26日、長野放送開局50週年記念、早稲田大学と慶應義塾大学の試合が長野Uスタジアムで行われた。前半3本のトライを決めた早稲田がリードする展開。後半に入ると司令塔SO岸岡智樹のトライ。さらにCTB長田智希、FB河瀬諒介の2年生BKが連続トライで勝負を決めた。前半からセットプレー、スクラムで優位に立つ慶應義塾はそこからチャンスをつくるも得点につなげることができない。それでも後半2つのトライを返し追い上げを見せた。

会場となった長野Uスタジアムは収容15,491人。風通しも良く、良いコンディションで試合は行われた

花道を作って選手を迎えたのは長野市少年少女ラグビースクールの子供たち。先輩の松橋周平(リコー、日本代表候補)、中平あみ(国学院栃木、女子セブンズアカデミー)らに続け!

試合前には両校の校歌とエール交換。スタンドでは両校OBたちが誇らしく高吟していた

早稲田大学 相良南海夫監督

試合は最初から両校ともに近場で体をぶつけに行った
今日の試合はディフェンスにフォーカスしました。近場で2つ取られましたが、テーマに対して80分やりきるという姿勢は見られたので良かった。

早大は齋藤直人主将にかわり河村謙尚(常翔学園、2年)がSHで先発。落ち着いたプレーをみせた
--早慶戦ということを意識していましたか?
そうですね。意識せざるを得ない試合ですね。今日は勝負に勝つことはもちろんですが、今日自分たちが(試合で)やろうとしていることに向き合って、チャレンジしてくれたのが一番良かった。
--スクラムについては?
シーズン当初から課題だと思っていました。ただ、こういう試合を経験して、反省して積み重ねていきたい。よくないことは確かなのでがんばっていきたい。
--花園で活躍した1年生もいます。彼らの起用もある?
昨日1年生同士の早慶戦がありました。上でも使ってみたいなという選手は何人かいました。来週くらいにチャンスがあるかもしれません。

突破を図る慶大SO鎌形正汰(慶應、3年)

早大のキッカーを務めたSO岸岡智樹(東海大仰星、4年)はコンバージョンを狙う前にしばし深呼吸。「FWの消耗を考えて、ゴールキックにはなるべく時間を使うようにしました」

最上級生となった早大のエースCTB中野将伍(東筑、4年)は相変わらずパワフルな突進をみせた
--今日はFWの後ろに12番(中野選手)を入れたりしていました。今年のアタックはそういうところを中心に考えていますか?
そうですね。去年も「全員オプション」ということを意識していましたが今年も変わらず。リンクの仕方を変えたりはしますが。FWも第1局面でどれだけ「半ズレ」を起こせるかなど、細かい部分ですが今年は練習してきていますので、どれだけ試合で出せるかですね。

トライこそなかった早大WTB梅津友喜(黒沢尻北、4年)だが大外からのコールやキックチェイスなどで攻撃リズムに貢献

前半は早大が19-0とリードして折り返した
早稲田大学・FL幸重天ゲームキャプテン
選手としてもディフェンスについてこだわって今週一週間準備をしてきました。自分たちのペナルティーでゴール前まで持ってこられたときに2本取られてしまったのは、今日は勝てましたが、秋の対抗戦だったり、ロースコアになった場合、それが致命傷になってしまうのでまだまだつきつめていかなければならない。

早大のコーチ席。右から佐藤FWコーチ、相良監督、武藤ヘッドコーチ
--具体的にどの部分で注力していた?
ディフェンスとしては、中盤での相手のシェイプに対してとにかく前に出て厚くプレッシャーをかけること。近場のピック(アンドゴー)だったり、アタックに対してフォーカスしていました。
--春の早慶戦に勝利しました
素直に嬉しい。昨年(選手権で)勝利しましたが、とても手強い相手。伝統もある試合で春に勝てたのはとても自信になりました。

慶大はスクラムで優位に立ち早大にプレッシャーをかけた
--スクラムについて
相良監督 シーズン当初から課題だと思っていました。ただ、こういう試合を経験して、反省して積み重ねていきたい。よくないことは確かなのでがんばっていきたい。
幸ゲームキャプテン(ポジションの)コンバートがあったり、選手の入替えがあったり、チーム内でも試合になるとたとえ一本でも相手の組み方がかわってくる。コミュニケーションはとっていましたが、修正するための引き出しが少なかったりそこは課題かなと思います。それは、これから秋にむけて強化していきたい。

早大⑬長田のタックルを外して前進を図る慶大WTB宮本恭佑(慶應。3年)

早大⑦幸重天(大分舞鶴、4年)のタックルが慶大SO鎌形の突破を阻む


後半3分、早大は岸岡-梅津と外に展開し、梅津から岸岡へリターンパス

岸岡2本目のトライ

後半11分、早大⑬長田が巧みなステップで狭いスペースを切り裂き鮮やかなトライ

後半、慶大はスクラムの優勢から勢いを取り戻す。LO相部開哉(慶應、3年)がパワフルに突進
慶應義塾大学・栗原徹監督
今日の試合でフォーカスしていた点は、ある程度できた部分があったので、もちろん結果は残念ですけれども、しっかりとファイトする部分はしてくれたかなと思います。

後半28分、慶大⑥川合秀和(久我山、4年)がトライを返す
--強みという部分では具体的にどの部分が出来ていた?
接点でしっかりと踏み込んで下がらない。帝京戦で課題がでて、そこを修正してきました。セットの部分はしっかりと踏み込んで押し込めたかなと思います。
--課題は?
アタックをもっと整備しなければならないことと、ディフェンスの外側ですね。早稲田にはいいランナーがたくさんいるのでそこはやられすぎてしまったかなと。

花園でトライを量産した慶大のWTB佐々木隼(桐蔭学園、1年)は後半30分にピッチへ。昨季まで兄が在籍した早大相手に奮闘したがプレータイムが短くトライはあげられず

早大タックラーをステップでかわし突破を図る慶大FB高木一成(慶應、4年)
慶應義塾大学・川合秀和ゲームキャプテン
自分たちの強みであるスクラムだったり、FWで戦えた部分はポジティブにとらえていきたい。早稲田は外に(ボールを)振ってくるチーム。それに対して自分たちはまだ内寄りになってしまいました。課題は明確なので次につなげていきたい。

慶大は終盤、スクラムを完全に制圧したが、得点には繋げられなかった
スクラムはチームとして組んでいこうということにフォーカスしているのでそこは組めていたのが良かったですが、もっともっとトライを取りたかった。そこは自分たちの課題だと思っています。細かな部分を含め、秋までにしっかりと修正していきたい。

ルーキーFL今野勇久(桐蔭学園、1年)は後半24分から登場。「トータルなゲーム理解力が高い」と栗原HCも高く評価


早大のピッチレベルには新任の後藤翔太、権丈太郎両コーチ。ともにTLでもキャプテン歴を持つ経験豊富な若手コーチだ

慶大の栗原HCと川合ゲームキャプテン

早大の相良監督と幸重ゲームキャプテン
![]() (おおとものぶひこ) 1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。 プロフィールページへ |