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)がメンバーに入った。リーチマイケル(東芝ブレイブルーパス東京)はメンバーに入っていない。BKでは司令塔のSO李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)が怪我のためメンバーから外れ、中楠一期(リコーブラックラムズ東京)が初選出された。今回のセレクションについてエディーHCの狙いとは。

FW20名

姫野和樹

姫野和樹


岡部 崇人(横浜キヤノンイーグルス)(4)
竹内 柊平(浦安D-Rocks)(10)
為房 慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)(7)
オペティ・ヘル(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)(0)
三浦 昌悟(トヨタヴェルブリッツ)(14)
茂原 隆由(静岡ブルーレヴズ)(5)
坂手 淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)(46)
原田 衛(東芝ブレイブルーパス東京)(7)
松岡 賢太(コベルコ神戸スティーラーズ)(2)
秋山 大地(トヨタヴェルブリッツ)(1)
エピネリ・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ)(2)
ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)(18)
サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ)(7)
サウマキ アマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ)(5)
下川 甲嗣(東京サントリーサンゴリアス)(10)
姫野 和樹(トヨタヴェルブリッツ)(32)
ファカタヴァ アマト(リコーブラックラムズ東京)(10)
アイザイア・マプスア(トヨタヴェルブリッツ)(4)
テビタ・タタフ ※1.(ユニオン・ボルドー・ベグル [FRA])(18)
ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)(12)

BK17名

サプライズ選出となったSO中楠一期

サプライズ選出となったSO中楠一期


飯沼 蓮 ※2.(浦安D-Rocks)(0)
小山 大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ)(6)
齋藤 直人 ※1.(スタッド・トゥール―ザン [FRA])(21)
藤原 忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)(6)
立川 理道 ◎(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)(60)
中楠 一期(リコーブラックラムズ東京)(0)
長田 智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)(14)
マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ)(4)
ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)(13)
濱野 隼大(コベルコ神戸スティーラーズ)(1)
池田 悠希(リコーブラックラムズ東京)(0)
梶村 祐介(横浜キヤノンイーグルス)(4)
シオサイア・フィフィタ(トヨタヴェルブリッツ)(13)
ニコラス・マクカラン(トヨタヴェルブリッツ)(4)
ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)(24)
松永 拓朗(東芝ブレイブルーパス東京)(0)
矢崎 由高 ※2.(早稲田大学)(6)


練習生2名

村田 大和 ※2.(京都産業大学)(0)
海老澤 琥珀 ※2.(明治大学)(0)


*1 テビタ・タタフはヨーロッパ遠征から合流
*2 関東・宮崎合宿まで参加

エディー・ジョーンズHC

オールブラックスと対戦する試合に関しては、毎回、最高のベンチマークとなると覚悟を決めています。過去数十年において80%の勝率を誇る強いチームです。若いチームで7テストマッチをやってきましたが、今回、自分たちの現状を確認できる素晴らしい試合になるでしょう。

今回のスコッドはミックスしたような編成になっています。トレーニングに関わっていた8名が戻ってくる形で、ケガないしセレクションにかかっていなかった5名の新しい選手が合宿に参加してテストラグビーを掴むチャンスをつかめる位置にいます。

新しくグループを編成して、リビルドして、リセットをして、2週間、良い形で準備をしてNZとの対戦を迎えたいと思っています。NZと対戦するときに大切なことは相手を追い詰めること、ハードにチェイスする、ハードに相手に立ち向かうことが重要です。2週間の準備期間を楽しみにしています。今回は東京、宮崎で別れて合宿をします。FWは東京でセットプレーを中心に行い、BKは宮崎で楽しみながら準備をしていきたい。

怪我や他の理由で「12名が選考できなかった」

――オールブラックス戦、欧州遠征の選考で重要視したのは?


