100回目の早慶戦は早稲田が地力の差を見せて快勝 | ラグビージャパン365

100回目の早慶戦は早稲田が地力の差を見せて快勝

2023/11/24

文●編集部


23日、関東大学対抗戦A・早稲田大学と慶應義塾大学の「早慶戦」が行われた。今回100回目のメモリアルということで、会場を秩父宮から国立競技場に移して開催され、27,000人を超える大観衆が訪れた。

岡・伊藤両主将を先頭に選手たちが入場

岡・伊藤両主将を先頭に選手たちが入場



塾歌斉唱・慶應義塾

塾歌斉唱・慶應義塾


校歌斉唱・伊藤大祐主将(右)

校歌斉唱・伊藤大祐主将(右)



先制したのは早稲田。敵陣10m付近からFB伊藤大祐、WTB矢崎由高、LO池本大喜とオフロードパスがつながりゲイン。池本がパスダミーで22mに切れ込みSH島本陽太につなぎトライ。慶應ディフェンスを完全に崩す見事なトライで先制。

LO池本大喜

LO池本大喜



早稲田SH島本陽太の先制トライ

早稲田SH島本陽太の先制トライ





さらに8分、キック合戦から早稲田・伊藤が自陣22m付近から仕掛ける。相手の薄いエリアまでボールを運びCTB野中健吾へつなぐ。野中から大外で待っていたWTB矢崎につなぎ一気に敵陣へ。

伊藤大祐の仕掛けから

伊藤大祐の仕掛けから


矢崎由高が大きくゲイン

矢崎由高が大きくゲイン


矢崎が内に返し

矢崎が内に返し


野中健吾に繋がる

野中健吾に繋がる



矢崎が無理せず、内に返して敵陣22に入ると慶應がペナルティ。アドバンテージが出せた状態でSH島本が素早く展開。SO久富連太郎がキックパスを試みるも少し長くペナルティーから再開。早稲田はタッチに蹴り出しゴール前のラインアウトからモールを押し込みFL安恒直人がトライを決め14-0とした。

前半10分FL安恒直人がトライ

前半10分FL安恒直人がトライ





早稲田のペースは続き、19分、敵陣22m付近のマイボールスクラムからFB伊藤が慶應のラッシュディフェンスを交わしトライ。21-0とリードを広げた。

前半20分久冨連太郎から

前半20分久冨連太郎から


伊藤大祐が山田響を交わしインゴールへ

伊藤大祐が山田響を交わしインゴールへ


伊藤が左隅にトライを決めた

伊藤が左隅にトライを決めた



追いかける慶應は、直後の22分、SO山田響の個人技でトライを返す。敵陣22m手前から山田が自らグラバーキックしたボールをキャッチしそのままインゴールでグラウディング。このトライで慶應がもう一度流れを引き戻す。

前半22分SO山田が相手のディフェンスの隙間をみつけてグラバーキック

前半22分SO山田が相手のディフェンスの隙間をみつけてグラバーキック


自ら蹴ったボールを捕球する山田

自ら蹴ったボールを捕球する山田


そのままインゴールへ入りトライ

そのままインゴールへ入りトライ




33分には、敵陣ゴールライン付近でFWがフェイズを重ね、19フェイズ目、HO中山大暉がねじ込み21-14と7点差に迫った。

前半33分、慶應はHO中山のトライ

前半終了間際、慶應はHO中山のトライ

前半終了間際、慶應はHO中山のトライ

、慶應はHO中山のトライ



早稲田は前半終了間際、敵陣ゴール前のラインアウトからモールを押し込みHO佐藤健次がトライを決める。難しい角度のコンバージョンを野中がしっかり決めて28-14とリードして前半を折り返した。

早稲田は前半終了間際、敵陣ゴール前のラインアウトからモールを押し込みHO佐藤健次がトライを決める。難しい角度のコンバージョンを野中がしっかり決めて28-14とリードして前半を折り返した。

早稲田は前半終了間際、敵陣ゴール前のラインアウトからモールを押し込みHO佐藤健次がトライを決める。難しい角度のコンバージョンを野中がしっかり決めて28-14とリードして前半を折り返した。




早稲田は前半終了間際、敵陣ゴール前のラインアウトからモールを押し込みHO佐藤健次がトライを決める。難しい角度のコンバージョンを野中がしっかり決めて28-14とリードして前半を折り返した。


大事な後半の入り、FB伊藤がフェアキャッチからクイックで仕掛ける。HO佐藤が自陣10m手前からビッグゲイン。22m手前で猛スピードで追走してきた矢崎にパス。矢崎がそのままトライを決め35-14と流れを掴んだ。

後半3分佐藤健次がビッグゲイン

後半3分佐藤健次がビッグゲイン



左サイドには猛追してきた矢崎がコール

左サイドには猛追してきた矢崎がコール


佐藤からのパスを受けた矢崎が左隅にトライ

佐藤からのパスを受けた矢崎が左隅にトライ


桐蔭学園の先輩・後輩.

