ジェイミージャパン初陣・カナダ戦、スコットランド戦スコッド43名が発表 | ラグビージャパン365

ジェイミージャパン初陣・カナダ戦、スコットランド戦スコッド43名が発表

2016/05/10

文●編集部


5月10日、東京・日本ラグビー協会、6月にアウェーで行うカナダ代表戦および「リポビタンDチャレンジカップ2016」スコットランド代表戦(ホームで2試合)に出場する日本代表メンバー発表記者会見が行われた。登壇者は男子15人制ディレクター・オブ・ラグビー薫田真広氏と日本代表ヘッドコーチ代行のマーク・ハメット氏の2人。

セレクションの経緯と今後の流れ(薫田真広ディレクターオブラグビー)

薫田真広DOR(以下、薫田) 6月のメンバー43名選考の経緯、過程、今後について説明いたします。日本の選手はワールドカップ以降、トップリーグ、スーパーラグビー・サンウルブズそしてこれから迎える日本代表とおなかいっぱいな状態です。

当然、日本代表強化の柱はスーパーラグビーとトップリーグで変わりないわけですが、ティア1レベルのクオリティーの高い戦いを今回初めて9ヶ月という期間、新たなチャレンジをしています。今回そういう状況の中でのセレクションであったことを予めお伝えします。

今回の43名発表しましたが、今後2019年に向けて、いろんなチャレンジをしていきたい。2019年のワールドカップで選手のコンディションがベストな状態に持っていくことを一番大事なことだと思っています。

 

それではセレクションの経緯についてお伝えします。まず、ポリシーですが、優先順位 としてはまず2015年のラグビーワールドカップのメンバー。43名中20名が2015年ワールドカップメンバーとなりました。

2番目にその中からすでに引退している選手、今回諸事情あってインターナショナルレベルからの引退を表明している選手もいました。またケガによって参加できなかった選手もいます。セブンズも今年はあります。オリンピックの候補メンバーはそちらを優先するということになります。そういう空いたポストには、サンウルブズ、PRC(パシフィックラグビーチャンピオンシップ)現在行われておりますARC(アジアラグビーチャンピオンシップ)昨年のパフォーマンス、これらを評価して空いた穴に埋める作業をしました。

最後に3番目に2019年大会にポテンシャルあるメンバーを選びました。サウマキ選手は昨年シーズンケガで棒にふった選手ですが、2019年はポテンシャルがあると思いますので彼の力がどこまで海外に通用するかを確認するためにこのスコッドに入れました。

 

続いてセレクションの過程について説明をいたします。5月9日、マーク・ハメットHC代行、ジェイミー・ジョゼフHC、サンウルブズ田村誠GM、田邊淳BKコーチとともに最終ミーティングを行った結果が今の結果となります。

事前のハメットジョセフ 2人には、日本人の映像 W杯 昨季のそれぞれの所属の最新のゲームの映像編集してチェック中竹HC代行以下、遠藤、栗原各コーチよりARCのパフォーマンス評価をしっかりして今回のリストに反映しております。

PR山下裕史選手については打診はしたが、今回チーフスに専念したいということで彼には今回は見送ることにしました。チーフス、神戸製鋼でしっかりプレーして11月にまたブロードハーストも必要な選手だが彼はコンディション不良のため見送っております。

 

今後の流れとしてはこれまでのような長期間キャンプはできません。5月28、29のスーパーラグビー・ラウンド14が終了して、すぐに1週間後には集合して出国というスケジュールになります。まずは43名の選手のコンディションをチェックし30名程度を 6月の遠征メンバーをリリースしたいと思います。合わせて、出国日の6月5日に25名のメンバーを発表して、同時にキャプテンもリリースしたいと思っています。

 

「日本ラグビーの新たな挑戦」マーク・ハメットHC代行

今日が2019年に向けた日本ラグビー強化の第1日目になります。話しを始める前に私はジェイミー・ジョセフの代理として発言している立場になります。

日本代表にとって大事な時期であります。どの国もワールドカップ後にチームの立て直しというフェイズを行います。2015年の日本代表の活躍は偶然ではなく、長い期間の準備を経て生まれた結果だと思っています。
 
