太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ、23日開幕!チーム新戦力情報vol4(フェニックス・PTS・ディアナ) | ラグビージャパン365

太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ、23日開幕!チーム新戦力情報vol4(フェニックス・PTS・ディアナ)

2022/04/20

文●大友信彦


太陽生命ウィメンズセブンズシリーズは、いよいよ今週末、23~24日の熊谷大会で開幕する。熊谷会場での太陽生命シリーズは昨年初開催。今回は記念すべき開幕戦だ。熊谷と第2戦静岡大会の会場と成静岡エコパはRWC2019の会場。ワールドカップレガシーが女子ラグビーにも活かされているのは嬉しいことだ。

太陽生命シリーズ開幕に向けた2022新戦力情報シリーズ第4弾は、コアチーム残り3チームの紹介だ。


東京山九フェニックス

大黒田裕芽

大黒田裕芽


昨季最終戦、鈴鹿大会で、2015年東京大会以来6年ぶりの優勝を飾ったのが東京山九フェニックス。近年は他チームからの移籍選手や、首都圏の大学に進学した大学生選手を多く受け入れている。

昨年の太陽生命シリーズ終了後に加わったビッグネームは大黒田裕芽だ。太陽生命シリーズには2014年の第1回からアルカス熊谷で参加し、3大会で193点をあげ1年目の得点王に輝いた。昨年は名古屋レディースに在籍しながら東京五輪に向け練習していたが東京五輪に落選。その後、拠点を首都圏に戻し、フェニックス入りした。シリーズ通算得点427は歴代2位(1位は山本実)。チャレンジチームで出場した昨年の東京大会では2015年秋田大会以来となるMVPも受賞した。

ニア・トリバー

ニア・トリバー


もうひとりのビッグネームはアメリカ代表経験を持つニア・トリバーだ。2019年は北海道ディアナでプレーし、東京大会と裾野大会では単独で、3者同点だった鈴鹿大会もあわせて年間3大会でトライ王を獲得。年間30トライは太陽生命シリーズ新記録だった。東京五輪のアメリカ代表には残念ながら選ばれなかったが、今季は再び日本でプレー。プレシーズンマッチでも爆走トライを量産している。太陽生命シリーズ2022のトライ王の有力候補にもなってきそうだ。

水谷咲良

水谷咲良

今春から加入した日本選手は自衛隊体育学校PTSから移籍の高木(旧姓・星野)恵、四日市メリノール学院を卒業した水谷咲良、湘南工科大を卒業した高橋彩吹(いぶき)の3人。水谷は昨年のチャレンジチームやストロングガールズキャンプ、セブンズユースアカデミーなどに選ばれ、昨年9月からはSDS(セブンズ・ディベロップメントスコッド)合宿にも招集され、10月のワールドカップに備えるサクラセブンズに帯同している。パワーと走力を兼ね備える注目の才能だ。
高木はサクラ15スコッドとして3月の静岡合宿にも参加した。高橋は同じフェニックスの姉・美悠、日体大の沙羅との3姉妹で太陽生命競演なるかに注目だ。

自衛隊体育学校PTS

秋田若菜

秋田若菜


自衛隊体育学校PTSは、オリンピアンを育成するというテーマで、少人数のメンバーが、フルタイムでトレーニングに励む。

2017年のチーム創立以来、自衛隊チームの中心選手として活躍してきた石井寿依さんが昨季で引退。東京五輪で大活躍した梶木真凜はサクラセブンズでのワールドシリーズ、平山愛はサクラフィフティーンのオーストラリア遠征で不在の大会も多そう。それだけに新しい世代に期待がかかる。
昨季、佐野高から加入した秋田若菜(19)は2019年のチャレンジチームで高2ながら主将を務めた。今季は2年目でPTSのFWリーダーを拝命した。

渡邉日菜

渡邉日菜

今季の新戦力は、一昨季の石見智翠館で活躍した渡邉日菜(ひな)。練馬RS出身で、ゴールキッカーとしても活躍。全国U18女子セブンズには2年、3年と出場。入隊2年目での活躍が期待される。


北海道バーバリアンズディアナ

佐藤優

佐藤優



昨年はコロナ禍で北海道を出ることもままならず、出場できたのは最後の鈴鹿大会だけ。2017年には総合4位に食い込んだ実力チームだが、長くチームを支えた岡村由惟が昨季で引退、小笹知美はナナイロプリズム福岡へ、田中怜恵子はブレイブルーヴへ移籍した。ディアナの今季主将は我孫子高時代にチャレンジチームで太陽生命シリーズを経験、U18日本選抜では東京五輪共同主将の清水麻有やライチェル海遥とともに国際試合も経験した佐藤優。立正大を卒業し、アルカスから移籍して4年目だ。サクラセブンズ候補の三枝千晃、昨年の鈴鹿大会でトライを量産した木村あやが中軸メンバー。

ディアナといえば外国人選手を積極的に起用してきたチームだが、昨季以降は国境を越えた移動がなかなかかなわず、今季もNZから来日する予定だった留学生選手5人が渡航を断念。チーム構想は大幅に狂ったが、そこは長く活動してきた地域密着クラブだ。太陽生命シリーズに参加していない全国のクラブに声をかけ、助っ人が参加。チーム編成が叶った。

向折戸萌

向折戸萌

新戦力は、石見智翠館から北海道の酪農学園大に進んだ向折戸萌(むかいおりと・もえ)。練馬RS出身で、昨年の全国U18女子セブンズでは2Tをあげた選手だ。
吉田鳳子はアルテミスターズを退団して参加。長縄歩美は國學院大学4年生、関東学院六浦を卒業した2019年から東京フェニックスに参加していた。

安東菜桜

安東菜桜

そして頼もしい助っ人たち。ブレイブルーヴから参加する安東菜桜(あんどう・なお)は山梨学院大の4年生で、父は明大主将・SHとして大学選手権優勝を飾った安東文明さん。娘も秋田工ラグビー部の女子選手として活躍、夏のコベルコ杯やU18セブンズの東北選抜で、父譲りの猛タックルで活躍した。福井女子闘球倶楽部から参加する岩佐知加子(21)は昨秋の女子15人制関西大会にCentro de 15で参加。和歌山パシフィックオーシャンズから参加する大川千尋(27)はセントラルウィメンズセブンズの福井チームに和歌山から参加していた。
今季の太陽生命シリーズにはチームの名前の通り、よりバーバリアンズ的な編成で臨むことになる。新しい選手の組み合わせがどんなパフォーマンスを産むか楽しみだ。

今年の太陽生命シリーズは23-24日の熊谷大会で開幕。今回はサクラ15がオーストラリアへ遠征、サクラセブンズがワールドシリーズカナダ大会への遠征準備をする中で迎える。代表を多く送り出しているチームにとっては厳しい日程である一方で、新たな才能が表舞台に出て行くチャンスでもある。さらに、静岡大会と鈴鹿大会には、リージョナルからゲストチームが計8チーム参戦する。
太陽生命シリーズ2022では、2024年パリ五輪、さらにその先の未来を担う多くの才能が躍動しそうだ。

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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