サクラフィフティーン3連敗で大会を終える。ディフェンスでイタリアを苦しめるも得点取り切れず | ラグビージャパン365

サクラフィフティーン3連敗で大会を終える。ディフェンスでイタリアを苦しめるも得点取り切れず

2022/10/23

文●編集部


23日、サクラフィフティーンこと、女子15人制日本代表はワールドカップNZ大会予選プール最終戦でイタリア代表と対戦した。ここまで勝利がない日本はこの試合にボーナスポイントを獲得して勝利すると決勝トーナメントの可能性が残されている。とはいえ、相手は格上のイタリア代表。1勝して歴史を変えられるか注目された。

開始早々、日本はSH阿部恵がプレッシャーを受け自陣22mでノックオン。いきなりピンチを迎える。それでもこの日の日本ディフェンスはしっかり機能し、このピンチを回避した。

7分、日本は自陣でハイタックルのペナルティ。イタリアに自陣深くに入られると、イタリアの強みであるBKにオフロードパスを連続で繋がれWTBマガッティの先制トライを許した。

前半7f分、日本はWTBマガッティに先制のトライを許す

前半7f分、日本はWTBマガッティに先制のトライを許す


25分、日本はFB松田凛日のゲインから敵陣に入るとイタリアはオフサイドのペナルティーを連発。さらにゴール前に攻め込んだ日本はFWにこだわり過ぎず、29分、FL細川恭子がトライを決め5-5の同点とした。

前半29分、日本はFL細川恭子のトライで同点とする

前半29分、日本はFL細川恭子のトライで同点とする

33分、日本はブレイクダウンでプレッシャーを受け、ノックオン。直後のスクラムからイタリアNO8ジョルダーノキャプテンにゲインを許し、差し込まれペナルティ。イタリアはショットを選択し、CTBスィッラーニにPGを決められ5-8とされ前半を終えた。

僅差で折り返した日本は、43分、SH津久井萌を投入。この交代が流れを変えた。ボールが動きはじめ、イタリアの足を鈍らせた。ブレイクダウンへの集積では日本が上回り、FL細川恭子、長田いろはさらに、CTB古田真菜の連続ジャッカルでゴール正面でPKを獲得。南早紀キャプテンはショットを選択。SO大塚朱紗が難なく決めて8-8の同点とする。

追いついた日本だったが、ブレイクダウンへの2つのペナルティーから逆にPGを許して8-11と再びリードを許した。リードしたイタリアは再び息を吹き返し、細かなパスでフェイズを重ねるが、日本はしっかりダブルタックルで対応。ゲインを許しても1対1の局面でも倒しきりトライを許さず後半残り20分を迎える。

62分、日本はWTB今釘小町が危険なタックルでシンビン。1人少ない状況となる。67分、再びイタリアにPGを与え8-14とリードを許すも、前半から機能していたディフェンスはこの苦しい時間帯でも継続され、14人の時間帯をPG1本でしのいだ。

73分、日本はFB松田凛日、大塚朱紗のコンビネーションでゲイン。イタリアのペナルティも誘ってゴール前でのチャンスかと思われたが、PKはゴールラインを超え、絶好のチャンスを逸してしまう。試合終了間際にHOベットーニのトライを許しノーサイド。8-21で日本は敗れプール戦3敗で大会を終えた。

ベットーニのトライで勝負あり

ベットーニのトライで勝負あり


レスリー・マッケンジーヘッドコーチ「ここで得たものを国内、国外で生かしていくことが今後の課題」

「この痛みは大きなものだし、本当にすごく悔しい。ただ、選手たちにはプレーし続けることができたことを誇りに思ってほしい。イタリアは非常に良いチームだし、良いチームだからこそ長い間5位という座に居続けていると思う。

私たちも非常に良いチームだと思っているが、今日はイタリアの良さに届かなかった。(選手、スタッフは)非常によく努力してくれていた。ゲームを見返すにあたって痛みを感じることもあるだろうけど、みんな非常によくやってくれたと思っている。

(今大会を通じて)このチームは誰が出てもベストなことをやってくれることはすでに知っているし、信頼している。ゴールドコーストへの遠征の時に、コロナの関係で色んなことが予定通りに進まなかった中でもいいパフォーマンスをすることによって信頼を得て、お互いのことを信じることができているので、正しいチームをフィールドに送り出すことができたこと、初めてワールドカップの機会を得られた選手がいたことを嬉しく思っている。

数年間積み上げてきて、プレーヤーのレベルが高くなってきていること、たくさんの可能性を秘めていることに改めて感謝し、感動している。そのレベルを上げていくにつれてフラストレーションを感じることもあるだろうけれど、まだまだ伸びしろはあると思っている。

この3戦を通じて、モメンタムがどう変わるかを選手たちは瞬間瞬間で感じることができたと思う。若い選手も多く、経験の浅いチームなのでこういうタフなレッスンの場が今までなかったチームでもあるので、ここで得たものをこれから国内、国外で生かしていくことが今後の課題だと思う」

南早紀キャプテン「個人としてはまだまだもっとできたのではないかと思うところがあった」

「前回のワールドカップから5年間、ここを目指してやってきて、自分たちはベスト8に行くのだという強い思いがあった。そこに届くことできず、残念な気持ちで一杯。上手くできなかった点は、後半特にポゼッションが悪く敵陣でプレーできなかったところ、ペナルティを多く重ねて相手にチャンスを与えてしまったところ。

