サクラフィフティーン前日練習レポート―佐藤優奈・名倉ひなの・阿部恵 | ラグビージャパン365

サクラフィフティーン前日練習レポート―佐藤優奈・名倉ひなの・阿部恵

2022/08/27

文●大友信彦


8月26日(金)、太陽生命ジャパンラグビーチャレンジシリーズ2022の日本vsアイルランド第2戦に向け、サクラフィフティーンこと15人制女子日本代表が秩父宮ラグビー場で前日練習。練習後、WTB名倉ひなの(横河武蔵野アルテミスターズ)、LO佐藤優奈(東京山九フェニックス)、SH阿部恵(アルカス熊谷)がメディアの取材に答えた。

名倉ひなの(横河武蔵野アルテミスターズ)「プレッシャーにもぐりこめ」

――前回はメンバー外でしたが、先発に復帰しました。


「この間はメンバーに入れなくて悔しい思いもありましたが、チームのみんなが頑張っている姿を見て、誇らしく思って試合を見ていました。みんな、ディフェンスでもアタックでも身体を張っていました。その中でも、自分が出たらこうしたいな、という明確なものが見えたので、明日はそれを出し切りたいと思います」

――明確なものとは。


「アイルランドは1stゲインがすごくて、そこでフィジカルで負けてしまうと言う場面が多かった。そこはフィジカルで負けないように、ディフェンスでまずしっかり止めることです」


――レスリーはWTBに本来SOやCTBの選手を起用するケースが多いです。WTBとしてはどんな要求をされているのでしょうか。


「私自身、レスリーからは『大型WTB』と言ってもらえていて『大きいんだから大きいように動け』と言われています。自分はWTBとしてトライを取りきることができていない、トライを取りきるようにしたいと思います」

レスリー・マッケンジーHC

レスリー・マッケンジーHC

――前回敗れたあとのチームミーティングではどんなことを。


「フィジーとオーストラリアに勝ってから、自分たちが思っていた以上にプレッシャーがかかっていたことに気付きました。レスリーからは『そのプレッシャーにもぐりこめ、深海に飛び込め』というテーマをもらいました。オーストラリアに勝ったことで、メディアでも歴史的快挙と言っていただきましたが、今回の第2戦と第3戦では勝つことができずに悔しかったので、今度は全員の力をあわせて勝ちたいと思います」



――南アとの第2戦は終盤、積極的にボールを回していた。


「あのときは、終盤、全員でボールを外へ外へと練習した通りに回してくれたのに、自分が大事なところでタッチに出てしまった。次はタッチに出ないで、前へ前へと出て行きたい。言いポジショニングを取ることで、全員がオプションになるように意識してアタックしていきたい」

LO佐藤優奈 (東京山九フェニックス)「焦らずリハビリ。今はもう100%」

――コンディションはいかがですか。


「前回の釜石合宿で少し肩をケガしてしまったのですが、もう100%、大丈夫です。ケガをしたときは『こんな大切なときに…』と焦る気持ちもあったのですが、コーチから『今は焦るときじゃない、ワールドカップでしっかり力を出せるように準備して欲しい』と言われ、焦らずにひとつひとつのリハビリに取り組んで戻ってこれました」




――昨秋の欧州遠征ではスコットランド戦でレッドカードを受けて、アイルランド戦には出られませんでした。


「正直、悔しい思いがいっぱいで見ていましたが、チームのみんなが全力でプレーして、チームを誇りに思いました。今回は5月のフィジー戦以来、すごく久々の試合なので、思うところはいっぱいありますが、そういうことを考えると普段通りのプレーがうまくできなくなるので、あまり考えずに激しくプレーしようと思います」

――宮城県出身の佐藤選手にとっては、仙台育英高が夏の甲子園で優勝したことも刺激になっているのでは?


