南アフリカが決勝進出!ウェールズとの死闘を制し2007年大会以来のファイナルへ | ラグビージャパン365

南アフリカが決勝進出!ウェールズとの死闘を制し2007年大会以来のファイナルへ

2019/10/28

文●編集部


27日、横浜国際競技場ではラグビーワールドカップ2019・準決勝、南アフリカ代表対ウェールズ代表の一戦が行われ、19-16(前半9-6)で南アフリカが勝利し、2007年大会以来の決勝進出を決めた。

ボールポゼッションでは、61%(ウェールズ)に対して39%。テリトリーでも38%。ラインブレイクもウェールズ5に対し、南アフリカは2。タックル数はウェールズ74に対し、南アフリカは142とウェールズの攻撃を受けながらも80分で3点上回り勝利を収めた。

戦前の予想どおり、互いにキッキングゲーム。FWでゴリゴリ。前日行われたイングランド対ニュージーランドとは対照的な重厚感たっぷりの試合展開。互いに1トライ。そして勝負をわけたのは1本のPG。アームレスリングのような試合をもう一度振り返る。

HIGHLIGHT

フルマッチ・タイムライン

<前半>
14分 南アフリカ PG 3-0
ウェールズ陣内22m内側のブレイクダウンでウェールズがノットロールアウェイ。


17分 ウェールズ PG 3-3
南ア陣内10mからウェールズがBKで展開しビックゲイン。南アがオフサイド。

ジャパン戦では最優秀選手に選出されたSHデクラーク。この試合でもそのパフォーマンスを遺憾なく発揮した

ジャパン戦では最優秀選手に選出されたSHデクラーク。この試合でもそのパフォーマンスを遺憾なく発揮した

19分 南アフリカ PG 6-3
ウェールズ陣内22m付近、南アフリカボールのスクラムでウェールズがコラプシング。


34分 南アフリカ PG 9-3
ウェールズ陣内22m手前、南アフリカがラインアウトモールで押し込む。ウェールズがコラプシング。

16回のボールキャリーをしたNO8モリアーティ

16回のボールキャリーをしたNO8モリアーティ

39分 ウェールズ PG 9-6
ウェールズがハイボールをキャッチし、一気に南アフリカ陣内に攻め込み南アフリカがノットロールアウェイのペナルティー

<後半>
45分 ウェールズ PG 9-9
南アフリカ陣内10m付近でウェールズボールのラインアウトモール、南アフリカがコラプシング。

タックル数18のFLピーター・ステフ・デュトイ。両チームあわせて最もタックル数が多かった。

タックル数18のFLピーター・ステフ・デュトイ。両チームあわせて最もタックル数が多かった。

56分 南アフリカ TRY 16-9
南アフリカが自陣10m手前のマイボールスクラムでペナルティー獲得。ウェールズ陣内22m手前のラインアウトからフェイズを重ね、アドバンテージをもらいながらCTBダミアン・デアレンデがトライ

65分 ウェールズ TRY 16-16
58分にウェールズが敵陣10m付近でペナルティーを獲得。ウェールズはショットではなく、トライを選択。ゴール前ラインアウトから、20フェイズ。南アフリカがオフフィートのペナルティー。キャプテンであるアラウィンはスクラムを選択。崩れかかった状態からNO8ロス・モリアーティが何とかボールを出すとSHトモス・ウィリアムズが展開。大外のWTBジョシュ・アダムスが左隅にトライ。その後、難しい角度のコンバージョンをFBリー・ハーフペニーがしっかり決めて同点。

72分 ウェールズ DG失敗 16-16
相手ペナルティーから南アフリカ陣内22m手前でのラインアウト。ウェールズは再びFW戦に持ち込む。12フェイズ重ねるも22m超えることができず、13フェイズ目、SOリース・パッチェルがドロップゴールを狙うも失敗。

75分 南アフリカ PG 19-16
ウェールズ陣内での南アフリカボールのラインアウト。モールでペナルティーを獲得。SOポラードが冷静に決めて南アフリカがリード。

