国内4会場で行われる女子7人制のサーキットシリーズ「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2022・第2戦静岡エコパ大会」が5月14日・15日に開催され、コアチーム12チームに、ゲストチーム4チームをあわせた16チームによって熱戦が繰り広げられた。
1日目は4チームずつに4つのプールに分かれて総当り戦を行い、2日目はその成績をもとに順位決定戦2試合を戦った。準決勝に進出した4チームは、第1戦で優勝したYOKOHAMA TKM、準優勝の東京山九フェニックス、3位のながとブルーエンジェルス、そして4位の三重パールズの前回大会と同じ。
準決勝1 東京山九フェニックス-三重パールズ

タックルを交わしてトライを決める保井沙予
準決勝第1試合は東京山九フェニックスと三重パールズが対戦。互いにパワフルなフィニッシャー、保井沙予とニア・トリバーが1トライずつを決めて5-5の同点で後半を迎える。後半フェニックスは大竹風美子のインターセプトから敵陣に入り、最後はニア・トリバーがトライを決め均衡をやぶる。

ダブルタックルでも止まらないニア・トリバー
さらに5分、ディフェンスでプレッシャーをかけ、敵陣ゴール前で水谷咲良がジャッカル。自らクイックリスタートでそのままトライ。17-5とリードを広げた。

敵陣ゴール前でジャッカルをした水谷咲良がすぐさまリスタートでトライ
追いかけるパールズは、ジャネット・オケロが相手ディフェンダーを2人引き付け、保井沙予がトライを決め7点差とするも、フェニックスは再び大竹のゲインから自陣を脱出。

大竹風美子の突破から敵陣へ入るフェニックス
素早くボールを展開するとサクラセブンズ・原わか花が40mを走りきってトライ。24-12でフェニックスが第1戦に続きファイナル進出を決めた。

試合を決める原わか花のトライ
準決勝2 TKM-ながと

TKM・グレースククタイは厳しいディフェンスにあいゲインができなかった。
もう1試合は、第1戦で初優勝を果たしたYOKOHAMA TKMとながとブルーエンジェルスの戦い。第1戦では準決勝で対戦し、TKMが接戦を制してファイナル進出を決めているが、この試合では、ながとの強さが光った。

痛恨のペナルティーでシンビンとなったククタイ
後半、ながと・辻崎由紀乃がダメ押しのトライを決め24-0でながとがTKMに完封勝利を果たし、ファイナル進出を果たした。
決勝 東京山九フェニックス‐ながとブルーエンジェルス

圧倒的な試合展開でファイナルまで進出した、ながとブルーエンジェルス。2019年以来の優勝なるか
ファイナルは、東京山九フェニックスとながとブルーエンジェルス。2021年鈴鹿大会の決勝と同じカードとなった。その時は14-10でフェニックスが勝利をしたが、ながとブルーエンジェルスが総合優勝を果たしている。

前回は決勝で敗れた東京山九フェニックス。今度こそ優勝なるか。

両チーム入場口の前に置かれた優勝トロフィー。否が応でも気持ちが高まる

前半1分、平野優芽のトライでながとが先制
先制したのはながと。サクラセブンズ・平野優芽がトライ。ブルーニー・キヴィットのゴールも決まって7-0。

プルーニー・キヴィットのゴールも決まって7-0
さらにクリスタル・メイズが豪快に突破するも、フェニックスは大黒田裕芽が追いついて止めた。

ながとはさらにクリスタル・メイズが豪快に突破するが…

大黒田裕芽が追いついて倒す
フェニックスはファイナルまで14本のトライを決めている、ニア・トリバー。当然マークが厳しくなったが、ニア以外の選手たちのハードワークが光った。いかにいい状態でニアにボールを渡せるか。またニアを囮にスペースをつくか、フェニックスの連携にながとは翻弄された。

前半5分、フェニックスは自陣でながとレベッカ・トッフンガを水谷咲良のタックルで止めてターンオーバー
前半5分、フェニックスは自陣でレベッカ・トッフンガを水谷咲良がタックルしボールを奪うと中島涼香が素早くパスアウトすると、ニア・トリバーのマークには辻崎由紀乃1人のみ。アウトサイドから一気の加速で抜き去るとそのままトライ。7-7の同点とした。

中島涼香がすぐにパスアウト

ニア・トレバーのマークはながと辻崎由希乃のみ

一気の加速で辻崎由紀乃を外側から抜き去るニア・トリバー

そのまま走りきりゴール中央にトライ

大黒田裕芽がゴールを決め7-7の同点に

水谷咲良がラインアウトボールをスチール
さらに前半終了間際、フェニックスは水谷咲良が相手ボールラインアウトをスチール。素早く展開しニア・トリバーへ。

辻崎由紀乃とパラキゆきがダブルタックルするも突破するニア・トリバー
パラキゆきと辻崎由紀乃の二人で止めに入るもパワーで打ち破りトライ。14-7とフェニックスがリードして前半を終えた。

ニア・トリバーが2本目のトライ決め14-7とフェニックスがリードして後半を迎える

後半1分レベッカ・トッフンガのトライで、ながとが反撃を開始!12-14
追いかけるながとは後半開始早々にレベッカのトライで12-14と2点差にする。

後半再びニアと辻崎のマッチアップ。今度は辻崎がしぶとく食らいついて止める
ながとはニア・トリバーそして大竹風美子という強いランナーの突破をとめてトライを許さず、そのまま膠着状態が続き、残り1分をきってながとがさらに攻勢をかける。

