アイルランド第2戦レビュー・最初のトライを失った要因は過剰な執念か。判断ミスがなければトライ数は同じだった。 秋は日本選手の能力をもっと引き出すラグビーを期待 | ラグビージャパン365

アイルランド第2戦レビュー・最初のトライを失った要因は過剰な執念か。判断ミスがなければトライ数は同じだった。 秋は日本選手の能力をもっと引き出すラグビーを期待

2017/06/26

解説●後藤翔太 構成●大友信彦


こんにちは、翔太です。アイルランドとの第2戦は、大阪のなんばパークスで、神戸製鋼の大先輩・林敏之さんと一緒にパブリックビューイングの解説をさせていただきました。場内は満席で、立ち見の人もぎゅうぎゅう詰めで、ものすごい熱気の中で、林さんの熱もガンガン伝わってきました。林さん、熱くなると机をガーンと叩いてましたね(笑)。林さんとゆっくりお話するのは初めてで、ありがたい機会をいただきました。ファンのみなさんの熱も感じられて、楽しい時間でした。

「何かを得ようとすれば何かを失うリスクがある」


さて、アイルランド戦です。

試合を通じての僕の感想は「何かを得ようとしたら、何かを代償として失うんだな」ということでした。この試合、日本代表から伝わってきたのは「接点で激しく戦う」という決意でした。第1テストで、ジェイミー・ジョセフHCは「戦う意識が足りない」「死にもの狂いさがない」と話したといいます。この試合では先発メンバーも8人変えました。

試合が始まってすぐ、トンプソン ルークのタックルでボールを取り返したときは、パブリックビューイングの会場中が「いった!」という熱気に包まれました。味スタでは2万9000何人のお客さんが一気に盛り上がったでしょうね。先週とはまったく違う。ターンオーバーから一気に先制トライだ! と期待したファンも多かったでしょう。


ところが、マフィからのパスが乱れた。そこに、アイルランドのCTBリングローズが走り込んで、拾われてしまう。そのまま60mを独走され、トライされてしまいました。何だよ……と思った方も多かったでしょう。

このプレーについて、パスの精度が低かった、という見方もできると思います。
その一方で、ジャパンはターンオーバーに人数とエネルギーを割いたあまり、ボールを取り返した次の攻撃に使える人とエネルギーが残っていなかったと見ることもできる。アイルランドは持ち込んだボールを守ることに人数をかけず、ボールを失ったけれど、次のフェイズでディフェンスの人数はいた。だからこそディフェンスがあれだけ勢いよく出られたわけで、結果としてトライを取ることができた。あの場面で、トライを取られた要因はマフィのパスミスだったように見えるけれど、実はそういう構図だったと思います。

ただ、それを責める意図はありません。そうではなく、何かを得ようとすれば何かを失うリスクがあるということです。

 

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