挑戦ROADto2026―エディーの反骨心はどこから―リポビタンDツアー2025・超タフな日程の狙いとは | ラグビージャパン365

挑戦ROADto2026―エディーの反骨心はどこから―リポビタンDツアー2025・超タフな日程の狙いとは

2025/10/03

文●大友信彦


ラグビー日本代表のエディー・ジョーンズHCは2日、10月25日のリポビタンDチャレンジカップ2025・オーストラリア代表戦と、欧州で南アフリカ、アイルランド、ウェールズ、ジョージアと対戦するリポビタンDツアー2025に向けた宮崎・大分合宿参加メンバーを発表した。

メンバーはLOワーナー・ディアンズらPNCを戦ったメンバーが中心で、夏のウェールズ戦のあとチームを離れていたFLリーチマイケル、コンディション都合等で招集されなかったFB松永拓朗が復帰したほか、代表資格を満たしたLOハリー・ホッキングス、タイラー・ポール、デーヴィッド・ヴァンジーランドが初招集された。

エディーHCは、「紙森、岡部、PNCで原田衛、木村聖南、ワイサケ・ララトウブアなどけが人も出ている中で、新しい選手を何人か入れた」と説明。初招集のLO3人については「ホッキングスはワーナーと似たタイプでラインアウトジャンパーとして高さとスキルを持っていて、良いアタックプレーヤー。ヴァンジーランドとポールはハードワークをする、サイズもあり学ぶ姿勢が強くジャパンに適した選手」と選考過程の一端を明かした。

ワールドカップ2027の開幕までちょうど2年。エディーHCは「それまでテストマッチを30試合することになる。完全体をどこで見せるかと言えばワールドカップの1戦目になるだろう」と、チームはあくまでも成長過程にあると説明。自身の母国かつ前任地で開催されるが、特別な感情は「何もない」と否定した。

ワールドカップ本大会の抽選会が12月3日に決まり、現在世界ランク13位の日本にとっては12位に入れるかどうかが注目される。次回ワールドカップは出場国が24に増え、4か国×6組でプール戦が行われる。世界ランク12位以内に入れば組み合わせ抽選のバンド2に入り、同組のランキング上位国はひとつになるが、13位以下のままだとバンド3、同組にランキング上位国が2つ入ってくる。次回大会では決勝トーナメント枠も16に拡大されるため、プール3位からも4か国がトーナメントに進出できるが、その場合はトーナメント初戦で各組1位の強敵と当たることになる。8強さらに4強入りを目指すためにも、世界ランク12位以内と13位以下では大違いだ――多くの人はそう見ている。

エディー・ジョーンズHC

エディー・ジョーンズHC


だがこの日の会見でエディーHCは「ランキングはあくまでもランキングでしかない。ワールドカップではプール戦で勝つことがすべて」と世界ランキングに一喜一憂しない姿勢を強調した。「今の我々の目標は良いプレーをすることであり、今は目の前のオーストラリアしか見ていない。近年のオーストラリアは力が上がっている。ポイントはゲインラインのフィジカルバトルにどれだけ勝てるか。国立競技場で5万人が騒いで、良い雰囲気の中でやれることを楽しみにしている」と話した。

むしろ、エディーがこだわったのは別のことだった。同じ会見でエディーHCは、PNC決勝のフィジー戦でフィジーが終盤、ノンコンテストスクラムを選択しながら、1人ピッチから出さなければいけないところをそのまま戦ったことについて繰り返し言及した。

「日本はクレームも出さなかったが、これが他の上位国相手だったら騒ぎになっていた。やはり日本は軽視されていると痛感した。それを変える方法は強豪に勝つことしかない。今回のツアーでは日本が強いアプローチをしてリスペクトを勝ち取りたい」

エディーが反骨心をあらわにしたのは久しぶりな気がする。

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