28日、リコーブラックラムズ東京は、東京サントリーサンゴリアスと対戦し、33‐32と1点差で逃げ切り今シーズン初勝利を収めた。昨シーズンは終盤まで競った展開をしながらもいずれも逆転負けを喫していた。今回も序盤リードするも、サンゴリアスの追い上げにあい、追い詰められた状況だった。最後の場面もここまで3トライを決めているサンゴリアスFB河瀬諒介がボールをもちトライフィニッシュに入った。その時、80分フル出場のSO中楠一期が河瀬の脚をタッチライン外に押し出し、トライセービングし勝利した。
2試合連続10番を背負っている中楠にここまでの戦いと現状について話を聞いた。
SO中楠一期
――最後のタックルは
あそこは頑張りました。去年のシーズンとか、先週もそうですけど、タイトなゲームを最後落としてしまうというのが多くてそういう悔しい思いを本当にしたくなかったですね。実際最後の5分くらいのシーンも逆転される未来もちょっとよぎったりして、そういうのは嫌だったんで、そこでみんなでしっかり規律を守って守りきれたというのは本当に大きかったですね。
――80分間通してブレイクダウンのディフェンスはサントリー相手にプレッシャーをかけられたのでは
下馬評とかでいうとサントリーの方が強いという印象があると思うんですけど、全然僕はそう思っていなくて、僕らはどのチームでも倒せる力があると思っています。そこに対して1週間、ノンメンバーも含めてみんなでいい準備ができてそれを試合でメンバーが遂行できたというそれだけだと思います。
先週の試合が終わった後もタンバイ(HC)さんからも話が合ったんですけど「月曜日は必ず頭上げてこい」と。それから月曜日から練習をしてきました。
――高本幹也選手との10番対決でしたがどんな感想ですか
シンプルにうまいなと。高校生から知った仲ですし、花園で対戦した時は負けましたし、多分これまで対戦したときは負けたことがあるかなという印象です。同期です。もちろんライバルとして意識している相手ではあるし、そこにすごくフォーカスしていたわけではないですけど、チームでやることやって勝てたというのは良かった。
特に10番、対面というよりは自分がどういうゲームをしてチームに対してどういうコミュニケーションがとれるかということでいっぱいいっぱいな部分もあるので、相手を考えている暇はないですね。
――2戦連続10番で起用されたことで自信になった
そうですね。自信はつきましたし、チームとしても力はあるというのは、みんなは信じていたけど結果がついてこないから本当に信じきれないところっていうのは多分あったので、今日一発結果が出たことでシーズン早い段階で自分たちの力を示すことができたのは、これからまた前向きに取り組めるかなと思います。
――ジャパンの経験は?
日本代表ではプレッシャーをかけられて練習できたので、その経験からスタンダードをチームに帰っても下げない。日常生活であったり、練習の一つのコンタクトの意識でもまだ日本代表合宿のスタンダードを意識できているかなというのあります。
――ペナルティの意識は
最後のスクラムのときから、みんな気づいていると思うんですけども次ペナルティしたらショット蹴られるなと思ったのでFWに話しかけに言ったりしていましたね。
――TJといっしょにハーフ団を組むことについて
TJのアタックに対するアイディアもありますし、TJが来たことでいろいろとできることが増えましたね。本当にリーダーシップが素晴らしい選手だなと感じます。大きな力になっていると思います。
TJの発想は結構あると思うので、そこにアジャストするのは多分みんなもうちょっとできるかなと思います。慣れとかもありますし、今が合っていないわけじゃないですけど、これから試合を重ねていくともっと新しいものが作れる可能性があると思います。