太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ・秋田大会得点&トライ・得点ランキング | ラグビージャパン365

太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ・秋田大会得点&トライ・得点ランキング

2018/05/29

文●大友信彦


太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ第2戦、秋田大会が26−27日の2日間、秋田市のあきぎんスタジアムで開催された。

予選から圧倒した三重パールズ

大会は、三重パールズが決勝で日体大を17−14で破り、昨年11月の裾野大会以来2度目、コアチーム昇格後としては初めての優勝を飾った。

パールズはプール初戦でながとブルーエンジェルズをヴォーガン・ジャンナ選手の3トライなどで36−0と大破。2戦目は千葉ペガサスに大苦戦したが7−0で逃げ切ると、横浜TKMを22−5で下して初日は全勝。2日目は準々決勝でチャレンジを31−7、準決勝で追手門を31−7と破ると、決勝の日体大戦はダールズ・ジョージア選手、保井沙予選手のトライで先行。後半は日体大の反撃を浴びたが、ヴォーガン・ジャンナ選手が6試合連続のトライで突き放し、追う日体大を17−14で振り切った。


接戦を勝ちきって決勝に進出した日体大

東京大会優勝の日体大は、プール戦は順当に全勝。準々決勝のながと戦は延長戦の末に堤ほの花選手のサヨナラトライで31−26、準決勝のTKM戦も6点を追う終了直前、永井彩乃選手のトライと山本実選手のコンバージョンで21−20と逆転勝ちして決勝へ。三重パールズとの決勝も、7−17とリードされた後半6分、堤ほの花選手のトライと小林花奈子選手のコンバージョンで3点差に追い上げたが届かず、初の2大会連続優勝はならなかった。


常勝集団・アルカス熊谷がまさかの8強落ち

一方、これまで優勝10回、総合優勝2回の名門アルカス熊谷は、初日のプール戦で2敗を喫し、プール3位同士の得失点差比較でも3位となり、まさかの8強落ち。しかしチャレンジトロフィーでは実力を発揮し、龍ヶ崎グレース、石見智翠館に完勝。9位で大会を終えた。

チームとして機能しはじめた、ながとブルーエンジェルスが5位に躍進

東京大会準優勝の追手門学院は、プール戦で2敗、B組3位に沈んだが、全体7位(3位グループ内得失点差1位)で決勝トーナメントに進むと、準々決勝で北海道ディアナに勝利。準決勝はパールズに大敗したが、3位決定戦では横浜TKMを22-0で下し、3位で表彰を受けた。


東京大会でチーム最高の3位に躍進した横浜TKMは、プール戦でパールズに敗れたが準々決勝で東京フェニックスを破り2大会連続の4強進出。しかし準決勝は日体大に1点差で逆転負け、3位決定戦は追手門学院に敗れ、順位をひとつ落とし4位で大会を終えた。


新昇格のながとブルーエンジェルスは、初日は連敗スタートながら、最後のペガサス戦、ラスト2分の連続トライでアルカスを得失点差で逆転、3点差の僅差で8強入り。準々決勝で日体大に26−31と惜敗したが、残る2戦で東京フェニックスと北海道ディアナに連勝。東京大会の8位から5位に順位を上げた。

今シリーズ未勝利の石見智翠館はプール戦でディアナから金星。2勝で10位に。

東京大会では全試合完封負けに終わった石見智翠館は、プール戦で北海道ディアナを12−10で破る金星。2日目のチャレンジトロフィーでも千葉ペガサスを破り、大会2勝、10位で大会を終えた。太陽生命シリーズは来年から高校生の出場を原則不可(チャレンジチームのみ可)とする方針を発表しているが、十分に鍛えられた高校生は、チャレンジチーム以外でも十分に戦えることを証明した形。日本協会も再考を迫られそうだ。

最下位に終わった千葉ペガサスも、プール戦では優勝したパールズに0−7と食い下がる善戦を見せるなど力の差はなかったが、初日の激闘で主力にケガが続出し、大会2日目は連敗で最下位。大会のレベル、タフさが大会ごとに上がっていることを強く印象づけた。

