2017年3月4日、シンガポール国立競技場では、スーパーラグビー、ラウンド2・サンウルブズ対キングスの試合が行われた。先週の開幕節では勝利することが出来なかった両チームは今シーズンの初勝利をかけた大切な一戦。キングスは昨年サンウルブズの一つ上17位のチーム。さらに南アフリカ代表選手も少ない。さらにギリギリまで追い詰めただけに初勝利に大きな期待が寄せられた。
サンウルブズの先発スコットは、第1列から、三上、堀江、伊東。第2列が、モリ、ワイクス。第3列は金正奎とキャプテンのカーク。NO8にはブリッツ。ハーフ団は田中と初キャップのクリップス。WTBは前節に続き、福岡と中鶴。CTBにはカーペンターとラファエレ。FBは江見が入った。リザーブ陣では、日野、山本、そして浅原。中軸では谷田部と松橋。SHは内田。WTBではトゥポウと追加招集されたばかりのタウランギがメンバー入りを果たした。
気温28℃、湿度85%という厳しい環境の中、キングスのキックオフでゲームが始まった。サンウルブズはいきなり開始1分でPGで先行を許すと、14分には敵陣ゴール前まで攻め込んだものの、ラックからボールがこぼれ、そのボールを奪ったキングスのリターンをくらいトライを決められリードを許す展開。
高温多湿というシンガポールの気候から、両チームともにハンドリングエラーが目立つ。
21分、サンウルブズはようやくゴール前のブレイクダウンでプレッシャーをかけてPKを獲得すると、クイックリスタートからCTBラファエレがトライを決め7−10とする。
しかし34分、自陣ラインアウトからキングスWTBジェアーにゲインされ、最後は21ファンローイエンにトライ決められ7−17とリードされ後半を迎える。
後半チャンスを迎えたのはサンウルブズ。42分、相手ペナルティーから敵陣ゴール前のラインアウト。ボールをキープするもノックオン。その直後にもWTB中鶴の突破でゴール前に迫るもブレイクダウンでプレッシャーを受けボールをキープすることができずチャンスをものにすることができない。
一方キングスは54分と59分にPGで着実に点差を広げ、後半残り20分を迎える。63分、サンウルブズはボールに対する素早い集積からキングスのオフサイドを誘発しPKを獲得するとショットを選択。この試合がスーパーラグビー初キャップとなるSOクリップスがPGを決め13−23と差を縮めるが、直後の65分にキングスに22m付近のラインアウトからドライビングモールを押し込まれそのままトライを決められ、すぐさまリードを広げられてしまう。
追いつきたいサンウルブズは疲れの見えてきたキングスからゲインを連発し、敵陣深くまで攻め込むも、最後の最後でトライを取り切れない場面が続いた。
そうした中70分、WTB福岡が自陣で相手のパスをインターセプトすると、トップスピードに加速し相手ディフェンス陣を振り切りトライ。18−30とした。追い上げムードを加速扠せたかったが、78分、自陣深くでのミスからボールを奪われるとWTBジェアーにトライを決められ勝負あり。
試合終了間際の80分、途中出場のタウランギが相手ディフェンダーに絡まれながら背面パスを中鶴に通すと中鶴がタッチラインギリギリを走り抜けトライを決め意地を見せるもここまで。23−37でサンウルブズはキングスに敗れ0勝2敗となった。
次週は南アフリカへ移動し、ブルームフォンテインでチーターズと対戦する。
「今日の試合で失ったチャンスを一つ一つ得点に繋がる」フィロ・ティアティアヘッドコーチ
キングズはチャンスを確実に得点に結びつけたと思いますが、私たちは特にパスすべきところでの判断ミス等もあり、チャンスをうまく得点に結びつけられなかったと思います。
試合を重ねるごとに向上すると思いますが、プレッシャーのもとで、正しい判断が下せる様になる必要があります。これまで試合を想定した準備を行ってきました。しかし残念ながら勝てるだけの力がなかったと思います。
何度も得点できる機会はありましたが、活かしきれませんでした。今後タフなコンペティションの中で戦っていくためには、常にポジティブに、毎試合、毎トレーニングで学び、向上していきます。
次の南アフリカツアーに向けて準備をし、今日の試合で失ったようなチャンスを一つ一つ得点に繋げていく事ができれば、きっと勝てるチームになっていくと思います。今日の試合で、サンウルブズの一員としてスーパーラグビーデビューした5人の選手たちにとっても、素晴らしい経験だったと思います。今後スタッフを含めたチーム全員でチャレンジに挑み、成長し続けていきます。