セレクションは選出できる選手からベストな選手を選ぶことに尽きます。12名が選考できないという形で、ケガや他の事情が理由です。そういう場合は次のベストを選ぶ方針です。日本ラグビーには新しい世代が必要です。2020〜23年の間に、33名の新しいキャップを得た。2024年はすでに17名の新しい選手がキャップを得た。新しい世代をどんどん築き上げていくこと、それを続けていくことで選手層、質を上げることができると思っています。NZ戦に向けてはベストなスコッドを作りたい。


――SO李、FB山沢が選ばれておらず、スコッドの中の10番のオプションに関して


NZ戦のみに集中しています。FBは矢崎、松永、10番は立川、中楠をオプションとして考えています。

セットピースに全神経を集中させるため、FW・BKを分けてトレーニング

――FW、BKを分けてトレーニングする意図は


FWはセットピースに全神経集中させたいから、FWとBKを分けたキャンプを組みました。FWは対戦相手が必要なので、キヤノン、浦安のサポートの元、月曜日と火曜日は対戦相手をつけた練習をします。NZに対して挑む、NZの試合に向けてベストにしないといけない。NZはスクラム、ラインアウトが強いチームなので、スクラム ラインアウトでベストを見せるためにこういった合宿をします。


――合宿でチームとして新しいことに取り組むのか? 


PNCで著しい成長を見せられたと実感しています。フィジー戦はまだまだ足りない部分が露呈されたが、決勝までの過程はとても良い成長ができたと自負しています。アタックに関しては超速ラグビーの超速アタックを継続して見せられる時間が増えたと思うし、著しい成長だと思います。

NZに対して、スピードに乗ったアタック、容赦ないディフェンスで挑んでいきたい。常に仕事して 集中力を高めて試合に臨みたい。NZはアタックするチャンスを決して逃さない、形にするチームなので、ディフェンスは油断をしないようにして、アタックのチャンスのときに我々のアタックに入っていけるように準備したい。

フィジー戦は、60分は良いプレーができたが、最後の20分は我々の課題です。ハンドリング、ブレイクダウンのスキルは課題だが、方向性はよいのでそのままやっていきたい。NZ戦は全神経を集中して、油断せずに常に仕事をして臨みたい。

10番と15番をフォローできる松永拓朗

10番と15番をフォローできる松永拓朗


――SO中楠、松永の2人の評価は


SO李がケガで今回招集できないので、我々は若い10番を探していた。リコーで良いものを持っているなと気づいたのですがコーチ陣でもう1回、若い10番を探そうとしていて、中楠は我々のスタイルに合ったプレーができる。ラインにアタックできる、勇気を持ったアタックができる、ボール持っていないときのワークレイトが高いところ、ボールやプレーにどんどん絡む姿勢があること、エネルギッシュなプレーができると今回招集しました。

――NZはアンストラクチャからのアタックが上手い


NZのアンストラクチャからのアタックは世界一であり、ずっと長い間、そこを誇りにしているチームです。我々としては、ストラクチャからのキックを長く続けること、キックを蹴るのであれば、ストラクチャからキックを蹴って、アンストラクチャからのキックを避けたい。ストラクチャからキックすることで、相手をどんどんイライラさせたい。ストラクチャからキックをして、良いディフェンスのチェイスができるし、そこからキックをしたい。そうすれば相手を敵陣にとどめることができるし、良いキックができると思います。


――復帰した姫野選手について


姫野には数回会っています。ひじのケガはかなり経過がいいと聞いています。PNCのフィジー戦の直後、名古屋で面会したが、とても良い形でトレーニングをしているし回復していると聞いています。彼に求めること、彼の仕事は彼史上最高の選手になること、世界一のバックローになることが彼に求めることで、彼の仕事です。

エディージャパンにていよいよ復活なるか姫野和樹

エディージャパンにていよいよ復活なるか姫野和樹

――NZ戦はメンタル面の準備が大事になっている


メンタルと一言でまとめると物怖じしない、恐れないことだと思います。NZをどんどん追い詰めて、仕掛けることが一番大切です。NZと対戦すると心配事の方が多くなると思うが、競い続ける、ずっとやり続ける、相手をおいつめつづけることができる限り長くできれば、我々としてはNZに勝つチャンスが増えていく。

