サクラセブンズこと、女子セブンズ日本代表は16日(土)から千葉県「浦安D-Park」で合宿を開始した。17日、公開練習が行われた。今回招集されたメンバーは12人。8月の韓国遠征メンバーは若手選手を多く招集したが、今合宿ではワールドシリーズを経験したメンバーを中心とした構成となった。チームは合宿終了後24日から中国・杭州で行われる第19回アジア競技大会に出場する。
練習後、長年セブンズでプレーしてきた中村知春、1年ぶりにサクラセブンズ復帰を果たした堤ほの花、15人制から再びセブンズに挑戦する松田凛日の3選手に話を聞いた。
中村知春「オリンピックから立て直すという第1タームはできた」

中村知春
――「兼任コーチ」という肩書きがなくなりました。
そうですね。オリンピックから立て直すという第1のタームは自分でもしっかりできたと思うので、自分の選手としての役割に集中して、しっかりチームに貢献できるようにしていきたい。

――役割としては今までと変わらないと鈴木HCが話をしてましたが。
この合宿は「質を高める」というテーマだったと思うんですけど、難しいことをやろうって言うんじゃなくて本当に細かいことを100点に近い状態で出し続けることができるようになるというもので、プレッシャーのかかる状態でも、アジア大会とかオリンピック予選とか、特にライバルの中国と戦うことになるので、そういうところでちょっとでも緩んでいたら、声をかけてあげるという仕事をしてやっていければいいんじゃないかなと思っています。
――「チームを立て直す」という目標を達成するための基準というのはありましたか
結果としてワールドシリーズに戻ることが出来ましたし、予想以上に結果もベストの5位で大会を終えることができたので立て直し以上に良い兆候になってきたんじゃないかなと思います。

ただ難しいことをした訳じゃなくて、本当に私達もどうして勝てるようになったのかなという答えが出ていない状態なので、ただ単純に一つひとつのプレーの精度をきちんとできる子が増えてきたということと、チームワーク、チームプレーができる子が増えてきたということに尽きるかなと思っています。
――これまでセブンズのキャリアが長い千春さんから見て、勝ち星を拾えるようになっているこのチームがこれまでのチームと何か違いがあるとしたらどういう部分が違いますか?
決して恵まれているとは言えない環境の中で、信頼なり地位なりを勝ち取ってやろうというハングリー精神があるチーム状態だと、非常にまとまれるというか、何かそういうところがあるので、その点今回の方がちょっと足元すくわれるんじゃないかなというところは心配しています。

――試合中にそういったことは感じるんですか?
そうですね。前回2015年のオリンピック予選のときやワールドシリーズの昇格がかかった大会のときはすごくハングリーな感じでしたけど、今回のワールドシリーズに対してはすごくリラックスして臨んでいたので、大会の種類が変わるとプレッシャーとかメンタルとかマインドも変わってくるので、その経験をどうやって整理つけるかというのがキーになるんじゃないかなと思います。

平野優芽キャプテン
――千春さんからみて今のチームで「メンタル強い」と感じる選手はいますか?
みんな強いですよ(笑)。平野とか、リーダー陣があんまり緊張しないので、そういうマインドがチームにも伝播するというか、まあ大丈夫あろうみたいな感じで、そこはすごいなと思います。
堤ほの花「スピードやパスの精度、もっと磨ける部分」

堤ほの花
――セブンズに復帰するということでまた戻ろうという決めることに時間はかかりましたか。
そうですね、もうちょっと引退を考えながらやっていたので、ただみんなが頑張ってやっている姿を見て、ここで負けたくないなとも思ったけど、気持ちが追いつかなかったんですけど、やっと自分自身もちょっと頑張ってみようと思って続けていて自分のパフォーマンスが出たらまた呼んでいただけたらいいなと思っていました。

――実際の招集の話をもらったのは、太陽生命ウィメンズシリーズのあとですか?
はい、実際、太陽生命のパフォーマンスを見てくださってまた合宿に呼ばれました。
――合宿に参加して手応えは?
この前の中国戦勝ったのも一安心ですし、このチームに入ってちょっとずつ慣れてきたというのもあるし、でもまだ全然追いついていない部分だったり、もっと磨ける部分、スピードだったりパスだったり、精度のところは高められると思うので、その部分はしっかりトレニーニングしています。代表には代表のトレーニングのきつさがあるので、だんだんおいつけていけたらいいなと思っています。
――スピードトレーニングは代表に入ってからやっていますか?
スピードトレーニングよりは、ランニング強化みたいな感じはありましたが、自分自身でも初速のところだったり長い距離が走れるようにとかは自主練をしています。

――数値はどうですか?
GPSの数値でコンスタントに30以上、31とか32とか試合のところで出せているので、よりコンスタントで出していきたいなと思っています。
――以前よりも数値は伸びている感触ですか?
自分的にも感覚的に今の方がいい感じかなと思っています。東京五輪のときは、長く走るとだんだん数値が落ちてきたところもあったんですが、今はあげていけているので、そのままもっとあげていけるようにしていきたい。

――これからアジア大会、オリンピック予選もありますが、自分としてより伸ばしていきたいところは
トライを取りきるというところもそうですし、チームとしても上の方を考えながらも、雰囲気だったり、のびのびプレーをしながら楽しめたらいいんじゃないかなと思っています。
――後輩の選手も多くなってきましたが、チームの中ではどんなキャラ?
おちゃらけキャラというか。あんまり先輩キャラではないですね。若い選手との中継役になれたらいいなと思っています。
松田凛日

松田凛日
――15人制からセブンズに戻ってきて、感覚的な難しさはありますか。
一人ひとりがディフェンスする部分が広いので、上がり具合とか、相手との間合いたったりが難しいなと思います。
――前に経験したサクラセブンズと今のチームに何か違いを感じましたか?
あまりガラッとメンバーが変わったってわけじゃないんですけど、ディフェンスの部分ではコネクトのところがすごく強化されているなと感じました。

――松村美咲さんや弘津悠さんはセブンズから15人制にチャレンジしていますが、何か話をしましたか。
弘津さんとは結構近況を話するんですけど、ラグビーのことに関しては何か話したりとかはあんまりなくて、お互い頑張ろうみたいな感じだったと思います。

――今チームから求められている役割は?
やっぱり体が強いというのは強みではあるので、ディフェンダーを寄せるとか、ラインブレイクのところで貢献したいなと思っています。
平野優芽(ながとブルーエンジェルス)

大竹風美子(東京山九フェニックス)

大谷芽生(ながとブルーエンジェルス)

梶木真凜(自衛隊体育学校PTS)

三枝千晃(北海道バーバリアンズディアナ)

須田倫代(追手門学院VENUS)

田中笑伊(ながとブルーエンジェルス)

辻崎由希乃(ながとブルーエンジェルス)

堤ほの花(日本体育大学ラグビー部女子)

中村知春(ナナイロプリズム福岡)

原わか花(東京山九フェニックス)

松田凛日(日本体育大学ラグビー部女子)
