2月15日、ジャパンラグビーリーグワンは第8節、クボタスピアーズ船橋東京ベイはホスト・えどりくフィールドにコベルコ神戸スティーラーズを迎えた。
先制したのはスティーラーズ。前半3分、フリン・ガットランドのPGで先制。直後、スティーラーズNO8サウマキアマナキがハイタックルでイエローカード。
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前半3分ブリン・ガットランドのPGで神戸が先制
スピアーズは数的優位な状況もあり、敵陣深くでペナルティを獲得するとタッチに蹴り出しトライを狙いにいった。ラインアウトからモールを押し込むが、スティーラーズFLララトゥプアの好守備にも阻まれスコアに至らない。
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ワイサケ・ララトゥプア
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ファーストスクラムはスピアーズがペナルティを獲得
結局、数的優位の時間帯でノースコアとなるが14分、スピアーズに決定機が訪れる。敵陣22m手前でボールを持ったFBスティーブンソンが切れ味鋭いステップで抜けると、トライライン手前でグラバーキック。並走してきたWTB山田響にはボールがマイナス方向に転がり、捕球できなかった。
直前のプレーでアドバンテージが出されていたため、スピアーズはショットを選択。怪我から復帰したフォーリーが決めて3-3。
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前半16分フォーリーがPGを決め同点
16分、スピアーズはキャプテンのファウルア・マキシが負傷。しばらく立てずにいたが何とか復帰しプレーを続行。
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前半・ファウルア・マキシが膝を痛める
17分、スティーラーズはSOガットランドの50/22でチャンスを迎えると、ラインアウトからサインプレーで松岡賢太がブレイク。WTB舩曵に繋がり、SH日和佐からLOカウリートゥイオティに繋いでトライ。ガットランドのゴールも決まり3-1とスティーラーズが再びリード。
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前半18分、神戸はガットランドの50-22から敵陣ゴール前のラインアウト
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松岡賢太がブレイク
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カウリートゥイオティがトライ
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ガッドランドのゴールが決まり3-10
さらに25分、スティーラーズはマイボールスクラムからWTBアタアタ・モエアキオラがブレイク。自らキックしたボールを再獲得してゲイン。
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ガットランドが自ら蹴ったハイパントをフォーリーとの空中戦を制して再獲得
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アタアタ・モエアキオラが裏スペースにショートパントしチェイス
一度左サイドにポイントを作り、再び右サイドへ展開しアタアタが再び裏スペースへキックするもダイレクトタッチでチャンスを逸したかと思われた。
直後のラインアウトでスティーラーズがインターセプト。さらにスピアーズがハイタックルのペナルティ。スティーラーズのチャンスが続く。強いランナーでフェイズを重ね、ボールキープするスティーラーズはボールを大きく左右に動かし、スピアーズディフェンスを揺さぶり、最後はWTBアタアタがトライ。3-15とリードを広げる。
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ブロディ ・レタリックの突進
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前半28分、アタアタ・モエアキオラがトライ
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ガットランドのゴールは決まらず
前半終了間際の37分、スティーラーズのルーキー舩曵が俊足ぶりを発揮する。敵陣10m付近でボールを持つと、ブリン・ホールをステップで交わすと一気に加速。そのまま左隅にトライ。3-20とスティーラーズが17点差をつけて前半を折り返した。
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今季2度目の先発、山下裕史がスクラムでペナルティを獲得
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前半38分船曳涼太がブリン・ホールをステップで交わす
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船曳涼太がショーン・スティーブンソンも交わしトライ
スピアーズは後半の入りからフロントローを交代。このインパクトプレーヤーがチームにエナジーを注入した。
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後半スピアーズのキックオフ
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後半3分スティーブンソンのデコイラン。ヴァイレアから立川のパスがつながる
42分、後半のファーストスクラムからスピアーズは、フォーリー、ヴァイレア、さらに立川と繋いで、立川からゲラートへのロングパスが繋がりトライ。8-20と追撃を開始。
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立川からゲラードにロングパスがつながりそのままトライ
46分、ハーフウェイ付近のラインアウトからスピアーズがモールで押し込むと後半からWTBに回ったハラトア・ヴァイレアが突破。ブリン・ホールに繋いでトライ。15-20とスピアーズが5点差に迫った。
