1月5日、第103回全国高校ラグビーフットボール大会は準決勝2試合が行われた。第1試合はAシード・桐蔭学園(神奈川)とBシード・大阪桐蔭(大阪第2)の一戦が行われた。両チームのここまでの試合結果は以下の通り。
桐蔭学園ここまでの戦績
2回戦:松山聖陵(愛媛)92-0
3回戦:光泉カトリック(滋賀)83-0
準々決勝:東海大大阪仰星(大阪第3)34-24
大阪桐蔭ここまでの戦績
2回戦:鹿児島実(鹿児島)57-7
3回戦:石見智翠館(島根)37-10
準々決勝:流経大柏(千葉)19-13
前半6分、敵陣22m手前のラインアウトから桐蔭学園がアタック。接点で上回り5フェイズでゴールライン手前までボールを運ぶと、PR前田麟太朗が今大会初のトライを決め桐蔭学園が先制。
9分、桐蔭学園は敵陣10m付近でペナルティーを獲得するとショットを選択。キックを蹴るのはFB吉田晃己。ここまでキック成功率は90%を超える。吉田が確実にPGを決め10-0と連続スコアを積み重ねた。
15分、桐蔭学園は相手のペナルティーからゴール前ラインアウトのチャンス。ボールを確保しモールを組むも、ここはモールにこだわる大阪桐蔭がボールを出させない。
直後のスクラム、桐蔭学園がプッシュしたかに思われたが、ペナルティー。大阪桐蔭が自陣22mのエリアから脱出するも、大阪桐蔭がオフサイド。再び桐蔭学園が敵陣に入る。さらに大阪桐蔭がハイタックルのペナルティーで桐蔭学園が再びチャンスを迎える。
21分、ゴール前の桐蔭学園ボールラインアウト。サインプレーでモールを組まずにFL申驥世がゴールに迫るが、グラウディングできずゴールラインドロップアウト。大阪桐蔭のフリーキックからゲームが再開。ボールをキャッチしたSO萩井耀司がドロップゴールを狙うも失敗。スコア変わらず。
23分、大阪桐蔭はNO8上野凌大が自陣10m付近でジャッカルを決めてボールを奪いようやく敵陣に入る。ラインアウトからボールをキープしてフェイズを重ねるもノックオン。
桐蔭学園にアドバンテージが出されプレーが続行。桐蔭学園WTB田中健想が抜けて敵陣に入る。SO萩井が左サイドのスペースにボールを蹴り込み敵陣深くに入る。
ラインアウトを確保した大阪桐蔭はSO上田倭楓が10m付近まで蹴り戻す。26分、桐蔭学園FB吉田が抜けて裏のインゴールへショートパント。大阪桐蔭WTB山添がカバーに入り、吉田もグラウディングできずスコアはそのまま、前半が終了。
サイドが変わった後半3分、桐蔭学園陣内10m付近の大阪桐蔭ボールスクラム。大阪桐蔭がペナルティー獲得。敵陣22m内側に入ってこの試合初のチャンスを迎える。ラインアウトからモールを組む。大阪桐蔭にアドバンテージが出される。アタックを続けるがもう一度ペナルティーの位置に戻って今度はゴール前5mのラインアウト。
今度は前にパス。ラックを作り大阪桐蔭NO8上野凌大がゴールに迫るも、グラウディングできずノックオン。桐蔭学園がキックでエリアを戻しアドバンテージが解消。大阪桐蔭が再びアタックを繰り出すも、桐蔭学園LO中野誠章の低いタックルでノックオンを誘い、ピンチを救った。
ピンチを脱した桐蔭学園は、後半10分、キャプテンのNO8城央祐が自陣10m付近でジャッカルを決めボールを奪い返すビッグプレーが飛び出す。敵陣に入った桐蔭学園は直後のラインアウトから連続攻撃。WTB古賀龍人がゲイン。裏スペースにボールを蹴り込み自ら抑えて貴重な追加点をあげた。
16分、追いかける大阪桐蔭はフェイズを重ね、敵陣22m付近でボールをキープするも、桐蔭学園のディフェンスが前に出てプレッシャーを賭け続ける。するとパスが乱れたところ、CTB白井瑛人がジャッカルを決め大阪桐蔭はチャンスを逸してしまう。
桐蔭学園は直後のラインアウトからFL申がゲイン。さらにCTB白井もゲインしゴールまで5m。大阪桐蔭も粘り強くディフェンス。迎えた8フェイズ目、大阪桐蔭FL前川竜之介がジャッカル。ピッチを脱したかと思われたが、桐蔭学園の攻撃が終わらない。
FB吉田が敵陣15m付近から抜けるとゴール前でSH渡邉晃樹へオフロードパスを繋いで22-0とリードを大きく広げた。27分、自陣からボールを回す大阪桐蔭に対して、桐蔭学園がプレッシャーをかけてペナルティー。桐蔭学園がショットを選択。吉田がしっかり決めて25-0と勝負を決めた。
ここまでスコアがない大阪桐蔭は何とかスコアをしたいが最後まで桐蔭学園のディフェンスを崩すことができず試合終了。桐蔭学園が25-0で大阪桐蔭に快勝。3大会ぶりの決勝進出を果たした。
桐蔭学園・藤原秀之監督は「先制してから敵陣にいたからトライとPGだけで流れが良かった。後半、トライ取られたら流れとられていたと思う。前半もう1トライかPGがほしかった。相手のミスに助けられた。後半、相手が足止まったときにボール動き出したが、前半途中からできれば面白いプレーができたかな」と試合を振り返った。
対戦の大阪桐蔭については「強かったですね」と話し、「ハーフ団が2年生だったがファーストアタックが脅威だったのでそこを止めることができるかがポイントだった。ディフェンスが止めたというところだと思います」と選手たちのパフォーマンスを評価した。
前半2本トライをとってから追加点を取れなかった点については「前半もう1本取らないと勝てない。取れるところで取るという反省をしないといけない」と指摘した。
決勝は同じAシードの東福岡。「Aシード同士で対戦できるのを楽しみにしています。9番からのパスも良くなかったし、ブレイクダウンももう少し頑張ってほしい。(決勝は)動けるかですね。気を充実させて動けるか。すごくタイトな試合になるし、ボールもワイドに動くので対応できるか」と話した。