サクラ戦士の最前線で身体を張り続けたリーダーが、スパイクを脱いだ。
1月24日、サクラフィフティーンこと女子15人制日本代表で、昨年のワールドカップの主将を務めたPR南早紀(27)が、現役引退を発表したのだ。
福岡・太宰府ラグビースクールで楕円球を追い始め、福岡レディース、筑紫高を経て日体大に進んだ。2017年ワールドカップを戦い、さらに横河武蔵野アルテミ・スターズの創設メンバーとなった。全国女子選手権には日体大時代に3度、アルテミ・スターズで2度、優勝を飾った。日本の女子ラグビーを牽引してきた存在だった。
そんな南が、27歳で引退を決めた理由とは――(取材:2月7日)。
もともと、いつもいつも『ラグビーやめたい』って言ってたんですよ(笑)
――現役生活お疲れ様でした。ワールドカップ(W杯)イヤーのシーズンを戦い終えての引退ということですが、今回のW杯で区切りにすることは決めていたのですか?
「最終的にはW杯から日本に帰国してからですね。気持ちがはっきりしたというかさせたというか。ただ、前々からある程度は『このW杯までかなあ……』とは考えていました。もともとは、前(2017年)のW杯のときも『大学まででラグビーは辞めようかな…』と思っていたんです」
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今季の関東大会より(11月20日、東京山九フェニックス戦)
――前のW杯のときは日体大の4年生でしたね。
「はい。でもW杯に出てみて、日本の女子ラグビーのために、自分にできることもあるんじゃないかなということも考えて。世界である程度戦えたという手応えもあったし、悔しさもあったし、もっとみんな、上手くなれるんじゃないかという思いもありました」
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ゴールキッカーも務めた(日体大時代)
――そして、横河武蔵野アルテミ・スターズに創設メンバーとして参加します。
「大学まででラグビーをやめようかなと思った理由は、ラグビーを続けたいなと思うチームがなかったこともあるんです。だから、ラグビーから離れようかな……と思っていた頃、たまたまアルテミ・スターズのお話をいただいて、新しいチームを作ることに魅力を感じて、やってみようと思ったんです」
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