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後半からWTBに入ったハラトア・ヴァイレアが日和佐を交わしブレイク
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ヴァイレアからブリン・ホールにつながりトライ
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何度も仕掛けてチームを前進させたショーン・スティーブンソン
後半の入り、連続してトライを許したスティーラーズ。その後は互いに攻守が激しく入れ替わる展開で息をつく暇もない凄まじい時間帯が続くが、52分スティーラーズはマイボールスクラムから再び50/22を決めてチャンスを迎える。
スティーラーズはラインアウトからサインプレーを見せるもNO8サウマキアマナキがノックフォワード。チャンスをものにすることができない。
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松永貫汰がボールを抑えるもキャリーバック
58分、スピアーズは裏スペースにボールを転がし、スティーラーズがキャリーバック。トライライン5m前スクラムのチャンス。スピアーズがスクラムをプッシュして、ボールをキープするも、レフェリーのユーズイットコールにスピアーズが対応できず、スティーラーズボールのスクラムとなる。
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スピアーズがゴール前スクラム。レフェリーのコールに対応できずペナルティ
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今度はスティーラーズのスクラムに
山下裕史が対面をプレッシャーかけてコラプシング。スティーラーズがエリアを戻す。39歳山下はこの時間でお役御免。素晴らしいパフォーマンスを見せた。
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PR山下楽平が加藤一希を押し込みプレッシャー
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39歳山下裕史が仕事をする
63分、スピアーズはコンテストキックに対するプレッシャーでペナルティーを獲得すると、直後のラインアウトから相手の立ち位置を見据えて立川理道がいい角度えスペースに走り込みトライ。「9番の立ち位置を見て『狙い撃ち』でした」(立川)。フォーリーのゴールも決まりスピアーズが22-20とついに逆転に成功する。
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後半25分スピアーズ・マルコム・マークスがラインアウトでスローイング
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サインプレーから立川理道が同点のトライ
67分、スピアーズは敵陣10m付近でマイボールスクラム。激しく押し込みペナルティを獲得。この位置でショットを選択。キッカーはヴァイレア。風はやや追い風。距離は出ていたもののゴール左にわずか逸れてスコア変わらず。
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後半29分ハラトア・ヴァイレアがロングPGを蹴るも失敗
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長205cmのルアン・ボタがキックで敵陣ゴール前にエリアを前進
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珍しいプレーにゲラードが笑顔でタッチ
69分、スティーラーズは自陣からカウンター。松永貫汰がアタックするもマルコム・マークスにボールを抜き取られ、LOルアン・ボタがキックで再び敵陣ゴール前に迫る。スピアーズの重いFWのアタックに対して、スティーラーズがたまらずペナルティ。
スピアーズはゴール正面の位置でショットを選択。フォーリーが落ち着いてPGを決めて25-20。
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後半32分フォーリーのPGで25-20とリードを広げる
半とうって変わって後半ここまでノートライのスティーラーズは72分、スピアーズのペナルティからようやく敵陣に入る。74分、敵陣22m内側からブロディ ・レタリックがブレイク。オフロードパスが小瀧尚弘に入りボールをキープ。すぐさま右サイドへ展開。ラファエレティモシーから山下楽平、そして大外にいたティエナン ・コストリーに繋がれるが、立川がコストリーを弾き飛ばしトライを許さず、そのまま試合終了。25-20でスピアーズが勝利し、えどりく20連勝を果たした。
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追いかけるスティーラーズはティエナン-・コストリーがボールをキャリー。立川理道がトライライン前で弾き出してトライセイビング
この試合のPOM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)は攻守にわたり存在感を出した立川理道選手が選ばれた。
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POMの立川理道とキャッププレゼンテーターの浅野杏奈さん
勝利したスピアーズは勝点28とし、単独3位をキープ。次節は再びえどりくに静岡ブルーレヴズを迎え、「えどりく21連勝」をかけて戦う。敗れたスティーラーズは勝点19。プレーオフ圏内の6位。次節は東大阪花園ラグビー場で、今シーズン1勝と調子の上がらないトヨタヴェルブリッツを迎える。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ フラン・ルディケHC
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フラン・ルディケHC
本当に毎回激しい戦いですけど、勝利し続けていることは非常に大きなことです。特に前半ペナルティから自分たちから自滅してプレッシャーをかけてしまっていた。神戸さんはいいスタートが切れていました。それでも後半勝てることができたのは大きい。