80分 試合終了 南アフリカ 19-16 ウェールズ
79分、南アフリカボールのスクラム。最後押し込みペナルティーを獲得。勝負あり。SOポラードがタッチへ蹴り出し試合終了。


「まだ道半ば。ワールドカップで優勝をしたい」ラシ―・エラスムス南アフリカ代表ヘッドコーチ

勝利した南アフリカ、ラシ―・エラスムスヘッドコーチは、「最後まで不安でした。過去4試合に負けていたのでまた繰り返すかもしれないと。ウェールズをリスペクトします。素晴らしいコーチがいて、選手たちも最後の数分間まで、もう一度巻き返していこうとしていました。ほんのすこしだけ私たちに運がありました。ウェールズのような素晴らしいチームに勝ったからこそ、自分の選手たちを誇りにおもいます。

決勝に進めたことで幾らかのリスペクトを得たとはおもいますが、まだ道半ばです。ワールドカップが欲しいのです。非常に素晴らしいイングランド代表と戦いますが、きっと最後までわからない試合になるとおもいます。

選手交代はタフなこともありますが、私たちはだれが出ようと関係なく、みんな一緒です。キャプテンだって交代させます。みんな最後までトライラインでディフェンスしました。このようなことを一緒にやって、本当にやりがいを感じ、その瞬間が本当に重要であり、それがチームの精神につながり、国の誇りにしているのです。」

直接指揮をとったのは2018年。試合後の記者会見でここまで急速にチームを成長させた要因について質問されると「ここ2、3年。パフォーマンスの悪い試合をしていました。結果、スプリングボクスをまるで無視するかのような反応をされたこともありました。しかし、選手たちにはもともと大きなポテンシャルがありました。今日のようなビッグマッチを戦い、弱点を克服して素晴らしい戦いをしています。いいプレーをすれば、ファンの皆さんも喜んでくれます」と答えた。

スタッフ、ノンメンバーたちもこの勝利を喜んだ。

スタッフ、ノンメンバーたちもこの勝利を喜んだ。

決勝の相手は、かつては南アフリカ代表に指導したこともあるエディー・ジョーンズヘッドコーチ率いるイングランド代表だ。


「これまで色々なタイプの相手とテストマッチをしてきました。そして異なるスタイルをもっている相手にも対応してきました。イングランドとはトゥイッケナムでも戦っていますが、今のチーム状況はもっと良いでしょう。彼らは昨日のニュージランドとのゲームも素晴らしかったし。決勝戦がどうなるかは分かりません。決勝に進出しましたが、まだ道半ばです。心の底から優勝したい。イングランドは素晴らしいチームですが、我々にも勝利するチャンスはあります。」

「ベストを出し尽くすために、これからもサポートを」シア・コリシ南アフリカ代表キャプテン

シア・コリシキャプテンは「今日の試合は、テストマッチで本当に楽しみにしているいたことすべてだった。自分たちにはエネルギーがあり、ウェールズはそのエネルギーをラインアウトやスクラムなど様々な局面で受け止めた。自分たちが最も得意なことにこだわり、最後の数分間では、すべての選手を投入して、(相手との)大きな違いを生み出した。ウェールズが何をしたいのか正確にわかっていたし、実際、彼らはそうプレーしてきた。」と試合を振り返った。

実際スタンドの一角には南アフリカの国旗をもつ集団が試合終了後も大きな声援を送り、選手たちはその声援に答えていた。

実際スタンドの一角には南アフリカの国旗をもつ集団が試合終了後も大きな声援を送り、選手たちはその声援に答えていた。

また、この勝利の意味を聞かれると「すべてを意味します。私たちは皆異なるバックグラウンドを持っていますがその「異なるすべて」という意味です。南アフリカからたくさんの人が私たちがサポートに来てくれていることは、私たちにとって本当に大きな意味があります。私たちをサポートし続けてほしい。最善を尽くし続けることができる。」答えた。

