ワイルドナイツ開幕2連勝「今季はこういうゲームが増えてくる」坂手淳史キャプテン80分フル出場「後半戦うエリアは修正しなければ」 | ラグビージャパン365

ワイルドナイツ開幕2連勝「今季はこういうゲームが増えてくる」坂手淳史キャプテン80分フル出場「後半戦うエリアは修正しなければ」

2024/12/29

文●野辺優子


埼玉パナソニックワイルドナイツは28日、ホスト・熊谷での開幕戦にクボタスピアーズ船橋・東京ベイを迎えた。

開幕戦に続き10番を背負うSO山沢京平が2つのPGを決めると30分、敵陣ゴール前のアタックで山沢京平が仕掛けて裏に出かかると後ろからサポートに入ったディラン・ライリーがボールを受け、体を回転させながら前進しトライ。
後半に入るとスピアーズの「ミニ・ボムスコッド」がチームのギアを上げ反撃を許し1点差にまで追い詰められるが、75分、山沢京平がこの日4本目のPGを決めて勝負あり。26‐24でこの接戦をものにしたワイルドナイツが開幕2連勝を果たした

ワイルドナイツの硬いディフェンスは今シーズンも健在。スピアーズのアタックを食い止めた

ワイルドナイツの硬いディフェンスは今シーズンも健在。スピアーズのアタックを食い止めた

埼玉パナソニックワイルドナイツ ロビー・ディーンズ監督

まずはすごくタフなゲームになったなということは明らかだったなと感じてますし、ただで試合をこのように勝ち切れてすごく光栄に思っております。勝ちきるために深く掘っていかなきゃいけなかったですし、選手たちが困難に直面した時にどれだけ彼らが勝ちというものが、彼らに意味するのかというのを見せてくれました。

本当に最後の10分間というところで、これを勝ちきれたというのは、自分たちの自信に今後なっていくと思います。 クボタスピアーズは本当に後半のところでうまくプレイしていて、フィールドポジションも相手に与えてしまうと難しい試合になっていくと感じました。

中盤のところで、自分たちがプレーする時間が多かったというところがそれを促してしまったんじゃないかなというふうに感じてます。

オッキー・バーナード選手のデビューについてはすごく誇らしく思いますし、それに加えて、山沢京平選手のキックは、すごく誇らしく思っております。このように若い年齢でプレイしているにも関わらずキックを任せられるのはすごく、プレッシャーを感じるでしょうがよくやってくれました。 80分間リードしてくれた坂手キャプテンにも本当に嬉しく心強いと思っております。

――去年の下位チームが上位チームを倒す試合があったり、リーグは混戦になりそうな印象があります。リーグについて今どんな感想を持っていますか?


今シーズンはそれがよりいいシーズンになるかと思っていて、下位チームっていうのはないなというふうに思っております。


――今日交代のカード四枚しか切らなかったのは珍しいと思いますがその理由を教えてもらえますか?


すでにこのようにフィールド上にいろいろな変化というものが存在していた。そこに加えて新しい変化を加えるというのは、プレッシャーの中ではあまり適さないのじゃないかなというふうに感じたので一貫性を持ったチームのコンビネーションで臨みました。

すごくフィジカルな試合にはなりましたけれども、そこまで速い試合ではなかったかなというのは見ていただければ分かるかなと思います。ですのでチーム、選手たちは、息をつく時間があったと感じています。精度の高いプレイというのを望んでいましたが、今日の試合では時間が経つにつれて、逆に精度というものが上がっていきましたし、強度というところの精度も上がっていきましたということも理由になるでしょう。

POMに選ばれた山沢京平

POMに選ばれた山沢京平


――山沢京平選手を今年10番で起用している理由と、彼に求めていることや役割とは。


シーズンの中での継続性というところが(起用している理由の)背景にあります。山沢拓也選手がチームに戻ってきたのが遅かったというのもありますし、彼が全然リザーブでもいい選手だということもあります。キックもできてグラウンドを広く使える選手だなと感じています。ゲームの中でファーストタッチを狙いにいってくれる選手であると思っているのでこのようにしています。

京平選手については、このようなチャレンジを受け入れて成長し続けてくれている。今日のような試合が自信を増してくれるんじゃないかなと。本当に見えないところでも、京平選手は、個人としてとても成長していますし、チームメンバーとしてもすごい成長を見せてくれてます。練習の中でも頑張っておりますし、その結果というのがこのような結果につながっていると感じています。

