合宿初日を終えジョセフHC「チームの成長とともに育成もすすめる」 | ラグビージャパン365

合宿初日を終えジョセフHC「チームの成長とともに育成もすすめる」

2021/10/03

文●編集部


2日、ラグビー日本代表は宮崎合宿初日をメディアに公開。練習終了後、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチがオンライン取材に応じた。その中で、リーダー陣の変更を発表。新たなキャプテンとしてピーター・ラブスカフニ(クボタ)、バイスキャプテンを中村亮土(サントリー)に決定したこと、さらに、春シーズンのアイルランド戦以降、新型コロナの影響で代表活動が制限される状況下で、2023年ワールドカップに向けた強化について話した。

「マイケルにはラグビーファーストで」

まず今回の合宿の話から始めます。

選手たちは3日間すでに過ごしていますが、コーチ陣は昨日の午後到着してきたので、最初の2日間は選手たちでやるべきことを行っていました。非常に良い結びつきができていると思います。またこの2日間でフィットネステスト、ストレングステストを行いました。

リーダー陣の変更をお知らせします。キャプテンとバイスキャプテンを変更しました。合宿中ではありますけれど、リーダーの変更を公表することは重要だと思います。ラピースをキャプテンに、中村亮土をバイスキャプテンにしました。


理由はいくつかあって、まずマイケルは長い間素晴らしいキャプテンでした。素晴らしいリーダーシップを持っていますし、ハードワークで、ワールドカップに3回出場するなど多くの経験も持ち、チームを牽引する存在であることには今も変わりありません。彼は今でも世界屈指のラグビープレーヤーの一人ですし、彼のスキルや経験はチームに必要なので、これからはリーダーシップの責任を外して100%プレーヤーとしてより集中できるようにしたいと思いました。

新キャプテンのらピース

新キャプテンのらピース

もちろん、チーム内で彼が他の選手を牽引していく存在であるのは変わらないでしょうし、さらにもっとラグビーに専念できるようになるでしょう。若い選手でもないのでキャプテンの交替は必要な判断だと思いました。マイケルにはラグビーファーストでいてほしい。これが一つ目の理由です。

次に、ラピースの任命ですが、彼はすでに2019年のW杯でも(ゲーム)キャプテンを務め、そこで出色のリーダーシップを見せました。そして中村は、日本代表に戻ってきてからは大変素晴らしいプレーをしましたし、サントリーでもリーダーとしてチームをまとめ上げていますので今後代表のキャプテンとしても期待されます。この2人がチームのリーダーにふさわしいと考えました。


――キャプテンを決めるプロセス。他の選手も考えたか、最大の決め手は?


リーダーシップグループはコーチ陣と密接な関係が必要だと思います。しっかりとオン、オフ含め方向性を共有し、テストマッチでしっかりとベストを出せるようにする。キャプテンにはマネジメントやメディアへの対応やいろいろな責任があります。4回目のW杯となるリーチにはしっかりとラグビーに向き合える環境の方が良いと思いました。


ラピースについては生まれながらのリーダーシップを持っていますし、姿勢も素晴らしく、安定感もあり、英語も話せます。日本語はあまり話しませんが、日本のラグビー、文化をきちんと理解しています。中村選手はキャプテンをサポートし、また自身もリーダーとして成長してきているので、2人に任せようと思いました。



――次のフランス大会までこの体制?


このツアーだけです。そこからまた評価して考えます。リーチが長くやってきましたが、ここで違う声、変化を加えることは必要だと思っています。


――春、惜しい試合を勝ちきれなかった。この3週間宮崎でどこに重点をおいて強化するか。


チームは時間をかけて、試合によって成長していくものだということは明らかです。残念ながら前回は時間的にも十分ではなく、長く時間が空いてから、短い合宿からそのまま試合に入りました。パフォーマンスには満足していますが、結果を残すことはできませんでした。そ

例えばアイルランド戦です。バランスを欠いた部分がありました。2019年のW杯では私たちは素晴らしいスキル、スピードでプレーしました。しかし今回アイルランドはブレイクダウンで優位でしたし、FWも大きな選手がいました。自分たちはプレーしすぎてペナルティーをし、相手にキックでコーナーにタッチに出されそこで自陣に入られてしまう。規律が悪い部分があるので、そこを修正して、アイルランドに限らず相手を自陣22メートルに入れないようにしていきたいです。


今回の合宿でフォーカスしているのは「質」。

――今回の合宿で「2日練習1日休み」の意図は


今回フォーカスしたいのは質です。ストレングスやフィットネスは選手たちがそれぞれオフシーズンにプログラムを行なってきました。コンディションはいいと思います。そこは選手たちが責任を持ってしっかりやってくれた。ここから加速していくわけですが、その部分をさほどやる必要はなく、2日ハードワークして、1日リカバリー。ラグビーから離れる時間も重要だと思いました。

コロナ禍ということもあって、以前は家族や友人と過ごせていたが、6月のツアーではそれができなかった。そのために、しっかりリフレッシュする時間を取ることが必要だと感じました。


