100周年の早慶戦は早稲田が逆転勝利!慶應・前半のリード守りきれず | ラグビージャパン365

100周年の早慶戦は早稲田が逆転勝利!慶應・前半のリード守りきれず

2022/11/24

文●編集部


11月23日、秩父宮ラグビー場では関東大学ラグビー対抗戦、早稲田大学(4勝1敗)と慶應義塾大学(4勝1敗)による伝統の「早慶戦」が行われた。1922年に行われた1回戦から100周年という記念の一戦を、強い雨と風が吹く中、10,812人と多くの観客が見守った。

慶應・CTB永山淳

慶應・CTB永山淳

前半ペースを掴んだのは慶應。前半15分SO中楠一期(4年)のPGで3-0とリードすると、31分には敵陣22m内側で中楠が突破、PR松岡勇樹(4年)につながりトライ。ゴールも決まって10-0とリードして前半を終えた。

前半15分、慶大SO中楠一期が先制PG

前半15分、慶大SO中楠一期が先制PG

慶應・WTB今野椋平

慶應・WTB今野椋平

前半24分・慶大SO中楠からPR松岡へパス

前半24分・慶大SO中楠からPR松岡へパス

松岡が早大FB小泉のタックルを受けながらトライ

松岡が早大FB小泉のタックルを受けながらトライ

喜ぶ慶大フィフティーン

喜ぶ慶大フィフティーン

後半の入り、慶應は不用意なペナルティとミスで流れを早稲田に渡してしまう。早稲田はこの好機を見逃さず、前半よりもアグレッシブに自ら仕掛け敵陣での時間帯を増やした。すると、相手ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、9分、14分と立て続けにHO佐藤健次(2年)がトライを決め逆転。

早稲田・SH宮尾昌典

早稲田・SH宮尾昌典

後半8分・早大がラインアウトモールを押し込みHO佐藤健次がトライ

後半8分・早大がラインアウトモールを押し込みHO佐藤健次がトライ

CTB吉村紘がコンバージョン成功

CTB吉村紘がコンバージョン成功

 

後半14分、佐藤健次が連続トライ

後半14分、佐藤健次が連続トライ



慶應は後半8分にFWの要であるLOアイザイア・マスプアがシンビンで一時的退場となり、その間に逆転を許してしまった。

後半、ほとんどの時間、慶應陣内でゲームが繰り広げられた。早稲田は何度もゴール前に攻め込むがセットプレー、フィールドプレーでのミスがあり完全に仕留めきれない。それでも後半43分、NO8村田陣悟のトライで勝負を決めたが今後の選手権に向けて、精度の面では課題が残った。

慶大のタックルを浴びながら前進する早大No8村田陣悟

慶大のタックルを浴びながら前進する早大No8村田陣悟

早大FB小泉怜史

早大FB小泉怜史

後半30分・早大FL相良主将は右足を痛め退場

後半30分・早大FL相良主将は右足を痛め退場

後半ロスタイムの42分、早大ベンチからSH小西泰聖が投入される.j

後半ロスタイムの42分、早大ベンチからSH小西泰聖が投入される.j

スクラムからNo8村田が右を「8単」で突きそのままトライ

スクラムからNo8村田が右を「8単」で突きそのままトライ

慶應はラストプレーでWTB佐々木隼の突破からようやく敵陣に入り、SO中楠がPGを決め6点差としボーナスポイント1を獲得したものの、前半の優勢を後半、自分たちのミスやペナルティーから自滅してしまうかたちとなり、80分間、一貫性をもったプレーが求められる。

早稲田は5勝1敗、勝ち点23として最終戦の明治大学(5勝1敗、勝ち点24)と2位をかけた戦いに挑む。2位で進出するとシードBとして選手権出場ができるため、12月25日までインターバルがあるが、3位で進出するとシード権がなく初戦は12月11日、さらに25日に再び2位チームとの対戦となるため、伝統の「早明戦」に勝利し、日本一に向けて大きく前進するために一戦必勝の状況だ。

最終スコアは慶大13、早大19だった

最終スコアは慶大13、早大19だった



敗れた慶應義塾大学は4勝2敗勝ち点20。すでに4位として選手権に出場することは確定した。次戦はここまで全勝で1位を確定させている帝京大学。今日の試合で出た課題をこの2週間でどこまで修正できるかが、選手権で勝ち進むために必要な条件となってくることは間違いない。

早稲田大学 大田尾竜彦監督

早稲田・記者会見

早稲田・記者会見



早慶戦は厳しい試合になると思ってましたし、実際その通りになって。ただ前半からボールを持っていたという感覚とここを変えればというところがいくつかあったので。前半0点で折り返したんですけど、後半、巻き返してくれるんじゃないかなというふうに思っていました。選手たちは集中していたので、そこは思っていましたが、逆転してくれて本当に良かった。


