24日、NTTジャパンラグビーリーグワン2024-2025プレーオフトーナメント準決勝、連覇を狙う東芝ブレイブルーパス東京は、準々決勝で静岡ブルーレヴズに勝利したコベルコ神戸スティーラーズと対戦した。
前半はうまくいかない時間帯もあったブレイブルーパスだったが、前半15分にFL佐々木剛のタックルで相手からボールを奪い、CTBロブ・トンプソンがトライを決め逆転。その後もスティーラーズの攻撃を粘り強いディフェンスで凌ぎきり7-3とリードして後半を迎える。

佐々木剛のタックルでルーズボールとなりブレイブルーパスがターンオーバー

前半15分ロブ・トンプソンがトライ
後半、WTB桑山聖生のトライでリードを広げると、49分、敵陣10m付近でペナルティを獲得。リーチ・マイケルキャプテンはショットを選択。40m近いロングPGをSOリッチー・モウンガが確実に決めてスコアで神戸にプレッシャーをかけた。

後半3分WTB桑山聖生のトライ

リッチー・モウンガのゴールも成功

後半9分リッチー・モウンガのロングPGが決まり17-3

後半11分リッチー・モウンガの神業キック・チェイスさらにタップパス

コリンズにつながりさらにコリンズからフリゼルへ

シャノン・フリゼルがインゴールへ

フリゼルがゴール中央にトライかと思われたが、モウンガのパスがスローフォワードと判定され幻に
その後互いにスコアが動かず迎えた75分、HO橋本大吾が敵陣深くでスペースを抜けて試合を決めるトライ。試合終了間際にも相手パスが乱れたところCTBロブ・トンプソンがボールをインターセプトしそのままトライ。31-3でブレイブルーパスがスティーラーズをノートライに封じ込め2年連続のファイナル進出を決めた。

後半35分橋本大吾がブレイク

そのまま橋本大吾がトライ

後半40分ロブ・トンプソンがダメ押しトライ
トッド・ブラックアダーHC、リーチ・マイケルキャプテンの試合後会見を余すことなくお伝えする。
HIGHLIGHTS
東芝ブレイブルーパス東京 トッド・ブラックアダーHC

トッド・ブラックアダーHC
すごくタフな試合に勝つことができて嬉しいです。
まず神戸さんに感謝したい。プレッシャーかけてくることがわかっていたのですがよく戦った。1週間空いたことで、入りが思うようにいかなかったが、ファイトし続けて簡単に取られなかったことで良いパフォーマンスができた。
――ロブ・トンプソンが非常に良いプレッシャーディフェンスをしていた
全体的に見て、ディフェンス面では、まさに素晴らしいチームの働きだったと私は思う。ボビー(トンプソン)はそのエリアでは確かに素晴らしいプレーをしていたが、それは本当にうまく練られた戦略の成果だと思った。

ロブ・トンプソンのディフェンス
リーチはディフェンスのリーダーだ。ディフェンスのリーダーたちがチームの調子を実際に決めているのです。今日は立って、積極的に攻めることが大事だと思った。コリジョンで勝ったことは大きかった。相手のスクラムディフェンスも強かった。

リーチとワーナーが李承信にダブルタックル
どれだけそのことに力を注いでいたかがよくわかった。だからボビーがピッチに立って、いつも通りのプレーで相手を圧倒している姿を見るのは、本当に素晴らしいことだ。
――モウンガ選手のキックのことがすごくエリア取りで目立った。改めて今日の試合の評価をしてください。
彼は非常に経験もあって、今日の試合でも自分がワールドクラスの選手であることを示しました。まさにプレッシャーのかかるような瞬間でも、彼はそういうプレッシャーの下でも本当に落ち着いて対応できる。

前半2度にわたり精度高いキックで5022を決めた
彼はそれを楽しんでいるし、他の選手たちと同じように、重要な試合で素晴らしい活躍を続けている。そのようなプレッシャーの下でプレーし、そのスキルを発揮する姿を見られることは、本当に恵まれたことだと思う。
――前半途中で入ったCTB眞野選手について
(眞野)泰地は本当に最高です。いつも準備していて、みんなが準備している。

眞野泰地
――決勝に向けて
何よりも嬉しいです。関わっているみなさん含めて良い状況なので、決勝で良い結果を出して、みんなで喜びたいと思います。

トッド・ブラックアダーHC
東芝ブレイブルーパス東京 NO8リーチ マイケル

リーチ・マイケルキャプテン
――試合を振り返って
本当に勝って良かったなという感じです。今日の試合は、神戸に対して、とにかくディフェンスで頑張ろうという話をしていた。試合前からお互いにポジティブなコミュニケーションをしようと話をしていた。準決勝というハイプレッシャーの中で、どれだけ話せるか、立ち上がってタックルできるかと話をしていて、それが80分できた。
――スコア的には、苦しい展開が長く続いたが、自分たちのプランで戦えたのか。
スコアが近くなればなるほどプレッシャーがかかるので、そういう時はとにかくアタック(をした)。どんどん相手にプレッシャーをかけるということを意識したので、その間でスコアができて、そこから一気に勢いができて、点数がどんどん開いて、そこから自分たちに余裕が持ってプレーできたので良かった。あとは、アタックしないとスコアできない状況をあえて作ったので、ディフェンスからしたらすごくやりやすかったです。

