藤井雄一郎氏「心配材料は次の世代にいい経験をさせてやれていないということ」 | ラグビージャパン365

藤井雄一郎氏「心配材料は次の世代にいい経験をさせてやれていないということ」

2021/11/24

文●編集部


24日、藤井雄一郎15人制男子日本代表ナショナルチームディレクターは、欧州遠征の総括会見を行った。オーストラリア戦から、欧州での3連戦。収穫も課題も見つかった。このツアーで大きく成長した中野将伍や齋藤直人ら若手選手。現時点では世界のトップチームと戦うには2019年メンバーを中心にチームを構成しないと行けない現状。23年以降を考えると若手選手たちにより多くの国際経験をさせる強化プログラムを作ることが急務であると話した。

欧州遠征から日曜日に帰ってきまして、バーバリアンズに行っている選手と、ニュージーランド人のコーチ陣は直接(NZに)帰って、ラピース主将だけ、ちょうど本国(南アフリカ)に帰らなきゃいけない用事があったので帰っています。あとは全員が帰国して、ワクチンを打っていない選手は3日間の隔離と、そうでない選手は自宅に戻って隔離で過ごしているところです。

欧州遠征が終わりまして、初戦のアイルランド代表戦は、本当に日本代表が一番良くない時と、アイルランド代表も非常に調子が良くて、点数が開いた。その次のポルトガル代表戦ではいろんなことを改善しながら、なおかつスコットランド戦に向けて、限られた戦い方で、全てを見せるのではなくてという、制限した中で戦った。その後、スコットランド代表戦はもちろん勝利を目指しましたが、最後、向こうに寄り切られたという形でした。

試合できなかったということがいろいろ影響あったと思うんですけど、それは言い訳にはならないので、そういう意味では最後に負けはしましたけれども、そこそこ、評価できる戦い方ができたんじゃないかなと思います。

あとはコロナで試合ができなかったらどうすることもできないんですが、各チームも隔離による選手の疲労というか疲弊というか、オールブラックスやワラビーズのコーチ陣と話をしたところ、やはり、それを今後どうするかっていうのがどのチーム課題だったみたいです。ストレスは私達も長い間ずっと隔離の中にいたので、今後は各隔離の中でどういうふうに結果を残していくかっていうのも頭に入れつつ、チームを作っていかないといけないかなというような感じでした。

――アイルランド代表戦で誤算が起きてしまった要因は


オーストラリア戦でちょっと良くない自信をつけたと思うんですよね。いけるんじゃないかみたいな。それはラグビーの中で本当に絶対に頭の中に入れたらダメ。なんとなくそういう雰囲気があったのと その1週間しか準備の期間がなかったんで、もちろん時差ボケなんかも少しあったと思いますが、よくない雰囲気がちょっとチームの中に、後から考えればあったかな。だから一番良くない日本代表のときと、一番いい時のアイルランド代表でぶつかって、ああいう結果になったんじゃないかなと思います。


――もっとポジション的に厚みを持たせたいところは


そうですね。これが今一番の僕らの中での心配材料というか、次の世代にいい経験をさせてやれてないっていうところがある。サンウルブズがなかったり、クロスボーダーの大会もまだ見えてないので、そういう意味では全体のポジションがやっぱり薄いですね。特にロックは今フランカーの選手が行ったりしているんで、ただディーンズとか、今後、上がってくれば厚みができてくるが、全体的に薄いですね、年齢もだんだん上がってきている。

かなり僕らの中では「大丈夫か」みたいな感じになっています。もうちょっと頑張って次に繋げていかないと本当に弱くなりだしたら、どんどん弱くなっていく。たくさん経験ある選手の中で1人、2人、徐々にこう変えていくか、それとももうごっそり変えて戦うか、どちらかにシフトしていかないと、23年以降は厳しいんじゃないかなと思います。


――アイルランド代表戦など、相手のエスコートが上手くキック戦術がうまくはまらなかった?


キックであんまりプレッシャーかけられなかった、エスコートはやっているので、それだけの問題じゃないですけど、いろんな部分で、それ以前の問題で負けたと思います。


「強化を長く継続させるには、リーグワン以外のところで国際レベルの試合の経験をさせてやる環境が必要」

――今後の戦い方の方向性は?


テストマッチになると、今回、欧州遠征3つの試合を最初からする予定でしたが、各チーム弱いポイントもありますし強いポイントもあります。前の試合で、どのような戦い方したかと、各チーム分析をしてくると思うので、そういう中で組み立てるので、今後、どういうふうな形でというよりは、各チームに対応できるようにいろんな戦術を作り出して、そのチームにぶつけていくということですね

スコットランド代表の戦い方をそのままワールドカップで使うのではなくて、あくまでもその戦い方に対応できるようなスキルを身につけて、このチームとはこういう風に戦おうとやていく。ただハイパントに関しては、やはりあの特にマイボールで相手にプレッシャーかけられなかったっていうところが今回ちょっと課題にはなったので、その部分では今後修正が必要かなと思っています。


