「課題は山積み。勝ち切れたことは成熟の証」ジョセフHC・ロシア戦試合後コメント | Rugby Japan 365

「課題は山積み。勝ち切れたことは成熟の証」ジョセフHC・ロシア戦試合後コメント

2018/11/25

文●編集部


32−27。格下とはいえ、これまでタフな試合を続けてきたジャパンと万全のコンディションでこの一戦にかけてきたロシア。本当の意味で「チーム力」が問われた重要な一戦。後半残り10分をきり、田村のグラバーキックを手中に収めたリーチ マイケルキャプテンの決勝トライでジャパンがなんとか勝利をした。点差こそ、僅差となったがこうした背景を考えると、「それでもジャパンに勝てなかった」という印象をロシアに焼き付けることができた。

2019年ワールドカップ開幕戦でも対戦するロシアに対し、この試合をしたことによって、ジャパンが足元をすくわれることなく万全のマインドセットで挑むことができるだろう。

試合後の記者会見でジェイミー・ジョセフヘッドコーチが話したコメントをたっぷりお届けする。

――試合全体を振り返ると


「ロシアは想定どおりタフに攻めてきました。イングランド戦を終えたジャパンを彼らは待ち構えていたと思います。非常にいいプレーをして、せめて来て、試合を通してプレッシャーをかけてきました。けれども後半にジャパンが挽回できたということが成長の兆しだと思いますし、一年前だったらこの試合を勝ちきれなかったかもしれない。今回、こういう結末までもってこれたということは、チームが成熟している証拠だと思う。

前半だけで5本のPGを許したジャパン。

前半だけで5本のPGを許したジャパン。

前半はターンオーバーされたのが10回、ペナルティーは8回犯してしまいました。プレッシャーがかかっていた中でそういう状況になってしまったことは、自分たちで首を締めるような行為だと思います。そういう展開を想定していたわけではないですが、ハーフタイムで話したことをしっかりとリーダーたちが後半、実践して挽回できたことが本当によかった。後半はペナルティー1回、ターンオーバー4回に抑えることができました。22−10から勝ちまでもっていくことができた結果は非常に良い成果ですが、課題は山積みだと思っています」

――課題は山積みということですが、大きな課題とは


「一番の課題としては、メンタルとマインドセット。世界の強豪たちと戦う、そして自分たちのカタチをもってしっかりと戦いにいくことができるかが課題です。ティア2のチームをないがしろにしてそこに挑むわけにはいかず、まさに今日のような試合がチームにとっては必要で、そこを避けてアイルランドやスコットランドに勝利するということはないと思っています。

選手たちの不屈の精神、プレッシャーがかかってきた状況で(自分の役割に対して)どう責任を果たすことができるか。責任感という部分も課題として取り組んでいます。毎週毎週トレーニングして、各週自分たちのベストな状況をつくっていくということも取り組んでいます。

今回6週間で4回のテストマッチ(※注:世界選抜戦はテストマッチではないため、実際は3回と世界選抜戦1回)をやってきましたが、ワールドカップではプール戦4戦、そしてトップ8に進出できればもう1戦あります。トップ8に進出することは、ジャパンにとってファイナルに進出するくらいの価値があると捉えています。今出ているこうした課題を克服することで、トップ8に進出することも達成が可能になってくる。精神面での改善が必要になってきます。

フランスに対しては引き分け、オールブラックスには5トライを取ることができました。イングランド戦でも前半リードしていました。それでも勝ちきれなかった。その内容だけで満足しているチームではいけない。しっかりと勝機を作り上げていることはできているので最後はいい結末を迎えることができることが大事です。

だからこそ、今日の試合は非常に大切なものだったと思います。ハーフタイムで10点差以上リードされている状況から逆転して勝利までもっていけたのがよかった」


――ロシアに勝利したことの意味は。


「今回の試合は勝利することがとても重要な試合でした。ロシアはあまり知られていないチームであり、非常に謎な部分が多いチームでした。今日明らかになったことは、非常に大きく、フィジカルが強い。何よりも選手自身がコミットしている、決意の強いチームであると思いました。彼らはワールドカップで色々と衝撃を引き起こすチームになるかもしれない。そういうチームに対していい結果を出すことが一番大事でした。楽に勝てる試合にはならなかった。ちょっと乱れた部分もありました」


リザーブで出場したSO田村優・グラバーキック

リザーブで出場したSO田村優・グラバーキック

――キックの多用から、敵陣深くまでボールを保持するという戦術に変えた


「プランはうまくいっていたけれど、ペナルティーやターンオーバーで終わってしまったという場面がありました。オールブラックスやイングランドに対しては、アタックし続ける姿勢を常に持っていなければならないですが、先程キャプテンが話したように、相手を完全に崩し切る前に気負いすぎて、攻め急いだところがありました。我々にも、完全に相手を崩しきってから攻めるというチーム力が必要だと思います。ただ、後半リザーブから入ってきた選手のパフォーマンスは良かった。そこには満足しています」


――後半20分からのところで、相手よりもフィットネスで上回っていることが結果につながったと思いますか?


「フィットネスが上回ったからと必ずしも思っていません。今後にむけてさらにフィットネスは引き上げていかなければならない」


――新戦力を試したことの評価


「今回はトップリーグの試合でも、スーパーラグビーの試合でもありません。あくまでもテストマッチで、「勝たなければいけない試合」なのです。そして若手を育成させていくと目的もありますけれども、今回、梶村と堀越にはあまりゲームタイムを与えることができませんでした。

当然、試合に出て育成することも一つですが、他にも学べる点があります。23人のスコッドに入ってテストマッチに向けてどういう準備をしていくのか。そういうところも色々と学べる。そこでも成長できるわけです。

梶村を中心に入って記念撮影。

梶村を中心に入って記念撮影。

23人に選ばれるにはどうすればいいのか、選ばれたらどんな準備が必要なのか、実際にフィールドに出た時に何をしなければいけないのかそれを意識することが彼らの成長につながると思います。

準備段階のところでは10点満点中、10点の評価をしますが、今回の実際のパフォーマンスは出場時間が短いのでなかなか評価することは難しいです。ただ、彼らは非常にポテンシャルが高い選手ですし、将来有望な選手だと思います」

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