こんにちは、翔太です。
日本は新型コロナウィルスの感染拡大で大変な騒ぎになってしまいましたね。僕のトークライブが延期になったのは残念ですが、そんなことは全然思い出せないくらい、毎日いろんなニュースが飛び込んでくる。みなさんの周りでも感染された人が出たり、学校やいろいろな施設の閉鎖などで不自由な思いをしてらっしゃる方々が多いかと思います。どうぞお気をつけください。
それと同時に、いろいろな社会活動が停止していく中で僕が感じたのは、何というか、人間の凄さというか、生きること、食べていくことに直結しない社会活動がどれほど多いか、どれほど多くの人が、そういう活動、音楽や演劇や映画や、スポーツも含めたエンターテインメントなどに価値を見いだしているかということです。人間の社会生活は、そういうエンターテインメントにすごく支えられているんだなと、いろんな活動が自粛に追い込まれることによって改めて感じられました。
それだけに、海外で活動しているサンウルブズには、日本に元気を運んでくれるパフォーマンスを期待して、テレビ観戦しました。サンウルブズには、桐蔭学園~早大を通じての後輩である小倉順平が先発、齋藤直人がリザーブに入り、早大でコーチと選手という関係で接してきた中野将伍もスーパーラグビー初先発、FL布巻峻介もリザーブに入り、個人的にもとても楽しみな試合だったのですが……。
残念ながら、厳しい試合になってしまいました。今年のサンウルブズは初戦でレベルズを破っていいスタートを切って、いい流れをつかんだように見えたのですが、今回はレベルの高い相手の力を見せつけられたな……と感じてしまいました。
序盤はいい流れを作ったが、10分くらいからディフェンスの弱みにつけ込まれた
試合を振り返ると、スタートはよかったと思います。最初のアタックは、右のラインアウトからSO小倉の内返しのノールックパスに、ブラインド側からWTBフィフィタが走り込んで突破しました。これは見事なアタックでしたね。このアタックで、フィフィタは当初はタッチライン際にポジショニングしていて、遠いところからスタートしていた。ディフェンス側にとっては、見えづらいところから走り込んできたように感じたのではないでしょうか。
サンウルブズは序盤、ディフェンスでも頑張りました。LOストーバークのトライで先制したあと、サンウルブズは相手キックオフを捕球ミスして自陣深くまで攻め込まれてしまいましたが、ここでは焦ることなく落ち着いてディフェンスして、1on1のディフェンスでもしっかりコンタクトしていた。この時間帯では、サンウルブズは決して負けていなかったと思います。
ただ、10分のところから、ハリケーンズは実力差を見せ始めたというか、サンウルブズのやりたいことを封じ込めて、逆に自分たちの強みを出すゲームメークが冴え渡ります。それは、サンウルブズの中の経験の浅い選手たち、大学生選手たちのディフェンスの弱みにつけ込んだアタックでした。
今回は、あえて、細かいところを指摘してみようと思います。Jスポーツの中継を録画していた方は(あるいはオンデマンドで見られる方は)映像を確認しながら読んでいただけると、僕が言おうとしている意味がよりわかりやすくなると思います(編集部注=スーパーラグビーで公開している動画を一部掲載。全部ではありませんが、後藤さんの指摘している箇所も映像に含まれています)。
まず9分59秒、ハーフウェーからサンウルブズのSHペイジが蹴ったハイパントを取ったハリケーンズがカウンターに出た場面で、サンウルブズのWTBフィフィタは相手WTBベン・ラムを止めに行って、ちょっと高いタックルであっさり抜かれてしまいます。フィフィタは37分56秒の場面でも、1対1であっさり抜かれてしまっている。実はフィフィタは、相手がボールをもらう瞬間にステップを切ると、なかなかついてこれないという弱みがあるんです。僕も早大コーチとして、大学選手権の準決勝で天理大と対戦するために分析しました。準決勝の前半、自陣からFB河瀬が1対1でフィフィタを抜いたのも、アウト側へのステップ一発で抜いたものでした。
もうひとり、ディフェンスで子供扱いされたのがCTB中野将伍です。