MVPはヴォーガン・ジャンナ(PEARLS)選手が獲得

大会MVPは、初戦のながと戦で3トライのハットトリックを決めるなど6試合全てでトライを決め、大会2位の8トライで三重パールズ優勝の原動力となったヴォーガン・ジャンナ選手が獲得した。

太陽生命ウィメンズシリーズ2018・トライランキング、得点ランキング(第2戦終了時)

本誌では、日本協会WEBサイトで公表された公式記録に基づき、個人記録を独自に集計。その結果のトライランキングと得点ランキングは以下の通りとなった。

トゥフガ・レベッカ(ながと)※写真は東京大会のもの。以下同

トゥフガ・レベッカ(ながと)※写真は東京大会のもの。以下同


1 9T トゥフガ・レベッカ(ながと)
2 8T ヴォーガン・ジャンナ(三重パールズ)
2 8T 堤ほの花(日体大女子)
4 6T トリバー・ニア(北海道ディアナ)
5 5T 鈴木育美(横浜TKM)
5 5T ポーリ・レン・ケイラマリタ(東京フェニックス)
7 4T ダールズ・ジョージア(三重パールズ)
7 4T 保井沙予(三重パールズ)
7 4T 永井彩乃(日体大女子)
7 4T 室越香南(追手門学院VENUS)
7 4T クラザーズ・レイチェル(北海道ディアナ)
7 4T 小西想羅(チャレンジ)
7 4T 藪内あゆみ(アルカス熊谷)
7 4T 鹿尾みなみ(龍ヶ崎グレース)

MVPのヴォーガン・ジャンナ(PEARLS)

MVPのヴォーガン・ジャンナ(PEARLS)

得点ランキング
1 45(9T) トゥフガ・レベッカ(ながと)
2 40(8T) ヴォーガン・ジャンナ(三重パールズ)
2 40(8T) 堤ほの花(日体大女子)
4 36(2T13C) トゥビック・ヘーゼル(ながとブルーエンジェルズ)
5 35(3T10C) ソトゥトゥ・スザンナ(三重パールズ)
6 30(6T) トリバー・ニア(北海道ディアナ)
7 26(2T8C) ロビンズレッティー・チェエル(北海道ディアナ)
8 25(5T) 鈴木育美(横浜TKM)
8 25(5T) ポーリ・レン・ケイラマリタ(東京フェニックス)
10 22(11C) 山本実(日体大女子)
10 22(4T1C) 永井彩乃(日体大女子)
10 22(2T6C) 横山里菜子(横浜TKM)
10 22(4T1C) クラザーズ・レイチェル(北海道ディアナ)
10 22(2T6C) 永田花菜(チャレンジ)


トリバー・ニア(北海道ディアナ)

トリバー・ニア(北海道ディアナ)

躍進のチームを支えたトゥビック・ヘーゼル(ながと)

躍進のチームを支えたトゥビック・ヘーゼル(ながと)

太陽生命ウィメンズシリーズ2018・チームランキング(第2戦終了時)

日体大のトライゲッター・堤ほの花

日体大のトライゲッター・堤ほの花


2大会終了時点の獲得ポイントランキングは以下の通り。
日体大女子が首位、以下4点差で追手門、2点差でパールズ、さらに2点差で横浜TKMが続き、そこからは大きく10点差が開いて北海道ディアナ、さらに2点差でアルカスとながとが続く。2大会が終了した時点で、総合優勝争いは4強に絞られてきたといえそうだ(末尾は2大会のポイント内訳、東京+秋田を示す)


1 38 日体大女子 20+18
2 34 追手門学院VENUS 18+16
3 32 三重パールズ 12+20
4 30 横浜TKM 16+14
5 20 北海道ディアナ 10+10
6 18 アルカス熊谷 14+4
6 18 ながとブルーエンジェルス 6+12
8 14 東京フェニックス 8+6
9 12 チャレンジチーム 4+12
10 4 石見智翠館 1+3
10 4 龍ヶ崎グレース 2+2
10 4 千葉ペガサス 3+1


大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

プロフィールページへ


 

記事検索

バックナンバー

メールアドレス
パスワード
ページのトップへ