梶村祐介「1回しかないチャンスをしっかりものにする」BKメンバーで行っている宮崎合宿の様子から、代表・ワールドカップへの思いを訊く | ラグビージャパン365

梶村祐介「1回しかないチャンスをしっかりものにする」BKメンバーで行っている宮崎合宿の様子から、代表・ワールドカップへの思いを訊く

2024/10/15

文●編集部


15日、ラグビー日本代表のBKメンバーは宮崎合宿を行っているが、現地からCTB梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス)がオンライン取材に応じた。FWと分かれてBKメンバーはどんな合宿を行っているのか。梶村自身、日本代表やワールドカップへの思いなどを訊いた。

宮崎合宿ではハンドリングエラーを防ぐための基礎的なトレーニングを反復

――宮崎合宿でやっていること


最初に提示されたのが、PNCでのハンドリングエラーの数で、その数があまりにも多くて、相手にアタックの機会を与えてしまっているということで自分たちのファンダメンタルスキルのレベルを引き上げるための3日間になりました。


――どんなことをやってレベルを引き上げようとしていますか


アンダープレッシャーの中でのコネクションをしっかりコミュニケーションで解消するというところに重点を置きました。


――オールブラックス戦にむけて


戦術的なことはまだ選手に提示されていないので、個人的にはこういう大きなチャンスというのはなかなか回ってこないと思っているのでチャンスがあれば狙いたいなと思っていますし、ゲームまで1週間と少し時間があるので、その中で練習のクウォリティを上げてチームの中で信頼を得るようにしたい。


――PNC4試合でハンドリングエラーは何回でしたか?


決勝が8回とかですかね。準決勝、決勝でかなり多い数がBKだけで出ていたのでそこを修正するようにと最初エディーさんからBKメンバーに伝えられました。


――具体的にどんな練習をしてそこを解消しようとしていたんですか?


シンプルなところでいくとハンズアップのところを今までとは少し違う形で取り組むようになって、そのクセ付けを反復して行っていましたね。


「代表のピリピリした感じはすごくいいこと」

梶村祐介

梶村祐介


――PNCは久しぶりのエディージャパンでしたけどそこに出場した気持ちと、久しぶりにエディーさんと話したときの感想は?


久々のエディージャパンというのもありましたし、日本代表の試合というのもすごい久々だったので、準決勝、決勝と時間は限られていたんですけど、その中で自分としてはインパクトを残そうと思ってプレーしたので、感触としては悪くなかったかなと思っています。

エディーさんと話してみての感想は、あまり大きく変わられていなかったので緊張感もありながら選手もすごく緊張感があって、何て言うんですかね、チーム全体でピリピリした感じというか、そういうのがあるのはすごくいいことだなと思っています。


――成長した姿を見せられているという感じはありますか?


結構アタックのイメージを持たれていたと思うんですけど、ディフェンスの部分の変化というのは感じてもらえているかなと思っています。


――これからビッグチームとの対戦ですが、どのあたりを上積みしていきたいか


60分以降のパフォーマンスの低下というのはすごく感じていて、やっぱりプレースタイル的にどうしてもスタートからすごいギアあげて、スピードラグビーをすごいやっているので、どうしてもどっかでガス欠になってしまう。そうならないためにしっかり80分のゲームの中で(ギアを)上げるところと少しコントロールするところのテンポの強弱をつけないといけないな、と(代表に)入る前も思っていましたし、実際にジャパンに合流してからもそういうふうには感じています。


――何が要因?


春のキャンペーンもそうでしたし、PNC通してもかなり選手の入れ替わりが激しくなっているので、そこの連携を合わせていくといのはなかなか難しくて、そこは時間がかかると思うんですけど、今回はこのスコットでいくというのがもう決まっているので、約2ヶ月近くですかね。この時間を有効的に使ってできるだけ早いタイミングでコネクトできるようにと思っています。



――個人的にはどの部分でアピールしていきたいか


僕もこの代表チームの中ではそんなに若い選手ではないので、本当にもらえた1回のチャンスの中で特に意識しているのは、コリジョンエリアのインパクトをしっかり残すことです。ボールキャリーは元々自信があって、そこは必ず成果を残したいのと、あとはディフェンスは絶対ドミネイトを狙うというのを自分の中でターゲットにしているので、そこは今の自分の成長をしっかり試合の中で成果として出してみたいと思っています。

これまでより短い距離を複数回走るトレーニング


――テンポの早いラグビーをできるだけ長い時間続けることが求められていると思いますが、代表から個別にもらっているメニューなど何か特徴的なことはありますか


今まで前体制のジャパンのときと比べると違うなと思ったのは、長い距離を走るんではなくて、割とフルスピードに近い、短い距離を繰り返すというのが、今回出されたメニューの中では今までと違いました。

40mとか9本セットとか、それだけじゃないんですけど、それに加え、いろいろなメニューがあるんですけど、あまり長い距離をはしるんではなく短い距離を反復しておこなっているのが、SC(ストレングスコンディショニング)から出されたメニューでした。


――なぜそういうメニューなのか説明もあった?