――展開してくるチームが増えてきました


そういう意味では日本として逆に戦いやすいと思う。それもいろいろスペースが出てきますしミスが起こったときの反応も早くなっている ただ日本も次のフェーズに入っていかないとワールドカップでは戦えない、というのもコーチたちは話をしていた。そこは世界でどういうふうに動いていくかっていうことと、日本の強みをどの部分で出していくかということを今回欧州遠征で、だいたい見えてきたんじゃないかなと思うんで、そのあたりはシフトしていくと思います。


――日本代表以外の強化環境について


コーチ陣は基本的に今いる選手をどういう風にコーチングして、勝利に結びつけていくかが仕事だと思うんですけど、やっぱり協会や私達の仕事は強化を長く継続させていかないと思うので、そういう意味では次の人にしっかりバトンタッチをしていかないといけないと思うんですけど、そういう意味での、若手というよりは国際レベルでの試合ってことですね。

リーグワンの国内の試合ではなくて、海外で一つのミスでどうなるかっていうか、その本当のガチンコの海外とのやり合いっていうのを、より多くの選手たちに積ませたいっていう思いはある。なかなかそこが今、日本代表が次、長くいい流れを継続していくかっていうところが選手も含めて押し上げがないと、やはり今いるトップの選手たちのプレッシャーがないですし、もちろんその場がないといけない。例えば今回ポルトガルでも中野選手が経験できたっていうのは、本当にトップリーグ10~20試合分ぐらいの価値はあると思う。それをリーグワン以外のところで、経験させてやる場が必要かなとは思ってます。


遠征にいった選手たちは擬似的ですが、いい経験になった」

福井翔大

福井翔大

――まず現状で来年2022年の春先テストマッチをどのような形式で組むことを予定している?


だいたい決まっていています。日本でやるにしても、日本代表はすごく人気のカードになっているので、大変ではありますが、それは選手にとってはすごいことかなと思います。


――若手育成の場という意味ではリーグワンのあのクロスボーダーマッチが行われたら、


リーグワンの上位チームだけに渡すのか、日本協会が1枠、あずかってやるのか?
具体的な話はまだこっちに来てないので、あるかもという話はきているが。もしそうであればやっぱり一つチームを作っていきたいなと思っています。


――今回、秋の4試合で、育成と強化の両輪がうまくいった部分もあると思いますが。


初キャップが取れて試合に出られた経験が積めた選手も、出られなかった選手も、ずっと合宿に参加してどういう形でトレーニングしたり、実際、肌で感じられたと思うので、今回、(遠征に)行った選手に関してはいい経験だったんじゃないかなと思います。



初キャップを獲得したワーナー・ディアンズ

初キャップを獲得したワーナー・ディアンズ

――ディアンズは関して


きっとスーパースターになると思います。スピードもすごいですし、もちろん2mの身長と素晴らしいスキルを持っているので、きっといい選手になると思います。



サンウルブズなら、いろいろなチャレンジができるが、テストマッチは国と国の戦いなので、あんまりチャレンジができない

――若手選手の強化について


基本的に私達のグループは15人制の日本代表だけなんですけど、他のU20だったらいろんなところが今までバラバラに動いていたので、それを一緒にしてくれとはお願いしている。もし一緒にするなら、NDSとかそういう形で、僕ら的には本当は海外に行きたいですけど、無理だったらせめてアジアとかそのあたりで試合をしたい。例えば神戸にいる中島選手とか、今回、呼んだもが、あとはもう神戸に帰って見るしかない。そこで外国人の選手が出たらその選手を見れないっていう形が結構ある。そういう選手をどこかの場で集めて見てみたいという思

それをやるか、もしできなければ、どこかで本当に、ごそっと選手を変えて、次のワールドカップを目指してやるというふうにやらないと、本当に若い選手がそういう国際レベルの試合を経験する場がない。実際に若い選手が出て、スコットランド代表戦を戦えるかといったら、おそらく100点いかれると思うんですよね。

今まではサンウルブズで経験できていたが、今はもうテストマッチしかできないので、そうなってきたときのダメージとか立て直しっていうのはものすごく難しくなると思う。今、もちろんリーチとか稲垣とかああいう経験のある選手がいる間に、1人、2人だしていって、その中でそういう選手のレベルを上げていくっていう、そういう手法を取らざるを得ないっていうことですね。

実際にサンウルブズがあると、もう少し、負けたとしても、いろんな選手を試したり、その選手のハイプレッシャーの中ではどういう形のプレーをするとか考え方になるかっていうのがわかってくる。サンウルブズでやると例えばクルセダーズとやるときに、あんまりプレッシャーがかからない、実は精神的なプレッシャー、若干負けてもいいみたいなとこがあるんで。ただしっかりその中でプレーができるかどうかっていうところと、あとは本当に勝ちきれるだけのメンタルがその中にあるかどうかっていうところを見極めることができる。

テストマッチはもう本当にもう、国と国との戦いなんて、あんまりそういうチャレンジができないとできないんですけど、実際、今のまま行くと、そうやらざるを得ないかなみたいなというところあります。

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