5月31日、都内にて一般社団法人日本ラグビーフットボール選手会発足の記者会見が行われた。会見に登壇したのは、廣瀬俊朗代表理事、川村慎理事(NEC)、和田拓理事(キヤノン)、小野晃征(サントリー)理事。そして協会の坂本典幸理事の5氏。
廣瀬代表理事はこう選手会設立の趣旨や目的を説明した。
「日本ラグビーのために選手ができることをやろう、そういう組織です。今日ここに坂本専務理事をいらっしゃっていますが、いっしょに次世代の子供たちのために選手がまとまって活動したいという思いをもってスタートさせました。
僕はすでに引退してしまっていますが、選手会は本来選手が会長を務めるべきものですが、ここまでみんないっしょにやってきたこともあり、僕がこの立ちあげから1年くらいは選手会長をやらせてもらうことになりました。
そもそも選手会は、去年のスーパーラグビーの契約において、なかなか初めてのプロリーグ参加ということで協会としても過程が整っていない中で、選手にストレスもあったことは事実です。選手がまとまって、いろんな話し合いができていれば、お互いの契約がスムーズだったのではということが発足の背景として一つあります。
それだけではなく、僕の両隣にキャプテン会議のメンバーがいますが、協会の中の組織で活動するよりも、独立した組織として責任持って、日本ラグビーの将来のために、そういう大義を持って活動することがとても意義があることだと思っていました。
主な活動内容は4つあります。
まずは、ラグビー普及活動をやっていきたい。協会だけでは行き届かない地方だとか先日、青森県の弘前に行きましたがそういう協会のネットワークがなかった場所など選手が持っているネットワークで活動できたらいいなと思っています。
2019年ワールドカップが日本で行われますが、開催地のイベントに選手が強力してルーマニアやトンガの試合でも試合会場が埋まる、そういった夢を持って活動していきたい。
2つめは、社会貢献です。ニュージーランドのチーフスは、病院訪問やガンの啓蒙活動をしています。そういったことや、熊本、東日本大震災もそうです。未だに被災で大変な思いをされている方が多くいらっしゃる中でスポーツを通して、喜びを与えたりそういうことをやっていきたい。
3つめは、ラグビーのプロ選手が増えている中でセカンドキャリアということを少しずつでも考えていきたいと思っています。どうしても今のままだと会社員の方がいいんじゃないかそういう傾向にあります。そうした状況を改善して、会社員か、プロ契約なのかフェアな環境で選択ができるように少しずつやっていきたいと思っています。
4つめはラグビーをとりまく環境について。先ほどのスーパーラグビーでの契約もそうですが、世界では脳しんとうに関するケア、日本もとりだたされている八百長、ドーピング…。ワールドカップが日本で開催されることで、これまで考えられなかったいろんな誘惑がトップリーグの選手もくると思います。そういうことに対しても自分たちも、また協会といっしょになっておこらないシステム作りをしていきたい。