スペインとのテストマッチ初戦に快勝―サクラフィフティーン、SH阿部恵・SO山本実・SH津久井萌に訊く | ラグビージャパン365

スペインとのテストマッチ初戦に快勝―サクラフィフティーン、SH阿部恵・SO山本実・SH津久井萌に訊く

2025/07/23

文●編集部


19日、ラグビー女子日本代表は、ワールドカップ前のスペイン代表との国内テストマッチ初戦を行い32‐19で快勝した。試合後、先発したSH阿部恵(アルカス熊谷)、そしてリザーブから出場しキックでチームを前進させたSO山本実(YokohamaTKM)、後半から出場し逆転に導いたSH津久井萌(横河武蔵野アルテミ・スターズ)の3選手に話を聞いた。

SH阿部恵

阿部恵

阿部恵


試合の入りの部分も、アタック、ディフェンス両方でやってきたことが出せたかなと思います。個人的にも練習から常に色々考えながらやっているので、試合の入りも良かった。


――途中、逆転を許しましたがピッチの中ではどういう状況でしたか?


一人ひとりがやるべきことを明確に考えながら遂行していて、FWがモールでトライを重ねることができたので、その部分はやってきたことが全部だせて、逆転までできたのがよかったですね。


――ボールを動かす部分については


前半アタックする時間は長かったんですけど、前半の後半のところで、もう少しアタックしたかったかなと思います。ボールをキープするところとキックするところ、その辺はもう1回考えてやらないといけないかなと。


――それはもう少し横に展開して、アドバンテージがでてもキープするとか?


まあ、でもチャレンジのキックはチームとしてもいい、ということになっているんで、判断としては良いかなと思います。

――相手のNO8がスクラムからボールをキャリーした時、真正面からタックルにいかれていました。


試合へのレビューでNO8単でくるというのは分かっていたんで、そこはディフェンスできました。練習通りです。



――次戦にむけて

前半の後半だったり、後半の最初だったり、相手のペースになることがあったので、もう1回日本がやってきたことを試合全体で出せるようにやっていきたい。

SO山本実

山本実

山本実


――流れを変えましたね。どういうことを意識してプレーしましたか


敵陣に入ってから、自分たちでボールを持っていても、エネルギーを消耗しちゃって、なかなかスコアまでたどり着けない状態だったかなと感じたので、隙さえあればなるべく敵陣に入って、一つデッドボールを超えちゃったのは良くなかったですけど、インゴールに収まっている分にはドロップアウトから自分たちアタックできるんで、それは全然OKだったかなと思います。


しっかり蹴り込んで、敵陣にはいって、モールも効いてるなと思ったので、ペナルティーもらって、FWもしっかり頑張ってくれましたし、試合展開をしっかり見て入れたのが良かったと思います。

――ベンチで見ていてエリアをとるにはキックが有効だと感じていたんですね。


そうですね。向こうのキーマンが裏にいる選手だったと思うんですけど、なるべくクリーンキャッチされないような感じで蹴り込みたいとは思っていました。10番、15番がキープレーヤでキックカウンターが結構怖かったんですけど、背走させることができればと思っていましたし、時間的にも向こうの足も止まってきているなというふうに感じたので、自分たちの方が走り勝てるという言うふうに自信持っていたので、思い切り蹴りましたね。

――ああいうキックってチームを助けますよね。


そうですかね。みんなその分、頑張って追ってくれて前で止めてくれたのでチームに感謝しています。


――実さんが10番で、(大塚)朱紗さんが15番というかたちは練習でもやっていたんですか?


前日から(笑)。それまではずっと普通に私が10番に入って、朱紗と交代みたいな感じだったんえすけど。前日からもしかしたらあるかもなと思ったですけど、その形が結構早々に、50分くらいでそうなったんで、驚きましたけど、(松田)凛日には凛日の良さがあるし、朱紗には朱紗の良さがあって、朱紗がいてくれるとキックカウンターの時に蹴り返してくれるのとか、キッカーとしての負担もすごく減ったので助かりました。


――プレースキッカーは蹴るということに?


バンジーが蹴ってほしいんだみたいなふうに言ってくれたんで、自信をもって蹴ることができました。

山本実が10番、大塚朱紗は15番に「ダブル司令塔」。このコンビネーションが体力的にもきつい時間帯でキックでエリアを前進させることに効いていた。

山本実が10番、大塚朱紗は15番に「ダブル司令塔」。このコンビネーションが体力的にもきつい時間帯でキックでエリアを前進させることに効いていた。


――ワールドカップ前でのセレクションもある中でどんな緊張感


自分が残れるのか、落ちるのかみたいな緊張感はもちろんみんな持っていると思いますけど、なんかそういった誰かを蹴落とすじゃないですけど、そういった雰囲気は一切なくて、本当にみんながサクラフィフティーンがどうなったらよくなれるかをしっかり考えて、そのために自分が何ができるかというのをメンバーもノンメンバーもチームのために働いてくれているので、いい雰囲気でワールドカップに向かっていると思います。


――この4年間、いい準備ができているということですね


レスリーがヘッドコーチになってから、本当にたくさんのチームとのマッチメイクさせてもらって、たくさん強いチームと対戦することができて、なかなか結果が出ない時期もあったんですけど、今年はアメリカ戦からいい勢いでいけているので、あともう1戦、しっかりかちきりたいです。2連勝するのは結構難しいと思うので、そこはまた自分たちのチャレンジだと思って頑張りたいです。


――次戦にむけての課題は?


アスレティックな選手がたくさんBKにいて、そういった選手に打ち返しとかでゲインきられちゃったりしたところもあったので、ディフェンスのコネクションを切らさずにしっかりディフェンスしないといけないなというふうに感じました。


――(在籍している)TKMの選手たちもスタンドから声援を送っていました


聞こえていました(笑)。「やまもとー」って外国人の選手が叫んでくれて、来てくれるのは知っていたんですけど、力になりました。みんなの前でいいプレーができてよかったです。

SH津久井萌

津久井萌

津久井萌


――後半追いかける展開となりました


キャップ数も多い方なので、みんなを落ち着かせるような言葉をかけようというのは(齊藤)聖奈さんとか、綾乃ちゃんと話していました。ここでまたスイッチを入れ直すぞ、という声がけと自分としては落ち着いてプレーすることを心がけました。


――ベンチでみていて試合展開をどう感じましたか?


自分たちにフォーカスしてずっと練習していたので、やっぱり自分たちのミスだったりで、流れが向こうにいったりしたことがあったので、ペナルティーのところとか、自分たちでコントロールできるところはしっかりコントロールしていこうという感じでした。

津久井萌・櫻井綾乃・齊藤聖奈、ワールドカップも経験してきた3人が同時にピッチへ

津久井萌・櫻井綾乃・齊藤聖奈、ワールドカップも経験してきた3人が同時にピッチへ

――今日はモールが良かったので、後半もモールで勝負という感じでしたか?


FWに「いける?」という聞いたら「モールでいく」というふうに返事が返ってきたので
これは自信あるんだなとおもってそうですね。


――BKとしてのアタックとしては、後半、安尾琴乃さんにつないだ展開などはイメージどおりだった?


そうですね。スペースにボールを運ぶことを常に意識しているので、その部分では意思疎通みたいなところがうまくいったのかなと思います。


――次戦にむけて


多分2戦目は難しいと思うので、しっかり自分たちに再びフォーカスして、何を直すべきなのかというところをしっかり直していきたいです。


――今日の試合では「手応えのあるパス」は?


まだ出ていないです(笑)。

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