14日、リーグワン・東京サントリーサンゴリアスが「メディアデー」として選手のトレーニング取材ならびに選手の囲み取材に応じた。その中から、今シーズンよりコーチとして古巣にカンバックしてきた小野晃征氏のコメントをお届けする。
「エージェント業務するよりは現場に戻ってコーチングしたいという思いはあった」という小野だが、「(古巣ということで)やりやすいところと難しいところはあると思う。今回は(選手とは)違う立場で強いチームを作っていく。選手のときも日々成長するマインドでいたので、コーチとしても成長するという考えでやっています」と意気込みを話した。

小野晃征コーチ
田中澄憲監督からはどういう部分を求められているのかという問いには以下のように答えた。
「こういうことというよりは、今のコーチグループの中で、BKコーチとアタックのサポートというところでしっかりコミュニケーションを取りながら、他のコーチと一緒にに今のサンゴリアスの選手に合うラグビーを作っていくことにフォーカスしてほしいと、キヨさん(田中監督)からも言われています。なるべく他のコーチとセイムページ(同じ画)を見れるように選手たちのメニューとか、ゲームプランとかを考えながらやっています」(小野)

田中澄憲監督
今シーズンサンゴリアスが求めていくラグビーについて、小野は「昨年のラグビーのシステムを理解できていないけど、うちのアグレッシブアタッキングラグビーというDNAは変わらない」とした上で、どう取り組んでいるのか以下のように話した。
「新しいシステムに取り組む時は、自分がイメージしているものを落とし込んでから選手たちに話し合って、という大きな枠をしっかり落とし込んでから、あとは選手たちが自分のものと思って、選手たちに任せるという考えでいいと思います。」

「(キックチェイスなど)細かいところですけど、やっぱり勝敗はそういうところから決まると思っています。もちろんスキルでカバーできることと、エフォート(努力)という、別にタレントスキルがなくても、誰もができる当たり前のことをより高い精度で繰り返すというのもすごい大事だなと思うので、選手たちからは厳しいと言われるんですけど、そこをちょっとずつ変えていかないと。勝てない理由もそこだと思うんです。今が大事ですし、数カ月後の決勝でフィックスするんじゃなくて、今から癖をつけて変えていかないとだめかなと思います。」

サンゴリアスといえば常勝集団。常にハードをし続ける集団であるように思われるが、小野自身、選手時代を照らし合わしながらこう答えた。
「(自分が)選手のときもそうだったと思うんですけど、言われないと気づかない
人間ってやっぱり居心地の良い方を選びやすいと思うんですよね。なので、気づかせるのも声でするのか、レビューするのか、一番最悪なのは、決勝だったりノックアウトラウンドで選手たちがグラウンドで気づくことなので、今の時点で気づかせて、スタンダードを保てるようにコーチングしています」
コーチになってみて、「選手の時は何も考えていなかったが、いろんなコーチたちがいろんな準備をして意図があってコーチングしていたんだな」ということを感じたという。

エージェントとしてやってきたことは「(コーチとしても)いきている」という小野は明言する。
「今までこうやって好きなことをやるプレーヤーができて、1回そこから離れたことによって、これまでどれだけ恵まれた環境でやっていたのかということを感じます。やっぱりエージェントってプレーヤーだけじゃなくてコーチも見てたので、そのクライアントだけじゃなくて、その家族、子どもや親、いろんな人とも話しますし、企業の組織も違うし、やり方も違うし、いろんな目線で意見を聞けたのは今後のキャリアにいきてくるとおもっています」