佐々木剛(左)とリーチ・マイケル
――アタックしなきゃいけない状況をあえて作ったというお話をもう少し詳しく
「あえて作った」というのは、点数的に相手がアタックしないといけない時間帯と点数になっていたので、ボール蹴ってもカウンターしてくるし、とにかく敵陣でプレーして、相手をアタックさせて、キックアウトさせたり、キックアウトしたら、アタックもできるし、もしくは、神戸ボールの時にプレッシャーをかける。そういうプランがあったので、すぐにハマりました。
――前半は自陣での時間が長くて、 神戸にアタックされて、あまりキックで脱出はしなかったと思うんですけど
ターンオーバーしたボールをもらったり、自分たちのプランの中でターンオーバーしたボールをどんどんアタックしていこうと。2、3回くらい自陣でターンオーバーされたり、スクラムでターンオーバーされたりした。決勝の舞台でもう一回同じ状況が来たら、ちょっと考え直そうかなと思います。それでも神戸相手にはどんどんいつでもアタックできるという怖さを見せたかった。
――準決勝で今季最少失点(3点)。ディフェンスの何が良かった。
セットプレーの安定。セットプレーでかなりディフェンス、マイボールしか与えなかったのが大きいのと、タックル。試合の初めからタックルの質、特にそこにこだわってやりましょうと話したら、すごくハマりました。
あとはディシジョン、上がるか流すか、相手がラインブレイクしても戻る。戻る速さ、その辺は満足している。
――神戸の李キャプテンが東芝のディフェンスに激しさがあったと言っていたが、そこはさらに満足している点ですか?
そうですね。そこは自分たちのプライドを持っているところだし、神戸、デイヴ・レニーHCも、そこに時間をかけていると思うので、その真っ向勝負になった時には東芝が勝たないといけないと思った。

眞野泰地
――その中でも後輩の眞野選手がすごい良かった
今日だけじゃなくて、今シーズン通しても、去年からずっと低いタックルだったり、ワークレイトの高さ、素晴らしい選手です。信頼できる選手ですね。キックも左足でも蹴れるし、アタックも強いし、ジャッカルも全部できるので、自分のチームにいて本当に助かります。
――レギュラーシーズンの時にPGが少ないという話があったときに、プレーオフでは変わってくるかもしれないと話していましたが、今日、前半では狙わなかったが後半、40mぐらいのところで狙ったというところの判断を教えてください。
時間帯とスコアがあって、真正面でスクラムになるとどっちでも、強いアタックができるので、リッチーだったり、セタ、ロビー(トンプソン)、どこでもスコアできるという自信はあります。あえてスクラムにして、後半になってタッチキックもどっちでも良かったですけど、真正面だったし、ここでスコアのプレッシャーも与えてもいいんじゃないかなと思い、(キックの判断をし)ました。
――モウンガ選手のパフォーマンスについて
ボール持ったら、攻撃ですごいプレーが期待できるので、足も速いし横も速いし、縦も強い、キックも蹴れて、そしてその中でも判断力も高いので、見ていてワクワクします。試合中でも(笑)

リッチー・モウンガ
――試合の入り自体は、ちょっと難しいとか、よくないかなという感じはあったか?
試合の入りに(ラインアウトからのボールが)カットされて、相手のディフェンスがどうなっているか理解できて、そこからどんどん自分たちがほしいボールが取れたので良かったと思います。モウンガと喋って、早い段階でカットされて良かったという話をしました。
――最後は危ないところでリーチさんが戻ったりしていました。自身のディフェンスについて
ディフェンスしかできない。僕の方は。そんな(ボールキャリーは)強くないので。ボールを持って前に出る選手は (佐々木)剛だったり、(豊島)翔平、(シャノン) フリゼル、ワーナー(ディアンズ)、ジェイコブ(ピアス)もいて、とにかく今日はディフェンスで頑張ろうとしていました。
――アタックも含めて局面に絡んでいるように見えたのですか?
今日はとにかく前に前に前にという感じだったので、ボールを持ったら前に、ディフェンスは前に頑張りました。

健闘をたたえ合うリーチとサウマキ
――決勝戦に向けて
また最高の舞台に立つ機会をもらったので、反省するところは反省して、神戸の分まで頑張りたいなと思います。国立競技場を満杯にして、また府中に優勝トロフィーを持って帰りたい。