ワイルドナイツに勝利して2年ぶりのファイナル進出を決めたクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。準決勝、何と言っても後半セットプレー、スクラムでペナルティを獲得してチームに勢いをもたらした。PR為房慶次朗は後半16分から、HO江良颯は後半31分からピッチに入った。後半38分、ハーフウェイ付近でスクラムペナルティーを獲得したスピアーズは、再びスクラムを選択。しっかり時間を使って、試合を仕上げた。試合後、2人に話を聞いた。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ HO江良颯
――後半途中で投入された時は
自分のやるべきことをしっかりやろうということと、HOマルコム(・マークス)の後だったので、パナソニックを圧倒、ドミネートしないといけないと思っていたので、そのイメージで入った。また守り切る、戦うという思いもあった。
――交替直前にスペースに蹴ったHOマークスのプレーを見ていて
判断やったり、そこのコリジョンやったりと、マルコムからすると常に当たり前でいつも通りのプレーだった。

江良颯にオペティ・ヘルが伝言
――最後、2つのペナルティーを取ったスクラムについて
クボタのスクラムを組もうと思っていて、マルコム以上のものを出さないといけないと思っていた。ああいった形で組めたことは嬉しく思いますが、本当に僕だけのものではなく8人一体で組めた。パナソニック相手に変えたことはなくて、1年間やってきたプロセスを信じて、クボタのスクラムを出し切ろう、それを(HOとして)まとめようと思っただけです。
――反則の後、もう一度、スクラムを選択しました。
みんな圧倒しているとわかっていた。ナード(SOフォーリー)がスクラム選択したが、逆に組もう!となりました。

江良颯
――大一番で勝てました
こういうところでスクラムという強みを発揮できたのは嬉しく思いますが、ラインアウトは少し低くなってしまった。そこはプレッシャーに負けてしまった。フラン(・ルディケHC)から「プレッシャーとは常に友だちとあり続けろ」という話をしていて、プレッシャーを感じながら練習、決勝に挑みたい。それを試合前に言われて、自分の中でしっくりきた。
スクラムは良いスクラムを組めたが、ラインアウトのところで自信を持って、もっとできたらなと思う。低く投げてしまったのはプレッシャーで負けてしまったと思うので、決勝では楽しんで、自分のプレッシャーに勝ちたい。
――スクラムはセットアップから圧倒できた
マルコムと前半が終わったら話したし、PRオペティ(・ヘルが)がベンチに帰って来て、フロントロー全員で、(スクラムは)こういう間合いがいいよというコミュニケーションを取っていた。いいコミュニケーションを取ったから良いスクラムが組めた。常にコミュニケーションを取って誰が出ても良いスクラムを組めるのが(クボタの)強みだと思います。
――リーグ戦で競った試合をしたことがつながった?
そこに対してこだわったことはなく、瞬間、瞬間に勝ち抜くことが今週のフォーカスポイントだったので、一つ一つのプレーをやり切れた。変わったことはしてないし、今までの蓄積がしっかり実ったというか、結果につながった。
パナソニックさんが強いので、(リーグ戦で)競った試合を経験したからこそ、プレゼントというか僕たちが足りないことを教えてもらったこともあって、次に活かそうとリーグ戦もやってきた。
――決勝のブレイブルーパス戦に向けて
フィジカルバトルになると思いますし、そこで圧倒することと、セットプレーでドミネートしていきたい。スクラムは僕たちの強みだと思うので圧倒していきたい。
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ PR為房慶次朗

為房慶次朗
――後半途中から投入されました
前半からリードしていて、ポジショニングを崩さない意識してやった。(スクラムは)前回やっていたので良いイメージだった。相手のHOの佐藤健次を崩そうと話しながらやった。
(最後の2つのスクラムは)その前にノックフォワードしていたので、それを取り返そうと思っていたし、僕たちがスクラムで勝ったらチームの士気が上がると思っていたので、ペナルティーを取ろうと臨んでいた。
――良いスクラムを組めた要因は
シーズンを通して(HO江良)颯と組んでいたし、前に戦ったときに相手のどこが弱点かというのをやっていて、そこを突き詰めてやった。ヒットでも勝っていたし、姿勢のところでもセットのはやさでも圧倒できた。

――ディフェンスが良かった
前に出てというイメージだし、ディフェンスで崩れたら勝てないと出足のところを意識した。この1年間、やってきたことが出せた
――この1年を通して
シーズンを通して、チームとしてできあがっていった。結束力、プレーの質もよくなってきた。18試合もやったことがなかったので、体しんどいこともあったが、チームができあがっていくのが面白かった。終盤に入ってきたら、ディフェンスのところであまりトライを取られることなく勝ったので、ディフェンスの成長を感じた。
――ストーミー(マクラウドコーチ)のディフェンス指導は?
悪いところはしっかり悪いと言ってくれるし、システムと技術のところを選手にわかりやすく言ってくれる。
(前回のワイルドナイツ戦を踏まえて)相手のSO山沢選手がどんどん走ってくるので、その辺の選手を自由に走らせないようにと言われていた。(山沢選手を走らせると)どんどんボール動かしてくるし、トライを取ってくるので絶対に止めようとした。

――決勝に向けて
東芝さんは前回やって負けているので2回負けたくないので、絶対に勝ちたい。僕まだ日本一になったことがないので、チームとして日本一になれるように頑張りたい。