自分たちで戦って試合自体を楽しもうと、リラックスはできていた。私たちは、何が何でもプール戦で勝って、ベスト8以上に上がって試合をしたいと目標を掲げていたが、思うように結果が得られなかった。強豪国に勝って上に上がるためには、自分たちに何が必要か、改めて学んだと思う。

強豪国との違いは、試合経験はもちろん、ラグビーの上手さもある。しかし、前回2017年のRWCの時とはまた違った課題が見えてきて、私たちは成長していると感じている。課題については、試合経験、どういう試合運びをしていくかが重要であるし、どういうプランをしてゲームを遂行していくかは、これからの私たちに必要で、求められるところだと思う。

これからのサクラフィフティーンは若い選手達が上がってきて戦っていくと思うので、そのエネルギーをどんどん日本の女子ラグビー、サクラフィフティーンの発展に活かしてほしい。


個人、一選手としては、まだまだもっとできたのではないかと思うところはあった。キャプテンとしてチームを引っ張っていく上で何が必要だったのか、自分が積み上げてきたものは間違っていなかったと思うが、チームを作っていくために必要なものも学んだ。やはり勝ちたい」

齊藤聖奈「世界の壁は厚くて、結果を出せなかったのは悔しい。ここまで登り詰めてきていることを世界に示すことはできた」

「悔しい。この試合でベスト8に行けるかどうかかかっていて、まずは勝たないけなかったのに、次のステージに行けず、日本代表として結果が残せなかったのは、本当に悔しい。コネクションがどこかで崩れてトライに繋がってしまい、世界と戦うにはまだまだ精度が足りないと思った。

レスリーHCに代わって、世界でテストマッチを戦う機会は多くなったが、他の強豪国は前から6Nationsなどで戦っていて、私たちより試合の経験値は高い。しかし私たちも前回より進化していると思う。

ただ、内容が良くても結果がでなかったら意味がなく、今後試合での経験値を増やしたい。今回、若い選手が躍動してくれ、これからが楽しみだと感じた。彼女たちが次の世代にどんなことを伝えていってくれるかは楽しみ。自分のパフォーマンスとしてはあまり良くなく、反省点はたくさんあるが、次に活かしていきたい。

前回大会は世界を知った大会となり、今回はチャレンジした大会。世界の壁は厚くて、自分たちが結果を出せなかったのは悔しいが、ここまで登り詰めてきていることを世界に示すことはできた。世界と比べて、日本はアタック力がまだまだだと思う。ディフェンスは自信を持ってコネクトできている。あとはアタック力だと思う」


細川恭子「勝たないと女子ラグビーの価値もあがっていかない。勝ち切るところを意識したい」

「最後のところで我慢しきれずに点を取られてしまい、とても悔しい。チームでやってきたことを出すだけだったので硬さは感じなかった。(30分の)トライはチームがつないでくれたところを取り切ることができたことはよかったが、チームとして最後に取りきれなかったところは課題だと思う。

(3試合を振り返って)最後までボールを繋いで取り切るところはチームとしての課題だと思うし、そのためには我慢が大切。ただ、日本としてチームでディフェンスする部分は世界にも通用するところだと感じた。勝たないと女子ラグビーの価値も上がっていかないと思うので、今後は勝ち切るところをもっと意識してやっていきたい」

古田真菜「夢の舞台でどんな結果を自分が残したいか、改めて気付かされた」

「勝てなかったことが一番大きい。色んな要因はあると思うが、ディフェンスのところで相手のアタックに対してうまくいかないところもたくさんあった。自分たちがチャンスだと思って仕掛けたところで相手にボールを渡してしまうところもあったし、頭のなかで点数が必要だと思っている中で失点してしまった。

前回のワールドカップよりも準備期間が長かった中で、自分たちの形を出せているチームがワールドカップでは勝っていくんだなと、チャンスに取り切れないところはまだまだ甘かったんだなと感じている。夢の舞台でどんな結果を自分が残したいか、というところに改めて気付かされた。アタック、ディフェンス共にもっとアグレッシブさが必要だし、もっとチームに貢献できるような選手になっていかないといけない」

松田凜日「毎試合100%の準備をして臨んでいたので悔いはないが、もっとできたのではないかという思いがある」

「本当にただただ悔しいという気持ちしかない。ワールドカップは次回もあるので、それに向けて、今回得た課題や修正点を、次に向け活かしていきたい。日本はディフェンスのチームだと思うが、アタック力が足りなくて、トライを取り切れない場面が結構あった。

22mラインに入った時にトライを取り切れるチームにならないといけないと思った。チャンスをものにする、トライまで繋げる力がないと、ベスト8には行けないと実感した。試合経験、経験値の差が出たのかなと思う。フィジカルでは負けなくなったかと思う。個人の感触として、フィジカル負けはしなかった。

次回のワールドカップでは、フィジカルでもっと上回っていきたい。毎試合100%の準備をして臨んでいたので悔いはないが、1試合目からもっとできたのではないかという思いはある。次回出場できたときには、1試合目から自分のパフォーマンスが出せるように準備したい。今回の大会で、自分の通用するアタックの部分は見えたので、もっとチームの得点に繋がるような、チームを勢いづける選手になりたい」


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