恐れないことができれば、NZに初めて勝つ日本代表になることができると思います。NZとの対戦の平均得点は85-14でかなりギャップがある。NZと対戦するときには、相手のことを尊敬し過ぎてしまうということがあると思います。相手をリスペクトしないといけないが、相手を追いつめつづけること、恐れないこと、そういった気持ちを持って戦いたい。

オペティ・ヘル

オペティ・ヘル


――オペティ・ヘル選手について


NZ戦は100%出られると思います。オーストラリアで学生時代の彼のプレーを見ると、彼のいる年代で、一番の選手だったと思います。能力に長けた選手だと思いますが、どれだけハードワークできる心構えがあるか、そういったことが必要だと思います。2週間でどれくらいハードワークできるか見ていきたい。ここでハードワークがしっかりできればセレクションには必ずかかるのかと思います。

今回の招集でもパフォーマンス不足で松島幸太朗の名前はなかった

今回の招集でもパフォーマンス不足で松島幸太朗の名前はなかった


――合宿メンバーに松田力也や松島幸太朗がいないが


それぞれ違うケースです。松田はPNCでもトレーニングしていたが、課題に取り組める時間を作るためにクラブにもどした。課題を取り組んでよりよい選手になったらもどってくることに期待したい。松島の場合、今年は招集の対象ではない昨季のリーグワンでのプレーをみて招集できるレベルではない。身体を治してリーグワンで良いプレーをみせれば 来シーズンは戻ってくるかもしれない。松島はどれくらい素晴らしいプレイヤーかわかっているがフィットネスをあげないといけない。国際レベルの試合では80%では無理で100%必要。コミットメントも100%が必要です。いかにハードワークできるか、日本ラグビーにコミットメントできるか。

――中楠一期(ブラックラムズ東京)の選出は、育ていかないといけないという観点?

100%です


今のジャパンが目指しているプレーに合致するか、中楠一期

今のジャパンが目指しているプレーに合致するか、中楠一期



――松永拓朗(東芝ブレイブルーパス東京)中楠は春のメンバーに入っていなかったが


松永は東芝で一度会いました。10番、15の連携 この2つのポジションをプレーできるのは貴重。完璧にフィットすると思っています。中楠はリコーでのプレーを見ていた。ヒューワット(前ブラックラムズHC)とも話を訊いていた。慶應でのプレーはおぼろげながら覚えています。彼の能力で評価しているのは、ラインに仕掛けながらという彼のプレーはジャパンのプレースタイルにあっているのではと思っています。少しだけ一か八かの判断になるかもしれませんが彼の成長に期待しています。

――11年前のオールブラックスとの対戦は、エディーさんは病気で指揮ができなかったですが……


11年前に関しては発作が起きて、その場に立つことができなかった。記憶は曖昧だが、3日後に目覚めたときに、ドクターが目に入って、NZ戦のコーチにいかないといけないと発声したことを覚えていますが、ドクターに止められたことを覚えています。

やはりNZは世界一のチームですし、そういったチームと対峙するときは、自分自身のテストといった意味で自分のピークを試せる試合です。NZはどういった場面でも自分の試合をやり続けるチームで、新しいロバートソンHCは、より恐れないようなチームです。

昨今のラグビーはパスの回数が増えるとどうしてもブレイクダウンに弱みが出てしまうところもあるので、恐れないプレーをすることは、同時に弱みを孕んでくると思っています。なので、私の仕事としてはNZが恐れないスタイルで臨んでくるのであれば、相手より恐れない姿勢を見せることが必要だし、大切だと思っています。

次の2週間、私の仕事は選手がどれだけNZに挑み続けるかが肝だと思っています。若い選手といっしょに集中してやっていきたい。NZに対して若いチームで挑むことは、苦い思い出になることもありますが、実は私も2回対戦したことがあります。1度はランドウィックで、何も失うものがない、恐れがない気持ちで 試合に挑んだだけで、負ける確率は少ないと思っていましたが、21-12で負けました。

翌週、NSW代表で対戦しましたが、相手がどうやってくるのか、この試合の影響はどうなのかと考え続けて50-0で負けた経験があります。私としてはジャパンのこのチームこそがNZに挑むことができる、良い試合ができると信じているし 2週間の準備を楽しみにしている。

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