1月3日(金)、第104回全国高校ラグビー大会は準々決勝4試合が花園ラグビー場で行われた。第4試合はAシードの石見智翠館と國學院栃木の一戦が行われた。石見智翠館は3回戦で攻守にわたりチームの中心選手だった祝原久温が負傷。試合途中に担架で運ばられる重傷で先発を欠場。これまで祝原を中心に結果を残しただけに、残されたメンバーがどんなパフォーマンスを見せるか注目された。
國栃が最初のチャンスをものにする。相手のペナルティから敵陣に入ってラインアウトを確保すると、フェイズを重ねてボールをキープ。10フェイズ以上を重ねて、相手ディフェンスが内側に集まりだしたところを、4分CTB根岸悠羽がトライ。左隅の難しい角度からのコンバージョンをSO神尾樹凜がしっかり決めて7‐0と國栃が先制。その後、互いに好機を作ることができず互いのディフェンスが相手の前進を許さずスコアが動かずに前半終了。
後半も拮抗した状況が続き迎えた14分、國栃が自陣5m付近のブレイクダウンでペナルティを獲得。敵陣10m付近でラインアウトからモールを押し込む國栃。石見智翠館がペナルティ。さらにゴール深くへ入りラインアウトのチャンス。
ラインアウトを確保するとドライビングモールでゴール前までボールを運び、國栃がフィジカル勝負に出る。FL下境洋がトライ。神尾のキックは決まらず12‐0と國栃がリードを広げた。
追いかける石見智翠館は何とか仕掛けるも國栃ディフェンスを崩すことができず時間は過ぎていく。後半26分、石見智翠館はキャプテンの祝原久温を投入。まともに歩くことすらできない状況であるものの、精神的支柱でもある祝原をピッチに入れてチームにエナジーを注入する。
國栃も最後まで集中力切らさず守りきりノーサイド。國學院栃木が12‐0で石見智翠館に勝利し3大会ぶりに4強入りを果たした。準優勝をした第101回大会の躍進を見て入部を希望した代。まさにゴールデンエイジたちがベスト8の壁を突破した。
國學院栃木 吉岡肇監督
守りきるというのが浸透してきたのかもしれないですね。年々良くなったというよりは、何か諦めて、開き直って、俺達はそういうチームなんだっていう大砲がいないんだってというそういうのが色濃く出てますね。よくタックルしますから。
(桐蔭に向けて)関東新人で勝って、関東大会で負けて、3度目ということですが、お互いよく知っていますし、関東決勝は近年、うちと桐蔭さんが多いので、関東の盟友というか、ライバルというか、1月5日に試合ができて楽しみですね。
國學院栃木 SO神尾樹凜
リベンジできて良かった。嬉しいです。ゲームプランは石見智翠館に向けて前日行ったミーティングどおりで、やっぱりロースコアになることはわかっていたんで、キックをうまく使って相手にプレッシャーをかけて、いい試合運びができました。
(桐蔭に向けて)大会にはいる前から桐蔭対策というのはやってきています。全員がキーマンなんで、本当に今までやってきたディフェンスで、さらにこの花園でディフェンスも成長していると思うんで、培ったものと合わせて相手に点を取らせないで今回のようなロースコアで良い試合運びができたらなと思います。
石見智翠館 出村知也監督
準備していたアタックというのはもっと本当はボールを動かして両WTBにボールを触ってもらうというラグビーをしたかったんですけど、そこがやっぱり國栃さんのディフェンスが素晴らしくてできなかった。
できたところでいうと、ディフェンスはうちは1年間やりつづけてきたので、本当ならもっとトライを取られてもおかしくなかったところを、みなんんで一生懸命帰ってタックルしていたのは積み重ねてきたことが出てくれたと思います。
プレッシャーはSHにもかかっていて、0.5秒、1秒遅くなってしまったことが敗因かなと思います。