大竹風美子の突破もダブルタックルで止めた、ながとの粘り強いディフェンス
ハーフウェイ付近からボールをつなぎ一気に22m付近まで運ぶ。レベッカが相手のタックルを物ともせずに22m内側までボールをキャリーすると、辰巳裕有希がさらに前進しゴールに迫る。

相手のタックルを物ともせずに前進するレベッカ

辰巳裕有希がさらに前進

平野優芽へ大竹風美子がタックル
さらにボールを継続すると、ホーンがなってラストプレーの時間帯となる。平野優芽がボールをキャリーするが、水谷、岡元涼葉がプレッシャーをかけカウンターラック。ボールがフェニックスに渡ると大竹風美子がボールを蹴り出しノーサイド。

大竹風美子がボールを外に蹴り出しノーサイド



決勝の2点差決着は、史上最小差だった(3点差は過去3回あり)
東京山九フェニックスが14-12で勝利し、2大会ぶり3度目の優勝を果たした。MVPには16トライ、80点を決めたニア・トリバーが選出された。フェニックスは総合ポイントでも38として首位に躍り出た。
表彰式

トライ王・得点王そしてMVPと3冠を獲得したニア・トリバー選手


フェニックス岡田はるな主将がスタンドに来てくれたサポーターへ感謝の挨拶

敗れたながとブルーエンジェルスは総合ポイントを34とし、2位につけている。

3位決定戦は、三重パールズが19-12でYOKOHAMA TKMに勝利。三重パールズは、総合ポイント30。第3戦は地元鈴鹿での戦いを迎える。2018年から地元でいい成績を残せていないパールズだが、今シーズンは果たして。

3位決定戦・前半4分、三谷咲月のトライで三重パールズが先制

3位決定戦・前半6分、TKM内海春菜子のトライで5-

3位決定戦・内海自らゴールを決め7-7の同点。今大会でもその精度高いコンバージョンキックはチームを勝利に導いた

3位決定戦・三重パールズは前半7分、ジャネット・オケロのトライで14-5とリードして前半を終えた

3位決定戦・後半5分、三重パールズ・保井沙予が勝利を近づけるトライ!

3位決定戦・トライを決めて吠える保井!

3位決定戦・前回大会では3位を逃した三重パールズ。今大会ではしっかりと戦いきりTKMに勝利

前回優勝のTKMは3位決定戦に敗れ4位。総合ポイントでは2位。次回鈴鹿大会での巻き返しを図る
4位に終わったTKMは、3週間後の第3戦までにケガ人がどれだけ戻って来れるか。総合ポイントでは34と3位につけていて(得失点差)、まだまだシーズンチャンピオンを十分に狙えるポジションにつけている。第1戦で活躍したグレイス・ククタイのマークが厳しくなり、なかなかスペースがある状況でボールをもつ機会が作れなかった。鈴鹿大会までにどう修正してくるのか注目だ。

チーム最多の11トライを決めた日体大・堤ほの花
上位4チームが全体を通して突出している雰囲気があるが、トップ4に肉薄したチームは5位の日体大。プール戦ではTKMに19-19とドロー。堤ほの花がチーム最多の12トライ。サクラセブンズの永田花菜もチームに戻ってきた。

アルカス・小出深冬
同じくサクラセブンズの大谷芽生、小出深冬らが戻ってきたアルカス熊谷が6位。梶木真凛が所属する自衛隊PTSは前回、けが人により途中棄権となったが本大会は7位と浮上。8位には、ディアナそして四国大に快勝したゲストチームの横河武蔵野アルテミスターズが入った。

村田彩乃とのコンビネーションからトライを決めるVENUS須田倫代。次の大会では上位に食い込めるか
9位には追手門学院VENUS、10位にはRKUグレース、11位には四国大と学生チームが入り、高校生主体のチャレンジチームは12位となった。

チャレンジ・杉本姫菜乃の突破
特にチャレンジチームは、ゲストチームのブレイブルーヴ(リージョナルセブンズ1位)を相手に33-12で快勝。VENUS、四国大とも接戦を演じ、そのポテンシャルを感じさせる戦いを見せた。

チャレンジ・小川愛夢

アザレア・セブンズ、草野可凜
地元開催のアザレア・セブンは、コアチーム相手に厳しい戦いが続いたが、13位決定戦ではブレイブルーヴとの激戦に勝利。14位となったブレイブルーヴは総得点が100点を超え、この攻撃力を見せた。

地元開催のアザレア・セブンズはブレイブルーヴとの接戦に勝利

ブレイヴルーヴ・ヒート染谷瑛海

スピードあるランでトライを量産したRKUグレース・土井美咲

攻撃の起点となった四国大・金島瑠奈

ディアナ・佐藤優
北海道バーバリアンズディアナと国際武道大は直接対決で、ディアナがコアチームとしての意地を見せて勝利し15位を決めた。国際武道大は、チームとして決めた2トライ全てを決めた鬼多見友里愛キャプテンを中心に貴重なコアチームとの試合経験を今後の成長につなげていきたい。
次回第3戦・鈴鹿大会は6月4日、5日。三重交通グランド、スポーツの杜サッカー・ラグビー場で開催される。ゲストチームには、ナナイロプリズム福岡、日本経済大学、神戸ファストジャイロ、九州産業大学の4チームが出場する。

国際武道大・鬼多見友里愛
最終順位と各チームの集合写真

1位・東京山九フェニックス

2位・ながとブルーエンジェルス

3位・三重パールズ

4位・TKM

5位・日体大

6位・アルカス熊谷

7位・PTS

8位・アルテミスターズ

9位・追手門学院Venus

10位・RKUグレース

11位・四国大

12位・チャレンジ

13位・アザレアセブン

14位・ブレイブルーヴ

15位・北海道バーバリアンズディアナ

16位・国際武道大