説明がありましたし、実際にプレーしてあまり70m、80m走るシーンというのは試合の中で
そこまでなくて、スプリントを繰り返すという能力が今の日本代表には必要だと思いますし、それを繰り返すにもフィットネスが必要ですし、そこをカバーするための今回はメニューだったなと感じました。


――ハンズアップの話がありましたが、すごく基本的な技術だと思いますが、少し違うというのは具体的にどういうところが違う?


基本的に今まではボールが来たら、ボールに対して外側の手を出す選手がかなり多くて、ただ外側の手を出してしまうとどうしてもボールの勢いにまけてしまって、キャッチのタイミングが自分の体の中心から外になってしまうというデータがデていて、それをなくすためにボールが来る方向の内側の手をあげることで、自然とキャッチを内側に矯正するというトレーニングをやっていました。


――それは今までやったことないトレーニングでしたか?


やったことなかったですね。実際に(トレーニングを)やってみて感じたのは、普段よりキャッチするタイミングが早くなるので、ディフェンスとの時間ができるというのがすごく大きくて、判断するまでに余裕が生まれて、良い判断ができる回数というのがすごく増えていきましたね。



――今のジャパンへの思い、ワールドカップへの思いは


ワールドカップに関しては、今はもう全く考えてなくて、得たチャンスをしっかりものにして、テストマッチ一試合一試合しっかり準備をして、出場機会を得たいという思いで参加しています。


――2018年のオールブラックス戦は出られなかった。オールブラックス戦に対する思いは


当時は社会人1年目で、確かに勢いはあったと思うんですけおd、本当にテストマッチレベルでプレーできる自信というのは当時あんまりなくて、出れないというのも自分でも課題があるから出れないというのを理解していました。当時は悔しいよりかは、そのツアーの中でキャップを得る機会がほしいなとは思っていました。


――それから6年、今回オールブラックスとの対戦が巡ってきましたがどのくらい出たいか


今季リーグワンでもずっと長いシーズン戦ってきて、僕がオールブラックス戦に出れるだけのパフォーマンスは残してきたと自分でも思っているので、まずはチーム内競争に勝たないといけないですし、実際今は調子のいいCTB陣が2人並んでいますんで、そこに食い込むためにも練習の中で、これくらいでいいやじゃなくて、持てる力を全て発揮することが大事だと思っていますし、出たらやれる自信は今はあります。


――強みは?


ボールキャリー、そこは自分の一番の強みなので、今季ディフェンスが良くなったとはいえ強みは変わらないと思っているのでそこでしっかりとアピールしていきたい。


――タックルをドミネイトすることにフォーカスされていると話されていましたが、フィジー戦でもいいタックルがありましたが、あれはどうやってできたのか


僕は結構間合いを詰めたいタイプなので、できるだけ相手に接近した状態でタックルをしているんですが、日本代表のシステムは割と外側にプッシュしていくシステムなので、そこは結構最初戸惑いはありました。

自チームが結構シャローであげていくので、そこをフィジー戦のゲームウィークの練習で修正しながらという感じでしたね。


――日本代表には何度も呼ばれていますが、ワールドカップへのチャレンジでは何回か悔しい思いをしています。何度もでもチャレンジする気持ちは?


今まで何度も呼んでいただいて、チャンスを掴めなかったことが何度もあったんですけど、やっぱり日本代表というのは、一番魅力的なチームだなと思っていますし、ここに呼ばれるってことはすごく光栄なことで、いつまでも呼ばれるわけではないので、呼ばれたチャンスをしっかりといかしていきたいなと思っています。


――普段の日常でも日本代表は意識しているのか?


リーグワンのシーズン中に日本代表のことを考えているかと言われたら、正直そこまで考えてはいないです。ただプレーが(代表に)つながるというのは、どこか頭の片隅にはあって、それに見合うパフォーマンスは毎試合残したいと常に思っていました。

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