「(決勝のPGは)余計な事を考えずに蹴った」

この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたのは南アフリカ代表・SOハンドレ・ポラードだった「本当にギチギチの試合だった。そうなるだろうとは思っていた。80分間戦えるようメンタルも準備をしていた。両チームともにとてもプレースタイルが似ていた。コンテンストの連続になるだろうと思っていました。出来る限り先手を取りたかった。結果的に我々が少し勝っていた。」と試合を振り返った。

決勝点となるPGについては「余計な事は考えないようにしましたが、当然プレッシャーはありました。だけどこういうシナリオも何度も何度も頭の中で想像して準備をしていました。」と話した。

決勝の相手はイングランド代表。「イングランドはすばらしい。フィジカルでも本当に成長しているし一つ新しいレベルに到達している。我々もそれに警戒し、準備をしていかなければならない。タフな試合になるでしょう。引き続きトレーニングをするが、決勝まできて何か変えることはできない。だから、しっかりリカバリーをして土曜日を迎え、隙のない、より厳しいチームにならないといけない」

「夢の決勝進出は叶わなかったけど、悔しさを受け止めて、次のオールブラックス戦にプライドをかけて戦う」ウォーレン・ガットランドヘッドコーチ

敗れたウェールズ、ウォーレン・ガットランドヘッドコーチは「タフなフィジカル戦でした。南アフリカは決勝に進むに値する素晴らしいチームでした。彼らは常に体を張って、素晴らしい守りでした。完敗です。本当に選手たちはよくやりました。79分まで粘っていました。何度かこちらのペースにも持ち込めました。初めて決勝に進出して対戦することが夢だったがそれは叶わなかった。今日の試合はアームレスリングのような良い戦いができた。南アフリカには決勝でぜひ勝って欲しい。」と振り返った。

ウォーレンヘッドコーチは12年間の代表監督を今大会で辞めることが決まっている。「次は(代表監督としての)最後の試合でビッグマッチです。決勝に進めない悔しさはありますが、誇りをもって数日はリカバリーして、オールブラックス戦を楽しみたい。今までオールブラックスには勝利したことがありません。大きなチャレンジです。私は次、ニュージーランドのチーフスでコーチをする予定です。楽しみですね。ライオンズでは12ヶ月前に戦いましたが、ウェールズとして今日負けたリベンジをしたい。」と前を向いた。

「赤いジャージを着て国を代表して戦えたことを誇りに思う」アラン・ウィンジョーンズキャプテン

チームを引っ張ってきたアラン・ウィンジョーンズキャプテンは「自分たちのパフォーマンスができたとおもいます。接戦に持ち込めました。2度(勝ち越されて)追いついたことを誇りに思う。ただ、16−16になったとき、ペナルティをしてしまった。もう一歩先へ進めればとおもいましたが、それは叶わなかった。それでも私はこの赤いジャージーを着て、スタジアムで多くのサポーターの前で代表として戦えたことを誇りに思う。」とコメントを残した。

「金曜日、いい終わり方をしたい」ウェールズ代表 ダン・ビガーキャプテン

試合終了後、ウェールズ代表はハーフウェイ付近で4方向に向かって深々と一礼した。

試合終了後、ウェールズ代表はハーフウェイ付近で4方向に向かって深々と一礼した。

チームの司令塔、SOダン・ビガーは「みんなで決勝に行こうと話していた。大きなチャンスがあったがトライラインを超えることができなかった。このチームはまだニュージーランドに勝ったことがない。かなりやられているので勝利を掴みたい。今日は残念だったが、最後はいい終わり方ができればいい」とコメント。

4年後のことを質問されると「ここ(ワールドカップの舞台)に戻ってくるかどうかわからない。でも、チームとして皆と長く一緒にいて、本当に固い絆がある。だからこそ今日勝利できなかったことは残念だ。まるでクラブチームのようだ。金曜日にいい終わり方をしたい。そして、シックスネーションズには戻ってきて、また次の4年にむけてチームを作りなおすだろう」と話してスタジアムを後にした。

 

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