サクラセブンズが決戦の地・ブラジルへ出発した。
「ようやく成果を出せるところに来た。ワクワクしています」
浅見敬子ヘッドコーチは、出発を控えた成田空港で、晴れがましい顔を見せた。
「ここまでくるまでの間は、どうしても勝たなきゃいけないと、いろいろなプレッシャーがありました。『勝たないとオリンピックへ行けない』とか、『勝たないとカップ戦に行けない』とか。このオリンピックも、プレッシャーがないといったら嘘になるけれど、それよりも、最後の最後、この舞台を楽しめるように、自信を持って選手たちをフィールドに送り出したい」
サクラセブンズはこれまで「目標は金メダル」と公言してきた。
「大それた目標を掲げてきましたが、これを掲げなければ、今私たちはここにいなかったと思います。もちろん、リオでは金メダルの夢を追い続けますが、選手にはとにかく、オリンピックの大舞台を楽しんでほしいと思います」
日本からは時差も季節もすべて逆。治安の不安も含め、悪条件を心配する声が多いが、浅見HCは気にしていない。
「チームとしての行動規範を守れば大丈夫です。サクラセブンズはブラジルには何度も行っていますし、前回(今年2月)の大会ではリオデジャネイロにも行って、五輪本番をシミュレーションしてきましたから」
たとえば、オフにショッピングセンターへ行ったときも、クルマからの乗り降りを素早くする、周囲に注意を配る、スマートフォンなどを外で使わないなど、チームで声を掛け合いながら行動するルールは徹底して反復したという。
移動についても同様だ。サクラセブンズは26日午前に成田を発ち、約10時間のフライトで米国ダラスに到着。ここで約12時間の乗り継ぎ時間を経て、再び約10時間のフライトでようやくサンパウロに着く。