セブンズジャパンが執念の逆転でコア昇格に王手をかけた。
ワールドセブンズシリーズ第7戦・キャセイパシフィック香港セブンズで行われているコアチーム昇格決定戦に出場している日本代表は、30日、ロシアと準決勝を戦い、前半0-14と劣勢に立たされながら粘り強く反撃。延長戦の末に19-14でサヨナラ勝ちした。決勝は香港時間16時36分(日本時間17時36分)から、来季のワールドシリーズ昇格をかけてイタリアと対戦する。
決勝進出をかけ、過去2年間勝ちなしのロシアに対し、日本は立ち上がりから堅さが目立った。3分に先制トライを許すと、5分には相手ゴール前まで独走した藤田がジョセファに繋ごうとしたリターンパスを相手にカットされ、逆にカウンターで90m独走トライを浴びる。
0-14と窮地に追い込まれた日本を救ったのは、きょうもレメキだった。
6分、ハーフウェー付近の混戦から抜け出すと、みごとなチェンジオブペースで相手ディフェンスを抜き去り独走で中央にトライ。坂井主将のゴールも決まり、7-14で折り返す。
「あのときにはロシアの足が止まっていたから、あとは規律さえ守ってディフェンスしていれば絶対に逆転できると信じていた」と瀬川HC。
後半も一進一退の攻防が続くが、5分、ラインアウトのこぼれ球を桑水流が持ち込みポスト右にトライ。坂井主将がコンバージョンを決め、同点でサドンデスの延長戦に入る。
そして延長2分35秒。レメキからパスを受けてロシアゴールに迫ったトゥキリが、相手タックルを受けながら右の橋野へオフロードパス。橋野はパスを受けると、そのままインゴールへ体を躍らせた。
日本は19-14で勝ち決勝進出。
瀬川HCは「選手は疲れからか堅さが目立ったけど、東京で(ウェールズと)サドンデスを経験したことがここで活きた」ときっぱり。
坂井主将は「ホッとしている。ピッチで戦ったメンバー、ベンチにいた選手ともに勝ちたいという気持ちが伝わってきた。以前なら延長にも持ち込めなかったかもしれないが、東京、香港(の2大会)を通じて選手がタフになり、焦らなかったことが勝因だと思う。ワンチャンスを活かしてトライを取りきったところが大きい」とコメントした。
大友信彦 1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。プロフィールページへ |