リッチー・モウンガ「迷う余地はなかった」骨折しながらも強硬出場し普段通りのプレーでブレイブルーパス連覇に貢献しPOM! | ラグビージャパン365

リッチー・モウンガ「迷う余地はなかった」骨折しながらも強硬出場し普段通りのプレーでブレイブルーパス連覇に貢献しPOM!

2025/06/01

文●編集部


1日、NTTジャパンラグビーリーグワン、ファイナルは、今シーズンの頂点を決めるにふさわしい緊張感ある一進一退の展開となったが、東芝ブレイブルーパス東京が18-13でクボタスピアーズ船橋・東京ベイに勝利し、2年連続2度目の優勝を飾った。

この試合のプレーヤー・オブ・ザマッチに選ばれたのは、リッチー・モウンガ(東芝ブレイブルーパス東京)。準決勝で右手の甲を骨折し、今週一度も全体練習には参加せず、ファイナルの舞台に挑み、勝利を引き寄せる後半の森勇登のトライを演出。さらにプレイスキックも全て決めるのはもちろん、ランとキックでスピアーズの強固なディフェンスに揺さぶりをかけた。

「今週の準備は私にとって大きな挑戦だった」

――連覇しました


確かに、この勝利とこの大会は本当に特別です。


――右手をケガしたのはいつ?


準決勝の神戸戦で手を骨折してしまいました。76分だったと思います。本当に不運でした。しかし、それはそれです。今週の試合に向けて準備を整えることは、私にとって大きな挑戦でした。

ウォームアップするリッチー・モウンガ

ウォームアップするリッチー・モウンガ


――プレーに影響したのか?


まあ少しだけ。パスはうまくできたと思います。それほど難しくはなかったですが、痛みについて考えたり、スキル以外のことに気を取られたりすると、少しやりづらく感じましたが、実際にはそれほど悪くはありませんでした。

――今までにこういうタフなシチュエーションはあったのか?


右手の骨折をしたのは3回目で、左手もやったことがありますね。でも一度、試合の最初にケガをしてそのまま続けることができたので、今週末、プレーすることが不可能ではないと思っていました。ブレイブルーパスとしては今シーズンの最後だし、迷う余地なんてない。特別なことを成し遂げる一部になるという最高のチャンスを逃したくないですから。


「最初からプレーする決心をしていた」


――痛みを抱えても良いパフォーマンスができるのは?


ケガのことは考えないようにします。自分のマインドセットはこの試合で戦うというところにあります。勝つために努力し、チームに貢献すること。それだけが今日私がやらなければいけないことだということを理解していました。

私はラグビーが大好きです。ラグビーの大ファンです。ラグビーが大好きで、ラグビーを観戦したり、試合のレビューをしたり、スーパーラグビーやヨーロッパの試合を観戦したりするのが大好きです。

だから、ラグビーに夢中だし、こんな舞台で、こんなに多くの人の前でプレーできるのは、本当に特別なことです。子供の頃から夢見ていたことですから。

前半8分、リッチー・モウンガの先制トライ

前半8分、リッチー・モウンガの先制トライ


――ブラックアダーHCは週の初めは7:3で試合に出られないかも、と言っていた。酸素カプセルに3日入ったら良くなった?


ええ、酸素カプセルは日本で試したことはなかったのですが、本当に悪い印象はまったくありません。回復にとても効果的で、シーズン序盤に股関節のケガをしたときに利用しました。その効果は本当に素晴らしかったです。トディ(HC)は、私がプレーするかどうか疑問に思っていましたが、私は最初から今日プレーする決心をしていました。

――手のケアは自分の判断に影響があったか。


特にないです。一歩フィールドに足を踏み入れたら、ただラグビーをするだけです。あまり考えすぎないようにした。今日は自分にとって良い日だったと思うんです。



――FWがいいプレッシャーをかけてくれましたね


すごくチームメイトを誇りに思います。クボタの選手のサイズ、そしてスクラムや他のプレーでのパワーをみんな知っています。だから今日仲間のFWが見せてくれたプレーが本当に誇らしいです。

