太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2019・鈴鹿大会ランキング&ドリームセブン | ラグビージャパン365

太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2019・鈴鹿大会ランキング&ドリームセブン

2019/06/10

文●大友信彦


太陽生命ウィメンズセブンズ2019第3戦鈴鹿大会は、ながとブルーエンジェルスが決勝で日体大を19-7で破り、第1戦秋田大会に続く2度目の優勝を飾った。今大会も東京大会に続き、三重パールズがアルカス熊谷との死闘の末に10-5で勝ち、3大会ぶり4回目の優勝を飾ったが、プール戦の初戦から実力伯仲、勝負の行方が分からない激戦の連続だった。
ラグビージャパン365では、2日間34試合の得点&トライランキングと、今大会でとびきり輝いた7人を厳選、ドリームセブンとして紹介する!

鈴鹿大会 トライランキング(本誌集計)

ジョージア・ダールズ(三重パールズ)

ジョージア・ダールズ(三重パールズ)


1 ジョージア・ダールズ 三重パールズ 6T
1 ニア・トリバー 北海道ディアナ 6T
1 伊藤 睦 自衛隊体育学校 6T
4 タイシャ・イケナシオ ながとブルーエンジェルス 5T
4 古屋みず希 日体大女子 5T
4 鈴木彩香 アルカス熊谷 5T
4 本間美月 アルカス熊谷 5T
4 ハーヴィー・マガリ 東京山九フェニックス 5T
4 鹿尾みなみ 龍ヶ崎グレース 5T
4 シンプソン・アンエリザベス 横浜TKM 5T
4 梶木真凛 自衛隊体育学校 5T


今大会もトライを量産したニア・トリバー(北海道ディアナ)

今大会もトライを量産したニア・トリバー(北海道ディアナ)



外国人選手に並び6トライを決めた伊藤睦(自衛隊体育学校PTS)

外国人選手に並び6トライを決めた伊藤睦(自衛隊体育学校PTS)

鈴鹿大会 得点ランキング(本誌集計)

得点王 ハーヴィー・マガリ(東京山九フェニックス)

得点王 ハーヴィー・マガリ(東京山九フェニックス)


1 ハーヴィー・マガリ 東京山九フェニックス 41(5T 8C)
2 ヘーゼル・トゥビック ながとブルーエンジェルス 38(2T 14C)
3 内海春菜子 龍ヶ崎グレース 35 (3T 10C)
4 永田花奈 日体大女子 33 (3T 9C)
5 ジョージア・ダールズ 三重パールズ 30 (6T)
5 ニア・トリバー 北海道ディアナ 30 (6T)
5 伊藤 睦 自衛隊体育学校 30 (6T)
8 ロリ・クライマー 三重パールズ 28 (2T 9C)
9 タイシャ・イケナシオ ながとブルーエンジェルス 25 (5T)
9 古屋みず希 日体大女子 25 (5T)
9 鈴木彩香 アルカス熊谷 25 (5T)
9 本間美月 アルカス熊谷 25 (5T)
9 ハーヴィー・マガリ 東京山九フェニックス 25 (5T)
9 鹿尾みなみ 龍ヶ崎グレース 25 (5T)
9 シンプソン・アンエリザベス 横浜TKM 25 (5T)
9 梶木真凛 自衛隊体育学校 25 (5T)


鈴鹿大会・本誌選出ドリームセブンはこの選手たち。

藪内あゆみ ながとブルーエンジェルス 

藪内あゆみ

藪内あゆみ


全6試合すべてフル出場して3トライ。密集からの球出し役、大外でのランナー役と獅子奮迅の働き。それもビッグゲームになるほどパフォーマンスレベルが上がる。
準決勝の古巣アルカス戦、決勝の日体大戦ではともに勝利を引き寄せる価値あるトライを決めた。中でもアルカス戦、相手タックルに捕まりかけながら体を一回転させて抜き、そのまま独走して決めたトライは鮮やかだった。当欄ドリームセブンには前回東京大会に続き2大会連続で登場。