後半はタスクを重視してやるべきことをきっちりできていましたし、精度も後半の方が良かった。そしてプレッシャーを点数に変えることができたし、自分たちのやりたいことが機能した。特に後半はリーダーシップのところ、彼らのいい判断をしてくれたことが結果につながった。
ーー後半初めから4人交代したのは、予定通りだったのかそれよりも前半の展開を見て早めたのか
後半モメンタムをとにかく取り戻したくて、オペティなり、マークスや加藤選手に変えたんですけど、前半も1番から3番の選手たちも一生懸命ハードワークしてくれていましたが、サイズとパワーというところで変えました。
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マルコム・マークス
ーー今日はBKにフォーリー選手や立川選手と経験豊富な選手が入り、WTBには山田響選手という若い選手が先発しました。今日のコンビネーションについてはどう評価しますか
週の頭にリカス選手が病欠となって先週ベンチだった山田選手が繰り上がってスタートになりました。彼は将来について楽しみですしいい選手です。フォーリーは経験豊富ですし、立川選手も状況判断がいいです。フォーリーが不在だったときに10番を務めた押川敦治選手もいい仕事をしてくれていました。

先発出場した山田響
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ ファウルア・マキシキャプテン
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ファウルア・マキシ
今日の試合はすごく自分たちのとって良いチャレンジなゲームだと思っていました。今週ずっと言ってきて週の頭から準備することを大切にするといってチームが取り組んできたからこそ最後に勝ちきれたと思っています。
ーー今日はセットプレーからのサインプレーが決まりましたが
プラン通りに、1つのプレーにまず集中してやることが後半につながったと思います。
ーーキックチェイスでチャンスを掴んでいい流れをつくりました
それも自分たちのプラン通りですけど、しっかりボールを追いかけて、しっかりとポイントに返すまでが自分たちのメンタリティなんでそこはうまくいったと思います。
ーー17点差で前半折り返しましたがどんな声がけを
前半のことを忘れて、スコア関係なく、ゼロからスタートして後半の入りに集中しようとメッセージを出しました。
コベルコ神戸スティーラーズ デイヴ・レニーHC
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デイヴ・レニーHC
前半本当に素晴らしいラグビーをやっていました。ディフェンスも良かったし、アタックも良かった。チャンスもたくさん作ることができた。クボタさんは素晴らしいチームで、後半早いテンポでトライを取られてしまった。後半のレフリングのところで選手たちのことを考えると、すごく難しいものがあります。自分たちの方にいいレフリングがもらえなかった。
終盤に関しても見直してみても、神戸にペナルティーの判定がもらえるべきじゃないかと思う瞬間もあったので、そこの部分は本当にきつかったと思います。そこに関しては残念ですけど、その中でもしっかりといいパフォーマンスを出していたと思います。
後半に関してはコンテストキックに対する対応の部分は自分たちはもっと対応しなければいけない。勝つべき、勝ちきれるような努力はできていた。
コンテストキックに関しては、もっとキッカーに対してプレッシャーをかける瞬間があったと思います。かけきれなかったことで、キッカーが素晴らしい位置に戻すまでの十分な時間を与えてしまうと、自分たちのラグビーをすることができない。
リーグワンの中でもクボタさんはキックを蹴ってくるという話は私達もしていたんですが、そこに対しての対応力というのはあげていかなければならない。
コベルコ神戸スティーラーズ 李承信キャプテン
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李承信キャプテン
レンズの話した通りで、試合前に一人一人個人でしっかり勝っていこうというテーマがあって、特に前半出たメンバーはしっかり体現できたのでしっかり自分たちのラグビーができたと思います。
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後半でも満足することなく、自分たちのタンクを空にしていこうという話があったんですが、コンテストキックのレシーブであったりというところで、相手のインパクトプレーヤーにプレッシャーを受けてしまってどんどん後手後手になってしまった。
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やっぱり80分通して、一人一人がしっかりバトルに勝ってチームとして勝ち切る、そういうマインドセットのところまで変えていかないと。
毎試合毎試合一緒の反省をしていても成長がないと思うので、80分通してのバトルに勝てるようにしていきたい。
ーー相手は後半にインパクトプレーヤーを出してくるというのは戦前から予想していたと思いますが、それに対する想定していたものと異なる部分があったのか
そこまで相手のインパクトあるリザーブメンバーに対して意識というのはそこまで持っていなかったです。自分たちもいいリザーブメンバーがいますし、チームとしての層も厚いですし、特に前半と後半で何かプランを変えて戦うというのはなかったです。
前半本当にいいラグビーをしていたんで、後半の5分、10分しっかり自分たちから先制パンチを打てるようにという話をしていました。
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ーーレニーHCからはコンテストキックへの対応が指摘されましたが、キャプテンからは後半の改善点としてどういうところがあると思われますか
まずはディフェンスのところで、ファーストタックルやセカンドタックル、コリジョンのところで相手を圧倒できていましたけど、そこで徐々に受けてしまっていた。あとは自分たちが蹴って、相手が蹴り返したボールに対してクリーンにキャッチして自分たちのストラクチャーのアタックに繋げられず、逆に相手がやりたいように進めてしまった.