――1本目のトライと、2本目のトライに繋がったシーンではどんなことをフォーカスしていたのか。


ただラグビーをして、できるだけナチュラルにプレーし、体が動くままに任せるだけです。その状況には何千回も直面してきました。ラグビーをして、自分の経験に従ってプレーしただけです。

リッチー・モウンガが藤原忍を外に抜いてパスと見せかけて

リッチー・モウンガが藤原忍を外に抜いてパスと見せかけて


パスダミーでランをするリッチー・モウンガ

パスダミーでランをするリッチー・モウンガ

――酸素カプセルもリーチから教えてもらったのか?


そう、今週のほとんどをマイケルと酸素カプセルでの中で過ごしましたよ(笑)


――酸素カプセルではリーチとどんな会話をしたのか。


いや、話しかけようとしたんですけど、中に入ったらマイケルはすぐに寝ちゃいました。彼がマスクを着けると、袋の中の空気が完全に抜けてしまうので、私は心配になりました。彼が死んだのではないか、とか、そんなことが頭に浮かんでいました(苦笑)。

「チームメイトたちに、この瞬間を当然のことだと考えないようにと伝えている」


――スーパーラグビーを入れると過去9年間、毎シーズンタイトルを獲得していますね。


多分(連続してタイトルを獲っているのは)10年くらいだったと思います。最初のタイトルは2015年のカンタベリーが最初でした。2016年、2017年もカンタベリーでタイトルを獲って、クルセイダーズは2017年から2023年でしたかね。本当に、こうした優勝チームのメンバーであることに感謝しています。


でも私は、チームメイトたちに、この瞬間を当然のことだと考えないようにと伝えています。なぜなら、優勝できる人はごくわずかであり、連覇できる人はさらに少ないからです。私にとっては、チームやマネジメントの皆が、自分たちの努力が実を結ぶのを見て、喜びや幸せを感じている姿を見るほうが、何より特別なことです。そして、それは私にとってそれ以上素晴らしいことはないです。

「(優勝の瞬間)最初に探したのは、リーチの姿だった」


――試合が終わった瞬間、どんなことを感じた?


まず私が最初に探したのは、リーチの姿でした。私は彼のことを本当に誇りに思っています。彼がこのクラブのためにしていることや、彼の人柄、そして彼が体現してくれているものに対して、私はただただリスペクトを抱いています。

リーチ・マイケル

リーチ・マイケル


彼は、東芝に来る多くの外国人選手たちの生活をかけがえのないものにしているのです。彼は兄のような存在で、彼の成功を見ることができ、彼がキャプテンとしてチームを率いる姿を見られることは幸せですし、彼のようなリーダーにただただついていくだけでした。


――試合後、涙を流しているようにも見えたが。


そうですね、このように感傷的な気分になったのは初めてです。


――ケガなどを乗り越えて連覇ができたことが感慨深かったのか?


ええ、そう思います………。試合が始まる前から、手のケガというハードルがありました。今週は、精神的にとても厳しい準備期間でした。今週はまったく練習ができなかったのです。そして試合後に成功を収めたことで、この1週間がどれほど大変だったか、メディカルチームや家族、そして周囲の人たちのサポートがどれほどありがたいことか、心から実感しました。


――リーチキャプテンがいいプレーができているのはモウンガ選手が府中や東芝というチームに愛着があるからだと言っていたが。


ええ、私は東芝が大好きです。このクラブの一員であることにとても感謝しています。クルセイダーズと東芝には多くの共通点があります。東芝は、本当に謙虚で、真面目に努力するチームです。

私たちは、自分たち自身とチームとしてやりたいことに集中しています。裏でサポートしている人々、マネジメント陣、広報スタッフなどのサポートを見れば、それがよくわかります。本当に素晴らしい組織の一員であることに誇りを感じています。東芝の一員であることが本当に誇りです。


――来シーズンも優勝したいですか。


それはまた来年考えますね!(笑)。

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