そして、日本ラグビーは新たなファクターであるスーパーラグビーが入ってきました。
スーパーラグビーというのはティア1同様の大会。シーズンも長く、精神的にも応える大会です。試合がテストマッチ同様の試合が各週連戦で行われるものです。その大会に適応できるまでには時間がかかります。

薫田さんから話がありましたように、W杯後に(代表から)離脱する選手も出てきます。そしてオリンピックのセブンズに参加するため、15人制に参加できない選手も出てきます。けれどもその穴を埋めるであろう選手たちがどのくらい戦えるかという力量を見るためにいい試合になると思います。

その中で誰が新しいリーダーになれるのか、テストマッチの試合を経験させてあげあられるというポジティブなところがあります。この先新たな試練があるでしょう。しっかりと全ての準備をしてして、オープンな状態で鍛えれば2019年に必ずよい戦いができると思います。

 

――トップリーグなどを見れていない中でセレクションの難しさはなかったか?


ハメットHC 難しさはあります。自分の主な任務というのはサンウルブズのコーチだったのでそこでの時間が取られてしまったという部分もあります。当初からセレクションに関しては薫田さんとジェイミー・ジョセフが責任をもって行うと聞いていました。そして私からはサンウルブズの選手の評価を薫田さんに教えた。ジョセフはスーパーラグビーで戦っている選手の出来を伝えていました。もちろん薫田さんはトップリーグ選手たちの力量を熟知していると思います


――リーチ選手と五郎丸選手について、どのようにセレクションしたのか


薫田 彼ら2人だけでなく海外でプレーしている選手とは直接交渉しています。


――リーチ選手については、代表を辞退するのではといった声も聞かれるようですが


薫田 冒頭でもお話していますが、選手たちはこの9ヶ月大きなチャレンジをしています。コンディション調整が難しい中にいると思います。常に日本ラグビーのためにベストな状態臨みたいと彼はいっています。当然、コンディションについては6月にむけて最善の努力をしてほしいと思っています。五郎丸についても、試合に出場しているいないというのがありますが同様です。

彼らだけでなく、多くの選手はワールドカップで唯一負けたチームであるスコットランドと対戦できるということで日本ラグビーのためにリベンジしたいという思いがあります。

 

「一番調整ができるのはカナダ戦」

――カナダとスコットランド2戦と3試合ありますが、最初のカナダ戦からベストメンバーでいくのか、それともある程度調整しながらベストメンバーに近づけて戦っていくのか


薫田 どの試合が大事かというのは難しいと思います。サンウルブズの選手たちは、ハマー(ハメットHC)のことも、ハマー以外のスタッフのことも理解しています。海外でプレーしている選手。初めてハマーと接する選手にとっては長い時間が必要だと思います。

その中で一番調整の時間がとれるのは初戦のカナダ戦。二戦目、豊田でのスコットランド戦は一番難しいと思います。そういう部分と、選手のコンディションに配慮ししながら最善のメンバーで臨みたい。


――メンバーが全員集まるタイミングがあるのか。日本に残っているメンバーはどうなるのか。


薫田 スーパーラグビーのラウンド14が終わったら、ケガの状況などを考慮して43名から30名程度に絞ります。伊藤鐘史や、ホラニ龍コリニアシなどはスーパーラグビーを経験しているわけではないので、集合してすぐにテストマッチを戦えるようなゲームコンディションが整っているのか深く分かっていません。

30名絞った後でカナダツアーは25名でいきます。6月4日全員集合して、6月5日カナダへ出発します。ですのでツアーメンバーではない選手は一旦チームから離れ、日本に帰国したとき豊田に再びメンバーが集合します。


――ということは今回発表された43名は一度も合宿には呼ばれない選手もいる

薫田 呼ばれない選手もいます。バックアップメンバーも含めて発表しております。ARCが5月18日まであります。そのメンバーも数多く入っていますので彼らのコンディションも考慮しながら30名に絞っていきたいと思っています。

オリンピック出場のために今回招集を見送った選手について

セブンズに専念する羽野一志

セブンズに専念する羽野一志

――オリンピック出場のために今回のメンバーから外れた選手を教えて下さい。


薫田 山田章仁、彼はサンウルブズでも非常に活躍しています。藤田(慶和)福岡(竪樹)もそうです。個人的に羽野一志。サイズもスピードも。セブンズでスペースのあるところを世界のトッププレーヤーとの数多くの経験をしています。あとキックも蹴れるということで代表として招集したい選手ではありますが、セブンズのコアメンバーに入ってますので今回は外しています。


