ボーデン・バレット国内ラストマッチ「最後の2試合はスバラシイ!」 | ラグビージャパン365

ボーデン・バレット国内ラストマッチ「最後の2試合はスバラシイ!」

2024/05/06

文●編集部


5月5日(日)、「NTTジャパンラグビーリーグワン」ディビジョン1の最終節が行われ、10位で入替戦の出場が決まっているリコーブラックラムズ東京が、7位のトヨタヴェルヴリッツを迎えた。快晴の中、ブラックラムズのホストゲームで過去最高の16,951人のファンが集った。

27度と夏を感じさせるタフなコンディションの中で前半は互角の戦いで8-12とヴェルブリッツがリードして折り返す。ブラックラムズは後半12分、元イングランド代表NO8ネイサン・ヒューズのトライで13-12と逆転に成功する。

ただ後半の後半、NO8姫野和樹キャプテンが「順位は関係なく、未来に向けて、目標であるリーグワン制覇に向かって自分たちのラグビーをすることは意義、意味のある試合だ」と試合前に伝えたというヴェルブリッツが躍動。特に元オールブラックスのSHアーロン・スミスがプレーでチームを引っ張り、途中出場のFL古川聖人が2トライを挙げるなど計5トライを挙げる猛攻を見せて18-45で逆転勝利を収めた。

姫野和樹キャプテンと今季で対談するベン・ヘリングHC

姫野和樹キャプテンと今季で対談するベン・ヘリングHC


この試合で、ヴェルブリッツに入団したオールブラックスのSOボーデン・バレットは最後の試合となった。姫野キャプテンは1年間、一緒にプレーしたバレットに関して「一貫している選手だと思うし、その姿勢はチームにいい影響を与えたと思う。すごくディテールにこだわるし、勤勉な選手だと思う。常にノートを書いていて、必要なら必要な選手にコミュニケーションを取っていた。勤勉さが選手にいい影響を与えていた」と称えた。


試合後、SOバレットはメディアに対応した。

「自分自身がチームに溶け込みたかった。」



――日本で、ヴェルブリッツでのプレーが終わった今の心境は?


本当に複雑な心境です。目指してきたトップ4に入れなかったことを残念に思います。リーグワンは非常に競争の激しい大会です。それでも最後に連勝できたことは、ポジティブで良い形で締めくくれたので、ファンも誇りに思ってくれると思います。最後の2試合はスバラシイ(日本語で)。


――ワールドカップ終了から合流し、あまり時間がなく、チームに馴染むのに時間がかかったのでは?


もちろん、そうですね。新しい環境ですから。それでもクラブは私や家族を暖かく迎え入れてくれて、生活環境を整えてくれた。結束力を高めて、チームメイトと一緒にプレーする、ゲームプランを遂行することに慣れることが課題の一つでしたが、ただそのようなケースはよくあることです。

だから、それをプレッシャーに感じることはなかったし、自分がチームを大幅に調整したり変えたりするよりも、自分自身がチームに溶け込みたかった。とはいえ自分のポジションはチームに影響を与える部分もあったと思います。結局のところ、僕らが目指すところは、チームに合ったプレーをすることです。それは、シーズンの終盤になって出せるようになってきたかな。


――3シーズン前は東京サントリーサンゴリアスでプレーして準優勝でした。今季はヴェルブリッツでプレーしました。ヴェルブリッツはどういうところを改善すれば来季トップ4以上にいけると思いますか?


そうですね、一貫性と選手層の厚みでしょうか。多くの試合で、80分間戦い抜くのに苦労しました。トップのチームはパフォーマンスの一貫性があって、それができるレベルの選手が揃っているし、長い時間をかけてメンバーがコンビネーションを作り上げていくことで、目標を達成している。そういうものがチームのプレースタイルのDNAの一部です。ヴェルブリッツの選手たちもそれを信じてやっていく必要があります。


アーロン・スミスとボーデン・バレット

アーロン・スミスとボーデン・バレット

――リーグワン全体のプレーの質は上がったと感じますか?


(リーグワンは)本当に(レベルが)向上していると思います。大会自体も競争が激しくなりました。3年前にサンゴリアスでプレーした時は、3~4のトップチームで争っていた。今はそれが少なく見積もっても8チームぐらいになっているし、試合も拮抗している。

それはインターナショナルプレイヤーの影響もあるし、海外の選手が増えていることもあると思います。それがリーグワンのリーグの質を上げて、日本人選手のレベルアップにもなっているのではないでしょうか。



――ワールドカップに3大会出場しても、まだオールブラックスでプレーしたいというモチベーションはどこから出てくるのでしょうか?


オールブラックスというのは特別なチームですし、特に2人の弟(LOスコット、CTB/FBジョーディ)と一緒にプレーできることが、オールブラックスでのプレーを続ける率直な理由です。もちろんワールドカップにも(3度)出たので、このまま日本でプレーを続けたり、フランスに行ってプレーしたりという選択肢も考えられたのですが、まずはヴェルブリッツのために全力を尽くし、その上でオールブラックスに選ばれ続けるような状態でありたかった。オールブラックスも新しいコーチングスタッフになったので、どうなるかわかりませんが、そこにチャレンジしたいという気持ちがあります。

――今季、ヴェルブリッツでプレーして、オールブラックスでの糧や成長につながるようなことはあったか?


もちろんたくさんありました。いろんなプレースタイルのチームと対戦することができました。特にリーグワンにはいろんな国から選手が来ているので、より多くのプレースタイルを知ることができた。そういう、いろいろな国のラグビーを学んで、ニュージーランドに持ち帰ることができるかな。それは、南アフリカの強さにも繋がっていると思います。南アフリカの選手はいろいろな場所でプレーしてきているので、そこが南アフリカのラグビーの奥深さを増した理由なのでは、と考えています。南アフリカはいろいろなラグビーの良い部分を集約してチームを作っていますから。





――2023年ワールドカップのリベンジを果たして、2027年ワールドカップで優勝したい?


それはもちろん大きな目標ではありますが、まずは1シーズン、1シーズンしっかり過ごしていきたい。


――2027年ワールドカップが終わったらまた日本でプレーしたいですか?


まだまだ先の話ですね。でも、もちろんその気持ちはあります。体とマインドが続くのであればプレーしたいです。ラグビー選手として1日でも長くプレーしたいというのは、私の目標でもあります。

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