――日本のスタンダードが上がった部分は


合宿に来てまず選手たちに伝えたのは、スタッツの部分、数字をしっかりと選手たちに伝えました。ボールポゼッション、テリトリー、ゲインライン。ラグビーの勝敗に必要なスタッツを説明しました。比較したのは現在のティア1チーム、シックスネーションズ、チャンピオンシップに参加しているチームです。

それと前の2試合を比較して平均を出しました。結果はさほど変わりませんでした。自分たちの方が高い部分もありました。そこから自分たちがティア1チームに近づけていくためにやらなければいけない部分がある。そこで新しいチームのスタンダードを作っていかなければならない。

これからどういう風にスタンダードを上げていくのかという質問が多くなると思うが、対戦相手もいるので、そこについては詳細を言うことはできません。2019年のW杯で、フィットネスやスピードは高いレベルでできたと思います。特にボールインプレーについてはティア1チームより上回っていた。

ボールをしっかり動かすことができれば、フィットネスがあるので試合に勝つことができる。W杯のときは36分、38分のボールインプレーで試合をしていたが、他のチームは32分くらいだった。現在ではティア1チームは38分くらいになってきているので、自分たちももっと高くしていかなければいけないと考えています。


――テストの数値よかった。満足している?


アイルランド戦後3〜4週間ラグビーから離れる時間があって、そこからプログラムを選手たちに渡して、フィットネスという部分ではW杯前と同じところまで来ています。とは言えランニングの部分だけなので、ここからしっかりコンタクト、機能の部分をしっかりやっていかないといけない。


――W杯までのカレンダーで今度のツアーの位置づけ


ワールドカップまではまだ遠いと考えていますし、選手の中でも年齢が上になってきた選手もいます。そうした選手たちをしっかり評価していきたい。彼らの状態を見て、その中で若い選手をメンバーに入れている。相手は我々と違い休みなくプレーを続けているチームということになるので、チームを成長、育成していかなければならない。コロナ禍でなかなか試合は1年間に数試合と言うと難しくなるが、コントロールできる部分はしっかりコントロールしてやっていきたい。

――今回キャンプが短くなった。時間の使い方に変更は?


変更を余儀なくされました。コロナでなかなかニュージーランドから出ることができなかったり、東京オリンピックもありなかなか思うようにできなかった。言い訳はできないが、影響は少なからずあった。自分たちとしては準備に時間をかけて、選手とできるだけ長い時間を過ごす。いい試合ができればティア1に勝つチャンスも出てくる。コントロールできない部分はたくさんあるがそのなかでやっていくしかない。


――合宿を見た感想は


まだ1日目なので、選手たちは自分たちの練習をしっかりやってきただけだと思いますが、自分は5年間、彼らをみてきて、それぞれがどういうスキル、リーダーシップを持っているかは理解しているつもりなので、そこは自分たちの仕事をしてくれると思います。ラグビーについて意識してもらいたいのですが、リーダーシップにはまだまだ時間があるので選手をよくみていきたい。


脳震盪の怪我を克服して代表に選出されたリアキ

脳震盪の怪我を克服して代表に選出されたリアキ

――新戦力の(ディラン)ライリー、ジョネ(ナイカブラ)、(リアキ)モリの評価を


リアキはサンウルブズでの経験があり、怪我で代表に入ることができなかったが、素晴らしい選手です。経験もありスーパーラグビーのブルーズでも活躍していました。彼にはまず怪我をしないで、ハングリーにいくことが重要だと思います。現在はとてもいいコンディションでしっかりプレーしてくれています。

ディラン(・ライリー)は物静かな性格だが、パナソニックの試合を見ると自信を持ってプレーをしている。彼だけでなく中野(将伍)やゲイツにもチャンスが来るだろう。そこで力を発揮して欲しい。

ジョネは東芝でのパフォーマンスは素晴らしかった。これからは安定感を持って、そしてジャパンのシステムをしっかり理解することが前提になってくる。どの選手もこれから疲れた、ハードな状況でどれだけ自分のやるべきことを理解してやっていくのか、そこをみながら判断していきたい。

――19歳のNDSワーナーへの期待


非常に今見てみたい選手でしたし、1日目から目を見張るパフォーマンスでした。フィットネステストも123キロ。2メートルという身長もあります。さらに日本語も堪能です。フィジカルも成長すると思います。まだ若く経験もないので、2023年についてはなんとも言えませんが、チャンスはいつくるかわかりません。楽しみにしています。

――新ルールの対応は?


まだ1日しかやっていませんが、選手も気にしているところと思います。コーチ陣としては何度もディスカッションしています。どのチームもそのルールには対応しようとしていると思います。現在のラグビーでいうと、ディフェンスのラックのところはディフェンスサイドが有利になっている部分があるので、ブレイクダウンの部分が重要だと思います。今の時点ではそこまで変わりはないのではないかと思います。



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