レギュラーシーズン3位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイは、プレーオフ準々決勝で6位の東京サントリーサンゴリアスと対戦し20-15で勝利し、準決勝進出を果たした。序盤多くの時間帯を敵陣で攻め込むも、前半はノートライに終わり3-0で折り返したスピアーズ。
2025/05/19
文●野辺優子
後半最初に、サンゴリアスWTBチェスリン・コルビにトライを決められリードを許すも、直後にWTB根塚洸雅がトライ。53分、サンゴリアスにまたしても一瞬の隙をつかれ逆転を許し追いかける展開。

リードを許したスピアーズはすぐさま根塚洸雅がゴール前に迫る。対峙する箸本龍雅を弾き飛ばしインゴールへ

根塚洸雅がトライ

62分、敵陣ゴール前でペナルティを獲得したスピアーズはタップでリスタート。PR為末がボールをもって前進。トライライン手前でFWがフェイズを重ねる。最後はルアン・ボタがトライ。SOバーナード・フォーリーのゴールも決まり17-12と逆転。

為房慶次朗のタップから

ルアン・ボタのトライ

サンゴリアスも反撃。フェイズを重ね敵陣22mに入るも、65分、この試合で100試合出場のメモリアルマッチとなった、スピアーズFLトゥパ・フィナウがチームのピンチを救った。

トゥパ・フィナウがジャッカルでピンチを救った
70分、スピアーズはマイボールスクラムでペナルティを獲得。キックするのはCTB廣瀬雄也。ゴール正面の位置で難なく決めて20-12と8点差にリードを広げた。

廣瀬雄也のゴール成功
試合も終盤、77分にコルビにPGを決められ再び5点差に迫られるもスピアーズのディフェンスは最後まで崩れることなく試合終了。

立川理道がボールをタッチに蹴り出しノーサイド.
試合後にフラン・ルディケHC、ファウルア・マキシキャプテンの会見コメントを再翻訳し余すことなくお届けする。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ フラン・ルディケHC

フラン・ルディケHC
ーー接戦を振り返って
典型的なノックアウトラグビーでした。差はとても僅かでした。完璧な試合ではありませんでした。決して美しい試合ではありませんでした。しかし、最も重要なことは、勝つための方法を見つけたことです。特に、サントリーがスコアしてリードした場面でも、私たちは冷静さを保ち、ペナルティを獲得し、トライを決めたことが非常に重要でした。ノックアウトラグビーでは、自分たちに効果的な戦術を見極め、それを実行することが重要です。だからこそ、私たちは勝利を祝い、来週の試合を楽しみにすることができるのです。
ーー2年ぶりのプレーオフで緊張していた選手も多かったかもしれないが、勝てた要因は。
選手たちはただひたすらプレーを続けて、決して止まりませんでした。そして、チャンスを作り続けました。私たちは、サントリーよりもはるかに多くのチャンスを作りました。そして、そのチャンスをどのように生かすか、特にプレーオフでは、それが学びになります。