埼玉パナソニックワイルドナイツ HO坂手淳史キャプテン

本当にタフなゲームでした。フィジカル的にもタフでしたし、得点ももちろんそうですし、すごくタフな一日になったなと思ってます。ゲームの内容のところはしっかりと見てからじゃないと何も言えないところですが、こういうゲームが今年のリーグワンでは増えてくると思ってます。

こういうゲームをどんだけ自分たちのが勝利できるかっていうところだったり、自分たちのメンタル的なところで焦らずにプレイし続けることができるのかっていうところをしっかりフォーカスしていきたいなというふうに思っています。

それをチームにしっかりと伝えて、こういうゲームをみんなで楽しんで、みんなでつながりあってどう勝っていくかっていうところを、チーム全員でやったのですごく教訓になるいいゲームだったんじゃないかなと思ってます。

後半の部分で言うと戦うエリアの部分は少し改善するべきところではあると思います。 自陣でやる時間帯ってのは多かったですし、ミスがあった部分もありましたし。少し基本的なプレーの部分でのミスもあったので、そういうところを振り返りながら、さらに前進していくために、いいゲームになったんじゃないかなと思ってます。


――試合終わった後、ちょっとへたり込んでいた。 どういった感じでしたか


そうですね。あんまり見せたくなかったですね。まあミスです。ちょっと疲れました。最後もすごくディフェンスが長いラストワンプレーだったので、すごくタフでした。そういう弱いところを見せないように、次からは頑張ります。


―― 先ほど自陣でプレーしてしまったと反省されましたけど、おそらく後半相手はマークス選手たちのような選手を順番に投下してきたことも影響して見えたと思いましたがどうでしょうか?


まあ、見てみないとわかんないですけど、やっぱり接点のところでは、後半の途中20分ぐらいかな、すごく接点で下げられてしまったっていうイメージはあります。なので、接点で下がるっていうことは、自分たちにとってペナルティをしやすい状況になってしまうっていう部分なので、そこを最後の最後の10分は、ほとんどのプレーをプレイヤーは相手は向こう側に出して倒してたんじゃないかなと思うんですが、それをああいう状況でもできれば自分たちのディフェンスっていうのは、さらに磨きかかると思うので。重さだったりとか、こうフィジカルだったり、押されたっていうのは、少しは考えはあります。そこは修正できる部分です。

――坂手選手もフル出場して結構、フィジカル的にはタフだったと思うんですが、最初におっしゃったその最後は向こうに押し倒せた。そういうディフェンスができた理由は。


タックルしておき上がるのは早かったですし、一つ一つのタックルっていうのが強く入ることができていたのは印象に残っています。全部って言ったんですけど、それができたかは映像を見て、確認したいなと思うんですけど、印象的には後半の最後のあの10分間、いいディフェンスだったんじゃないかなと思ってます。

早く起き上がることによってタックルに対して2人で入れるというところの利点がありますし、相手もアタックしてくる時間ではあったので、それに対してプレッシャーをかけ続けることができたっていうのは大きな収穫になるんじゃないかなと思います。

1点、2点を争うゲームにおいて、そこのディフェンスの強度というのはすごく大事になりますし、少しペナルティーがかさんでしまったというところは反省点でありますが、そこに対していい準備をさらに進めていきたいなというふうに思っています。

勝負を決めた山沢京平のPG

勝負を決めた山沢京平のPG

――ロビーさんが「あのフィジカルは強かったけど、まあそのテンポが早くなかったんで、息をつく暇があった」というが、その辺は?


そうですね。 あったんじゃないかな? ちょっとしんどかったですけど最後は。だから息つく時間はもちろんありました。TMOも結構ありましたし、あの時間帯で自分たちにフォーカスする時間っていうのもとれましたし、あの特に後半の20番の選手かな?相手のイエローカードが出たシーンでは、まあどういうプレイかっていうのは僕たちわかんなかったんですけど。

あの時間帯のハドルで、ダミアン・デアリエンデがリラックス、リラックスというか、自分たちのプレーに対して、さらに付加価値を与えてくれるようなコミュニケーションがありましたし、そういうところで経験のある選手たちがあそこでチームを落ち着かせて、どういうプレーを選んでいくかっていうところに対して、フォーカスできる時間があったっていうのは、確かです。

――その付加価値を上げてくれるコミュニケーションって何ですか?


自分たちのプレーのところですね。自分たちを信じてコネクションし合って一人一人でプレーをしないということは、さらにダミアンが言ってくれたところですし、説得力もすごくある選手なので、それを聞いて、通訳は入ってない状況でしたけど、ディランだったりガンターだったりが僕たち日本人にも分かるように訳してくれましたし、そういうリラックスできる時間帯、自分たちのフォーカスに戻れる時間帯でしたね。

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