――後半にむけてどのような指示を


大田尾監督 ブレイクダウンのところと、仕掛けられたキックゲームに対して、マインドとしてもう少しアグレッシブでもいいんじゃないかと思っていたので、そこら辺を。こういうキックを蹴ればうまくかとか。風も結構吹いていたらしくて前半は我慢する展開で、後半はキックの種類とあとはペナルティーのボールの扱い方については、マインドとして、もう少しアグレッシブにいけば、自分たちのペールが出でくるかなと思っていましたのでその2つを指示しました。


早稲田大学 CTB吉村紘

吉村はランでも前に出た

吉村はランでも前に出た



前半はすごく慶應さんのハイパントとロングキックにすごく苦しめられた。自陣でのプレーも多く、プレッシャーも感じてミスが増えていたのも事実。ハーフタイムに大田尾さんから声かけてもらって、ブレイクダウンエリアのところでチームとして一つの方向を向けた。もう1回チャレンジャーとして戦う気持ちというところ、こっちから仕掛けていこうと言われ、そこを後半体現できて相手にプレッシャーをかけることができたんじゃないかと思います。


――後半ボールを動かしてボールをいいところに運べていた


吉村 前半、慶應の中楠くんと山田くんのキックスキルが高いのはもちろんありますが、風というところでもすごいプレッシャーを受けていました。後半は先程大田尾さんが言われたように、キックの種類については、相手がすごく引いていて前を向いてキャッチできるような位置にいれば、その間のスペースにハイパントを落とすとか、(相手のキックが)浅いボールだったら、アグレッシブに仕掛けていこうとか、BK同士でも話をしていたので、そこをうまくプレーすることができて、前半とは違って敵陣にいる時間が長くなったんじゃないかなと思います。



慶大FB山田響のキックにチャージをかける早大CTB吉村

慶大FB山田響のキックにチャージをかける早大CTB吉村



――佐藤くんの声出しなど、4年生からみてどう感じるか


吉村 帝京戦以降、下級生が佐藤を中心にそういった選手が出てきてくれることは4年生のリーダーとしてもチームとしてもありがたいことだと思っています。チーム全体として、帝京戦以降、コネクションというところをキーワードとして、プレー中のコール、つながり、しっかり目を見て話す、チームとしてのまとまりを意識してこの慶應戦に臨んできているので、前半0-10でも崩れないチームになってきているのはすごくいいことだと思っています。

早稲田大学 HO佐藤健次

喜ぶ佐藤

喜ぶ佐藤



今日の試合は前半、慶應大学さんの激しいブレイクダウンに苦しめられて、自分たちがアタックしていきたいところで何本もターンオーバーされてしまいました。後半そこを修正できた修正力は今後もつながっていくと思いますし、去年は後半、慶應さんにモールで巻き返されるというところだったんですけど、今日は後半、自分たちがいいモールを組めてトライまでもっていくことができたので良かった。


――帝京戦を振り返ってどうこの試合に臨んたか


佐藤  帝京大戦は、良くない負け方をしてしまって、僕の中で帝京戦が終わってからの数週間は個人として一番、練習中の雰囲気づくりにこだわろうと決めていました。練習中に一番声を出しましたし、ただ一人が喋るんじゃなくて、全員を巻き込みながら雰囲気を作っていくということにフォーカスしました。それは、今日のアップでも僕自身はすごい出来たと思っていて、試合中も声がけは意識しましたし、スキル的なものというよりかは、チームの柱になるように、声でチームをまとめるじゃないですけど、チーム全体のレベルアップにつながるように意識していました。


――どうしてそこを一番にフォーカスしようとしたのか


佐藤 何が今一番チームに足りないかというところで、(吉村)紘さんだったり、(相良)昌彦さん、岡崎颯馬とか喋れる人は喋るというチームで、その3人がうまくいったら、(勢いに)乗るのは上手いチームなんですけど、しんどくなった時に全員がシュンとなってしまうところがあったので、練習中から僕だけじゃなくて全員を巻き込んで全員で自分たちのやりやすい雰囲気を作った方が「荒ぶる」を歌うチームに近づけると思ったのでそこを意識しました。


――ブレイクダウンについてどこが改善できていると感じるか


佐藤 ブレイクダウンの寄るスピードだったり、一つ一つの接点の強さというのは多分改善しましたし、前半は相手の方が楽に寄ってジャッカルされてしまったんですけど、後半は僕たちも早く寄ると慶應さんは(プレッシャーを)かけてこないで、自分たちのやりたいラグビーができたので、集散の速さだったり、ジャッカル入られたときのインパクトのところがハマったかなと思います。