「はい。私は宮城県の大崎市出身なのですが、仙台育英が優勝したことで地元の方々が本当に喜んでくれて、私も嬉しいし、私も宮城県出身者として活躍して、宮城の人たちに喜んでもらえたらうれしいな、といい刺激になっています」


――第1戦はラインアウトで苦しみました。第2戦に向けてはどんな準備をしていますか。

「焦らないこと。一度下がって、落ち着いてから出て、相手にプレッシャーをかけることを確認しました。セットスクラムも前回はやられましたが、受け身になるんじゃなく、こちらから仕掛けていって、相手がやりにくいようにプレッシャーをかけていきたい」

――ご自分の強みを言葉にしてください。


「まず運動量です。どんなときも全力で、ディフェンスでもアタックでも前へ出続ける。絡みに行くプレーで流れを変えられるところが強みだと思っています」



――日頃から尊敬する選手として優奈さんの名前を挙げている弟さん(明大2年のLO佐藤大地)からは今回は激励メッセージは届きましたか?


「そうですね、考えてみたら、今回はまだ(笑)。私の名前を挙げてくれる理由は詳しく聞いたことはないけれど、そう思ってくれているのは嬉しいし、弟も1年生から明治のAチームに入って国立の決勝に出て活躍して、すごいと思う。私も分からないことがあると弟に聞いたりしているし、いい刺激を受けています」

SH阿部恵(アルカス熊谷)「今日は少し力んでしまった。明日はリラックスして」

後半、阿部が入ってからアタックのテンポアップでラベマイまことのトライにつながった

後半、阿部が入ってからアタックのテンポアップでラベマイまことのトライにつながった


――アイルランドとの第1戦は途中出場でしたが、SHとして戦った感想は。


「前回のアイルランド戦では後半から出て、アタックの部分でチーム全体に焦りがあったので、チームを落ち着かせてテンポをコントロールして、全員でアタックしようと話しました。前半は計画した通りのアタックができてトライを取れた場面もあったのですが、アイルランドは一人一人のプレーヤーが強くて、そのプレッシャーで日本がアタックでミスを重ねてしまい、前半の最初のようなアタックができなくなってしまった。この1週間の練習では、そうならないように相手の足が止まっているときにどんどんテンポアップしていくことを意識しています」

――SHのポジションを争う津久井選手はどういう存在ですか。


「私が初めて代表に招集されたのは2019年の夏でした。そのときから、2017年のワールドカップでベストフィフティーンに選ばれたSHが身近にいて一緒にプレーできるということで、自分にとってはすごいチャレンジでした。彼女のいいところをマネしたり盗んだり、常に刺激を受けています。

阿部とSHの座を争う津久井萌

阿部とSHの座を争う津久井萌

彼女のことを初めて意識したのは2017年のワールドカップのときです。すごいなあと思ったのはゲームコントロールのところ。年齢は私より若いですが経験値が高くて、ゲームの中で修正するのが上手だと思います」

「私自身の持ち味は、自分が仕掛けて味方を活かすパスだと思います。このスタイルが身についたのはたぶん高校(石見智翠館)3年の頃です。中学までと違って練習時間も長くなって、練習でもたくさんパスを投げていて、自分がパスを投げるのが好きなんだと気づきました。チームの全員に気持ちよく走ってもらえるようにいいパスを投げていきたいです」

2試合ぶりに先発するSH阿部恵

2試合ぶりに先発するSH阿部恵


――4連戦の最後の試合を前にして、今日の練習はどういう感覚でしたか。


「チームランを終えて、少し力んでしまった感じがして、コーチから『もっとリラックスしていいんだよ』と言われました。あすは慣れないナイターで、お客さんもたくさんいると思って力んでしまったかもしれません。あすはリラックスして、自分らしいプレーをできたらいいと思います」

GALLARY

メンバーの前日練習は日も傾いた17時から行われた

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FBで先発する松田凜日、ウォームアップで入念にステップを練習していた

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ウォークスルーのゲーム形式でウォームアップ

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この時間帯はコンタクトもソフトに

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当初はリザーブ予定だったPRラベマイまこと、先発3番に変更される予定だ

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この試合が31キャップ目となる齊藤聖奈

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ダッシュでも松田のスピードが分かる

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ノンメンバー16人はメンバーに先立ち16時から練習した

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練習をリードしたルイース・ダルグリーシュAC

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練習を盛り上げるベテラン鈴木実沙紀(中央)

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ベテラン鈴木彩香も先頭に立って練習をリード

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最年長のライテと最年少の向來が互いに絡んで笑い声をあげ、チームを明るくする

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アメフトボールを使い

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バレーボールを使い

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テニスボールを使い

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大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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