常勝集団に育てた帝京大・岩出監督が26年の監督生活にピリオド。4年ぶりの日本一を花道に | ラグビージャパン365

常勝集団に育てた帝京大・岩出監督が26年の監督生活にピリオド。4年ぶりの日本一を花道に

2022/01/10

文●編集部


9日、国立競技場では第58回全国大学ラグビー選手権決勝が行われ、帝京大学が27-14で明治大学に勝利し、4大会ぶり10度目の優勝を果たした。試合後の記者会見で、帝京大学・岩出雅之監督は「10回優勝させてもらいましたが、今回、細木(キャプテン)のインタビューを聞いて感情的になってしまった」と話した。

さらに試合後の記者会見で今季限りで帝京大学の監督を退任することを発表。1996年に就任し26年間、前人未到の9連覇を果たした指揮官は「勝っても、負けても今日で終わりにすると決めていました。チームとしては最高の状態で(後任に)引き渡すことができる」と話した。

「細木の涙を見た時、一番ぐっときてしまった」

決勝戦は結果が学生にとって一番、大切かなという中で、どれだけ中身の濃い、自分たちがやってきたことを発揮が出来る試合をやってほしい。テーマは「徹底」を貫くということをやり通そうということでゲームに臨みました。準決勝に京都産業大の素晴らしい勢いを受けてしまった。

今日はまずはラグビーのコンタクトスポーツということで、タックルに尽きる試合をしようと(話をしましたが)、その通りの試合をしてくれていいディフェンスだった。その中からいいチャンスがうまれた。気合いが入りすぎることもあり、ミスもあり、ミスの後、必ずチャンスが来る。

「ミスはチャンスの入り口だ」そのように伝えて、選手たちがいいマインドを持って(試合に臨んでくれたので)期待していました。今日はご覧のとおり、スコア上は大きくあかなかったが、安定したゲーム運びをしてくれた。10回優勝していただいて、個人的にいろんな思いあるが、細木の涙を見たとき、一番、グッときてしまいました。いいキャプテンに恵まれて選手たちが頑張った。そこはしっかり称えていきたい。

――4大会ぶりの優勝です。スクラム、ディフェンスで圧倒したが、この4年間、一番力を入れたことは?


たくさんやってきましたので、1番というと一つだけではないが、もう一度、学生たちの心身の充実、健全な学生達の生活とラグビー活動をしっかり作っていけるように。特にコロナの中、強化の前に、健全、健康と安全、心身ともに充実することを勝った負けた以外に心がけていました。

最初は世の中がこうなってしまうというイメージはなかったが、自分たちで安全対策委員会を作って、スタッフがすべてをひっぱらなくても自分たちで健全な環境を作っていった。個人、集団でやるべきことやった。ラグビーをおいても似ている部分があり充実していたと思います。


――細木キャプテンのキャプテンシーについては?


二点あります。一つは精神的に戦う気持ちの強さ、熱量をみんなに示してくれた。もう一つはフィールドで答えを出してくれる、特にスクラムに関しては正直、圧倒ですよね。安心して見ていられた。

マイボールスクラムがペナルティーになるので、本当に計算できる、安心して見てられる。指導者にとってもそうなので、選手たちは特にそうだったと思います。シーズンに入ってから、学生たちのまとまりが勢いを生むポイントだった。


――細木くんの4年間成長をどう感じる?


最後の姿が細木の姿じゃないですかね。人は幼いときから、青年期は特に、大人と子どもの分かれ道で、ずっとそのままであればそのままだが、成長した人間は、過去はいいんじゃないかな。いい成長していることに尽きるので、そこを僕は一番信頼していますね。

学生たちは(細木を)信頼してついてきている。今の細木を見ているので、(これから)就職先で日本代表に挑戦するだろうし、もっともっとたくましくなってほしいし、(そうなって)いくだろうと期待している。


――細木選手の涙にグッときたという発言がありましたが


彼が(インタビューを受けて)しゃべる前は、淡々と自分自身はドライに感じたが、「自然と涙が出た」という彼の感情表現の素直さに、近くにいる僕の気持ちに、彼の魅力が入ってきてグッときました。優勝して喜んでいるだけでなく素直に出している。 


――4年ぶり10回目の優勝です。


連覇して止まって、そこから上がってくることは正直、簡単ではかった。負ける理由は何か足りない、そこを振り返って前に進む。負けた選手は下級生が多い。4年生またできるわけではない。青年期だからこそ、心身共に健全を積み上げていこうとした。今季のチームも今年、急にこうなってわけではない。この2年間の踏ん張りがありました。結果が出なくても、悔しさが残っているから細木が燃えた。負けて卒業した4年生のおかげもあるんじゃないかなと思います。


「勝っても負けても今日で終わりにしようと思っていた」

今日の試合で、監督として最後にさせてもらおうと思っています。いろんな考えを持って大学とも相談して、勝っても負けても今日で終わりにしようと思っていた。学生たち頑張りで、 運良く勝たせてもらった。26年間、監督させてもらったが、帝京大の監督はこの試合で引退させてもらう予定です。キャプテンに2、3日前に話しをさせてもらった。学生たちのマインドを下げたくなかったので黙っていたが、一緒に卒業していく人間なので(話した)。本当にメディアのみなさまにもいろいろお世話になりましたが、いろんな経験と充実した時間いただきました。詳しくは時間を取って、大学の方と相談させて、後任の発表させていただきたい。後任も決めていますので、次の監督がしっかり頑張ってくれると思います。一番、チーム充実がして、一番いいときに渡せたと個人的に思っています。ありがとうございました。


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