――HOに転向してプレーの幅が広がったり、手応えに感じていること


佐藤  まず体重を増やしても走力的にも体のキレ的にも、あまり1年生の頃と変わらずできているということが他のHOと差別化できているといいますか。走れるHOになりたいとおもっています。モールからのフィールドプレーだったり、今までNO8だったら関わることもできないプレーがHOになってから多いので、そういうところを楽しんでいます。ですけどスクラムワークのところだったり、ラインアウトのところだったり、スキルの向上は、これから上にいくにつれてさらに必要になってくると思うので、今日の結果は一回忘れて、もう1回自分の反省点をしっかり修正していきたい。


――さきほどメンタル面の話がありましたが、スキルの面でHOとしてどんなことに取り組んでいますか


佐藤 HOとしてというか、フィールドワークのところで、帝京戦の前に、大田尾さんと2人で話す時間がありました。その中でここが強みだからここを伸ばして逆にこういうことをやったほうがもっとスキルが向上できるというのをもらっていました。そこをこの慶應戦まで意識したというか、準備をすごくやってきました。


――どんなことをやった?


佐藤 アタックのところだったら、ショートステップというか細かなフットワークのところだったり、ディフェンスだったら、僕の今年のテーマでもあるんですけれども、アタック、ディフェンスともに「立っている時間を長くする」むやみに寝たりする時間を少なくするという、ヒントをもらって、僕の中ですごくディフェンスがやりやすくなったところもありますし、アタックでも少し余裕ができてアタックできているのかなと思います。


慶應義塾大学 栗原徹監督

慶應・栗原徹監督

慶應・栗原徹監督




100周年の早慶戦、コロナが落ち着いていない中で無事に出来たこと、多くの方々にご尽力いただき開催出来ましたことをこの場を借りてお礼申し上げます。早稲田大学、慶應義塾大学、両チーム共にコロナを出さずに厳しい行動制限の中、この日を迎えられたこと本当に素晴らしいことだと思っています。

試合の結果は残念な結果になりましたけれども、学生たちのひたむきな姿、そして最後、勝ち点1でもしっかり取りにいきたいという思いも含めて、シーズンはまだ続きますので、この勝ち点1を大きな意味にできるようにやっていきたい。


――次の帝京戦


栗原監督 他校との対戦を見ましても、どこをとっても一級品のチームですので、私はもうチャレンジしていくしかないと思っています。どこでチャレンジしていくかはこれから考えます。どこをとっても慶應を上回っていると思いますので、一点に集中していくしかないと思っていますので、それをチームでしっかり準備していきたい。


慶應義塾大学 今野勇久主将

慶應・今野勇久主将

慶應・今野勇久主将




僕たちとしてはいい試合とかじゃなくて、この100周年、僕たちの代の早慶戦を勝ちきりたかったというか、結果にこだわりたかったというのが正直なところです。今は内容というか、本当に悔しいという思いが選考しています。

先程(栗原)徹(監督)さんもおっしゃったように、シーズンが終わったわけではないのでしっかり顔を上げて4年生からもう1回帝京に向かっていこうと思います。

慶大FL今野勇久主将

慶大FL今野勇久主将




――前半いい流れでした、後半いろいろ要因があると思いますが、一番何が原因となったか


今野 ファーストタックルが少しずつ甘くなってきて、その中で焦ってディシプリンが守れずペナルティを犯してしまった。それが、相手に流れをもっていかれた要因かなと思います。何回かこっちの流れになりそうな時もあったんですけど、その時に自分たちのミスで流れを持って来れなかったというのが大きいかなと思っています。



――最後ノータイムの場面でショットを狙ったのは?


今野 この試合でシーズンが終わるというわけではなくて、その次の試合もある中で、感情的に普通、勝負してトライで終わりたいという気持ちもあったんですけど、正面で確実にポイントが取れる場所でしたし、しっかりポイントを重ねて次の帝京さんに勝っていくことで次の大学選手権につながっていくと考えてショットを選択しました。チームの中でもまとまった考えだと思います。

慶應・LOアイザイア・マスプア

慶應・LOアイザイア・マスプア




――後半途中14人になったときどこを意識したか


今野 やることはシンプルで、マスプアがいない分、残りの14人が走ったり、体を当て続けることを愚直にやり続けるということをチームとして共有しました。結果的にそこがとても大きな穴にはならずに、少し点を重ねられた部分もあったかと思いますが、最小限に抑えたかなというのはあります。それはチームとして共通認識はもてたと思います。


――次の帝京戦


今野 もちろん帝京大学さんは非常に良いチームというのもあるんですけれども、相手は別に年上でもないですし、プロチームでもないので、相手を大きく見すぎないというか、確実に自分たちは手応えがあるので、いろんなところに自分たちが立ち入る隙はあると思います。


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