桐蔭学園の先輩・後輩.




52分には、敵陣22m手前で野中がPGを決め38‐14と引き離すと慶應はFL富田颯樹がトライを返すも早稲田は後半インジャリータイムに矢崎とともに1年生で先発出場しているNO8松沼寛治が矢崎からのオフロードパスをうけ仕上げのトライを決めノーサイド。43-19で早稲田が大勝した。早稲田は対抗戦最終戦の早明戦を迎える。敗れた慶應義塾大学は、王者帝京大学に挑む。

後半11分、野中のPGが決まり38-14

後半11分、野中のPGが決まり38-14


後半はヘッドギアを外していた矢崎由高

後半はヘッドギアを外していた矢崎由高


慶應の後半は14分の富田颯樹の1トライに終わった

慶應の後半は14分の富田颯樹の1トライに終わった


後半ロスタイムに矢崎から松沼へオフロードパス

後半ロスタイムに矢崎から松沼へオフロードパス


松沼がダメ押しのトライ.

松沼がダメ押しのトライ.



勝利した早稲田大学・大田尾竜彦監督は「先輩たちが築き上げてこられた両校の歴史ですので、100回目で勝利することができて非常に良かった。試合の展開は厳しかったが、選手たちが頑張ってくれた」と勝利した選手たちのパフォーマンスを評した。

早稲田・大田尾竜彦監督

早稲田・大田尾竜彦監督



伊藤大祐主将は「ブレイクダウン、コンタクトで勝負しにいこうと試合に臨んだ。そこに対しては良かった。ちょっとしたミス、隙をつかれたところがあった。前節の帝京でもやられた部分があった、自分が率先して一つひとつのプレーを精度高くやっていきたい」と試合を振り返った。


以下、試合後会見では以下のような質疑応答があった。


――早慶戦、100回目について


大田尾監督 歴史があり、振り返ると先輩たちが気づいてきた財産だと思うし、伊藤主将がリーダーの時に100回目ということで、OBの方が早稲田らしいよね、というのがいくつ出せるのかと送り出した。責任が非常にある試合ですし、それを乗り越えたら個人としてもチームとしても大きく成長できる試合かなと思っています。


伊藤主将 100回目ということで重圧というか普段の試合と違うと感じないようにしていたが、感じてしまうもので、その意味を噛みしめることに価値があると感じられました。その中でできたことを今後に活かして、次は明治戦なので、プレッシャーの中でもできたこととか次に備えたい。




――今後どう取り組んでいきたいか


大田尾監督 対抗戦、残り1試合ですが、次の試合もいつも通り準備するだけです。自分たちが持っているものを洗練させていく、研ぎ澄ます作業かなと思っています。新しいことを加えてなにかするのではなく、1年間やってきたものに対して自信をもって、ディテールを詰めてそこを武器にしていきたい。


伊藤主将 僕はこの1週間、自分自身の取り組みに対して少し甘いところがあったので、100%やったつもりの部分が多かったので、明治戦に向けた準備では自分が率先して、(試合に)懸ける思いを作っていきたい。


伊藤大祐

伊藤大祐



――春シーズン「伊藤主将が化けないといけない」と言っていたがここまではどうか?


大田尾監督 非常に普段の練習の中で大事にしているもののメッセージ性が強くなっているし、ゲームに与える影響力も日に日に増している。春からというか、去年の決勝から大きく成長してくれている。

最後残りのところで、どういう振る舞いをするか、自分に隙がなく、常にグラウンドの上にたって、仲間を鼓舞することができたら非常にいいと思う。


敗れた慶應義塾大学・青貫浩之監督は「1年間、シーズンがはじまってからこの試合に勝つためだけに取り組みをしてきたが、結果を出すことができずに私自身監督として実力不足だと思っております」と話した。

岡主将と青貫監督

岡主将と青貫監督



岡広将主将は「この1年、目標にしてきた11月23日に勝ちきれなかったことにすごく悔しい思いをしています。個人のパフォーマンス、チームとしてもまだ準備し足りないという部分があったという印象です。早稲田大学さんのアタック、ディフェンスに完敗だったなと思います」と悔しさをにじませた。

岡広将主将

岡広将主将


慶應としては、大学選手権の出場を決めているがそこに向けた修正点として青貫監督は以下のように答えた。「ブレイクダウンのところは今日一番食い込まれてしまった。そこで相手に流れをつかまれてしまったというところは反省点です。春からブレイクダウンにこだわってやってきたが、徹底しきれなかった。そこはもう一度やらないと次の帝京、大学選手権で戦う強豪校には敵わないので、春からやってきたブレイクダウンをもう一度見直して磨き上げていきたい」

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