――サンウルブズ、ARC、ワールドカップいずれにも参加していないメンバーが招集されたのは。


薫田 そうですね。サウマキも松田力也も。堀江恭佑は、現在ニュージーランドへ行っておりますが、先日清宮(克幸・ヤマハ発動機)監督とも話をして、非常にいいコンディションだということです。また、海外でプレーしている選手について現地のコーチからのレポートや電話を同時にうけてレポートをもらいながら調整しています。

 

ジェイミーHCがこだわったのは「2015年ワールドカップメンバーが2019年も戦えるのかを見極める」

――ジェイミー・ジョセフHCがセレクションについてこだわっていたことはありますか。また日和佐篤選手がいないですが、SHには枠があるのでしょうか。


薫田 枠というものは設けていません。日和佐のパフォーマンスについてはハメットからの方がいいですね。
ジェイミーがこだわったのは2015年のメンバーを見てみたいということで彼らが2019年の可能性あるかそこの評価をしたいという話がありました。

ハメット  日和佐はすばらしい選手です。昨年からW杯、トップリーグ、スーパーラグビーと続いています。2019年にテストマッチレベルでどの選手が戦えるのかを見極めなければならない。幸いにも9番の枠が層が厚いです。日和佐にはこの期間を有効に使うということでこの機会に一息休ませてあげると思っています。

今後の日本代表にとって彼の経験やプレーは不可欠なものであると思っています。彼が今回メンバーに招集されていないということは、あまり深読みせずに色々なマネジメントの上でセレクションしているということを理解いただきたい。

 

ラグビー日本代表・カナダ戦、スコッドランド戦スコッド

▼FW23名
浅原拓真 東芝ブレイブルーパス(5)
安藤泰洋 トヨタ自動車ヴェルブリッツ(1)
伊藤鐘史 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(36)
稲垣啓太 パナソニックワイルドナイツ(10)
宇佐美和彦 キヤノンイーグルス(6)
大野均 東芝ブレイブルーパス(96)
垣永真之介 サントリーサンゴリアス(6)
木津武士 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(41)
金正奎 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(1)
具智元 拓殖大学(4年)(-)
小瀧尚弘 東芝ブレイブルーパス(2)
ツイヘンドリック サントリーサンゴリアス(36)
畠山健介 サントリーサンゴリアス(72)
細田佳也 NECグリーンロケッツ(-)
ホラニ龍コリニアシ パナソニックワイルドナイツ(44)
堀江恭佑 ヤマハ発動機ジュビロ(2)
堀江翔太 パナソニックワイルドナイツ(42)
アマナキ・レレイ・マフィ NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(7)
三上正貴 東芝ブレイブルーパス(32)
森太志 東芝ブレイブルーパス(2)
谷田部洸太郎 パナソニックワイルドナイツ(2)
山本浩輝 東芝ブレイブルーパス(2)
リーチマイケル 東芝ブレイブルーパス(47)


▼BK20名
内田啓介 パナソニックワイルドナイツ(14)
小野晃征 サントリーサンゴリアス(28)
児玉健太郎 パナソニックワイルドナイツ(2)
五郎丸歩 ヤマハ発動機ジュビロ(57)
マレ・サウ ヤマハ発動機ジュビロ(26)
ホセア・サウマキ 大東文化大学(4 年)(-)
笹倉康誉 パナソニックワイルドナイツ(-)
茂野海人 NEC グリーンロケッツ(-)
立川理道 クボタスピアーズ(43)
田中史朗 パナソニックワイルドナイツ(53)
田村優 NEC グリーンロケッツ(35)
中村亮土 サントリーサンゴリアス(6)
野口竜司 東海大学(3 年)(2)
パエア ミフィポセチ NTT ドコモレッドハリケーンズ(-)
カーン・ヘスケス 宗像サニックスブルース(14)
ティム・ベネット キヤノンイーグルス(2)
松島幸太朗 サントリーサンゴリアス(16)
松田力也 帝京大学(4 年)(-)
山下 一 豊田自動織機シャトルズ(2)
山中亮平 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(6)

 


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