22メートルラインに入ったら、結果を出したいと思うものです。ハーフタイム前のペナルティに関しては、キャプテンに質問したいことですが、プレッシャー下にあったため、イエローカードをもらうかもしれないと考えていたと思います。ポジティブに臨みましたが、スコアボードのプレッシャーを築くための良い学びになりました。それを活かし、来週に向けてより良いチームになります。
ーーリザーブにFWが多い狙いと評価。
サントリーに対するリスペクトの表れだと考えています。彼らのプレーは、素早く、フォワードを動き回らせ、相手を翻弄するため、フォワード陣には大きな負担がかかります。そのため、フォワードを1人増やしました。そして、最後の20分間、そのアドバンテージが表れたと思います。ディフェンスも非常に良く、相手を寄せ付けず、チャンスを封じ、ペナルティも獲得しました。それが理由です。
ーー1ヶ月前と同じ場所で同じ相手と対戦
その結果、バトルは予想通りで驚きがなく、より難しいものになりました。以前の天候は、相手チームがキャリーやミスを繰り返し、私たちに多くのチャンスを与えてくれたと感じました。私たちはそれをうまく利用しました。だからこそ、勝利は私たちにとって納得のいくものだったのです。今日の天候は、オープンなアタッキングラグビーに最適なものでした。そのため、より接戦となり、私たちは懸命に戦わなければなりませんでした。
ディフェンスからターンオーバーでチャンスを繋げたかった。実際ターンオーバーやペナルティは多かったが相手陣内22m入ることはできたが、仕上げ、最後の仕上げの部分で、フィニッシュまで持っていけないのは、もう1段階必要だっただけだと思います。それは簡単に修正できることです。だからこそ、来週は修正すべき小さな点に焦点を当てていくことが良いと思います。
ーー昨日4位のレヴズが5位のスティーラーズに敗れた。プレッシャーはあったか。
それがノックアウトラグビーというものですからプレッシャーはありました。だからこそ、私たちにとってもこれは素晴らしい結果でした。トップ 4 に返り咲くことができたからです。昨年は惜しくも逃しましたが、必要なことを実行できたし、フィールドのリーダーたちにの功績です。私たちは落ち着いて、クボタ流のプレーをしました。完璧ではありませんでしたが、結果を出すことができました。
ーー選手の選択について
はい、私はいつも、ハーフタイムにPGを狙うのかと同じですが、私たちはポジティブに、そしてもちろんFWで優位にあるので、そのまま行こうと思いました。つまり、選手たちがフィールドで感じたままに決断すれば、その勢いは後押ししていると感じられるからです。
私はその判断を常に支持しています。これについてはたくさん議論できると思います。結局のところ、重要な局面でトライを奪えたのは、選手たちが信頼し、指示に従い、それを実行したからです。ハーフタイム前の状況は、反省すべき点です。しかし、結局のところ、結果は結果です。私たちはそこから学び、勝利から学ぶことができます。それがポジティブな点だと思います。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ ファウルア・マキシキャプテン

ファウルア・マキシ
ーーチームとして久しぶりのプレーオフ。ゲームにどんなマインドで臨んだか。
去年悔しい思いをしたが、今年は本当にチームで成長してきた。久しぶりのプレーオフだが、 先を見ずに目の前のことにフォーカスしてきた。今週はサンゴリアスがタフな相手だと言うのはわかっていました。過去もサンゴリアスとは接戦を繰り広げてきた、
今日は自分たちにフォーカスして、1個1個のプレーを最後までやり切ったことで結果がついてきたと思います。
ーー前半攻めても攻めても点が取れなかった。チームでどういう話をしたか。
自分たちのプラン通りで、自分たちの強みを活かして相手のFWにしっかりプレッシャーかけていけば、いつか必ずチャンスがあると自分たちを信じてやっていました。

ーーHT前ショット狙わないで最後まで攻めたのは。
みんなとりたい気持ちが強かった。自分たちを信じてトライをとりに行った。
ーーラインアウトのミス
サントリーのプレッシャーが大きかった。それを自分たちの学びとして、次の試合でどうやっていくか。僕もそうなんですけど、FWは次の試合でしっかり修正したい。
ーープレッシャーを感じたか。
僕はあまり感じなかったですけど、プレーオフなので緊張感を持って、自分たちのフォーカスしてやるべきことをしっかりやっていく。そこがうまくいけば、もう一回チームとして見直していきたい。
ーー後半、ゴール前でタップで為房がいってからトライ。どういうチョイス。
いや、もう本当にFWは自信を持って、それも自分たち一つの武器なので、そこは絶対トライ取り切れるところかなと思ってトライまで取れた。
ーーセットにするのではなく、タップでいいというのも事前に準備したプランではありますか?
はい
ーー為房からもボールを持った時には、キャプテンからこれでいくって話はしてますか?
選手をしっかり信頼しているので、そこは大丈夫です。