18日、ヨドコウ桜スタジアムでは、「アサヒスーパードライチャレンジマッチ2025」JAPAN XV対オーストラリアAの一戦が行われた。大学生選手もメンバー入りしたJAPAN XVに対して、相手のオーストラリアAは、多くのワラビーズ経験者とスーパーラグビーでパフォーマンスを出している選手たちで構成されていて、かなり格上。どんなパフォーマンスを見せるか注目されたが、序盤はトライラインに迫るアタックを何度か見せた。それでも決めきれない、分厚いディフェンスは世界トップレベルの壁を打ち破ることが出来なかった。
前半22分にFB矢崎由高(早稲田大学)がトライを決めるもその1本のみ。11トライを許して7‐71で敗れた。ニールハットリーHC代行と奥井章仁キャプテンの試合後会見をお送りする。
2025/10/18
文●編集部
ニール・ハットリーHC

ニール・ハットリーHC
――このゲームをどう予想していたか
今日は厳しい試合になるだろうと思っておりました。相手チームには13人のワラビーズ選手が在籍しております。彼らはスーパーラグビーのシーズンを終えたばかりで、長期間共に過ごしてきました。
一方、私たちの若手選手たちはわずか3日間しか一緒に練習しておりません。中には大学生も含まれておりますので、今週の試合への取り組み方には本当に誇りに思っております。

奥井選手はチームのために懸命に働き、見事な仕事をしてくれました。もちろん、今回の結果は残念でなりません。本日見受けられた課題は、これからのホンコンチャイナ戦において彼らが学んだことを示す絶好の機会が訪れています。その差を埋めるチャンスを彼らに与えたいと思います。本日の取り組みに関して言えば、改善すべき点がいくつかあります。もちろん守備面での調整は必要しかし、非常に若い選手たちから示された姿勢は、素晴らしいものでした。

――大学生選手の評価
彼らは今週、本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。
ヨシ(矢崎)選手はテストマッチレベルの選手です。すでに日本代表として5、6試合出場しています。正真正銘のインターナショナルのラグビー選手です。ご存知の通り、自分は(元イングランド代表の)アンソニー・ワトソンやジョナサン・ジョセフといった選手たちを指導した経験がありますが、彼らは非常に優秀な若手のインターナショナルな選手でした。ヨシは彼らと同等の実力者であることは疑いの余地はありません。ですから彼の復帰は大変喜ばしいことです。

矢崎由高
彼は今日の試合の展開に非常に落胆しています。アキ(奥井)も同様で、チームのほとんどのメンバーも同様です。しかし、これは若い選手たちにとってその差が何であるかを理解し、その差を埋めるために我々が取り組むべき課題を知る絶好の機会となるでしょう。これがこの若いチームにとって次のステップとなるはずです。
――大学生は限定的な参加
正直なところ、現時点ではお答えできません。まだ100%確定しておりません。今後数日間で、もう少し詳細が明らかになるでしょう。今後2、3日のうちに、エディやコーチ陣と協議を重ねます。オーストラリア戦に向けたチーム編成を決定します。香港戦に向けたチーム編成も決定します。それが現時点で最も重要な焦点です。
おそらく月曜日か火曜日までには、誰がどの試合に出場可能か、より明確な見通しが立つでしょう。決まり次第、すぐに皆様にお伝えすることをお約束いたします。
FL奥井章仁キャプテン

奥井章仁
毎プレー勝負をかけようと挑みました。最初の20分で自分たちのラグビーをする時間があった。そこは良かった。遂行力とやりきる力が必要。トランジションのところは相手の方が上手だった。それが前半相手に連続トライを取られた要因だと思います。
――一番感じる課題は?
トランジションのところ、自分たちがアタックできていて、1フェイズ2フェイズで逆にトライされてしまった。アタックは通用していたし、敵陣まで攻めることができた。そこをやり切る力をつけていきたい。
全員がいい判断をもっているので、そこを信頼していきたい。キック蹴った後に、レフェリーを気にしすぎて、プレーが一つ遅くなってしまった。自分の判断を信じていく必要があるし、ルーズボールに対しての反応が相手の方が良かった。

――スコアが広がってしまったがどんな感じだったか
厳しいゲームだったのですが、ハドルの中のアティチュードは良かった。選手自体は良かったので、それがトライに繋げられるようにディテールのところを詰めていかないといけないと感じます。
――ラインアウトうまくいかなかった
相手のディフェンスも良かったんですけど、遂行力だったりが足りなかった。そこができていたら、ボールを獲得できた。自分たちがやってきたことをどれだけゲームでやりきれるか、それがラグビーは相手ありきのスポーツですが、そういうところが大事になってくる。
ダブルタックルにこだわって、ブレイクダウンにプレッシャーをかけて相手の時間を奪っていこうとしていましたが、そこも同じになってしまいますが、遂行力が足りなかった。
――セットプレーもなかなかうまくいかないところがあったと思います。ラインアウトも前半不安定でしたけれどもその辺はいかがだったでしょうか。
この1週間、オーストラリアAに対していい準備はしてきたんですけど、それ以上にオーストラリアAのディフェンスが良かったのと、やっぱりそこで自分たちの遂行力が落ちてしまったところが、セットプレーが安定しなかったところの一つかなと思います。
――来週、ホンコンチャイナとも戦います
今日出た課題をしっかり受け止めることはまず一つですし、その次にゲームに向けて自分たちでやるべきことをもう一つ一つ確認するところからしっかり準備してやっていきたいと思います。