本間美月 アルカス熊谷

本間美月

本間美月


決勝トーナメント初戦のグレース戦、10-10の同点で迎えた後半ロスタイム、延長突入寸前、プレーが途切れず10分まで続いた攻防で自陣から抜けだし、タッチライン沿いで相手タックルに耐えて60mを独走、最後はバランスを崩しながらも走りきったトライは本誌選出・今大会ベストトライ。6試合中5試合にフル出場。唯一退いたながととの準決勝も後半6分までプレーと、アルカス最長のプレータイムながら運動量が落ちない。愛知県出身だけに同じ東海地区・三重の大会は水があっていたのか、抜群のスピードとフィットネスを見せつけた。当欄ドリームセブンには初登場。

小林花奈子 日体大女子

小林花奈子

小林花奈子


昨季は2度目の年間チャンピオンから一転、11位に沈んだ秋田大会、初日を1位通過した東京大会も2日目は全敗で8位にと不振の続いた日体大。今大会は一時合流した日本代表組も再離脱、主力の負傷も続く上に、4年生ほぼ全員が教育実習で不在というギリギリの状況で迎えたが、今季初の決勝進出。優勝目前まで迫る復活を見せた戦いをゲームキャプテンとして統率した。自らあげたトライこそプールステージのチャレンジ戦であげた1トライにとどまったが、「誰が前に行けばいいか」ではなく「まず自分が前へ」という強気のプレー選択でチームを前に出し、最前線で体を張ってチームを蘇生させた。古賀千尋HCも「もともと代表に行ってもおかしくないポテンシャルがあるけど。責任感を自覚してブレイクしてくれた」と、今大会一番の殊勲者にあげた。当欄ドリームセブンには初登場。

ヘーゼル・トゥビック ながとブルーエンジェルス

ヘーゼル・トゥビック

ヘーゼル・トゥビック


今大会38得点。得点王争いではマガリ(東京山九フェニックス)の41に及ばなかったが、コンバージョン成功数は全チーム最多の14。さらに際立つのは試合が途切れるたび、激しく声を出してチームを鼓舞するキャプテンシー。初日のプール最終戦では東京山九フェニックスにラストプレーで追いつかれプール全勝を逃したが、宿舎に戻ったミーティングで「私たちは負けていない。堂々と振る舞え。他チームの選手に落ち込んだ様子を見せるな」と伝え、翌日の快進撃を導いた。「さすが、15人制、7人制ともニュージーランド代表ブラックファーンズで豊富な経験を積んだだけのことはある」と村杉徐司ディレクターも舌を巻いた。今大会MVP。当欄ドリームセブンには初登場。

原わか花 東京山九フェニックス

原わか花

原わか花


急加速と急角度のステップ。走りの切れ味は今季の太陽生命シリーズで最高のスピードクイーン。今大会では主にスーパーサブとして起用され、後半なかばにピッチへ。3トライにとどまったが、両チームが疲れたところに投入されるとその走力決定力はさらに際立つ。日体大との準々決勝でみせた、タックルでタッチ際に追い詰められながら粘って抜けだしての約70m独走、グレースとの5位決定戦でみせた急角度ステップからの猛加速中央突破はともに極上のトライだった。毎回ながら選ばないことのできない活躍。当欄ドリームセブンには5度目の登場。なお本人の理想のイメージは「新幹線です。とにかく速いのが好き。でも一番好きなのはドクターイエローです。仲間を助ける新幹線になりたい」。十分なってます。

鹿尾みなみ RKUラグビー龍ヶ崎グレース

鹿尾みなみ

鹿尾みなみ


東京大会でチーム初の4強入りを果たしたグレースをキャプテンとして統率した。今大会では準々決勝でアルカスと死闘を繰り広げ、後半11分まで続いた攻防の末に惜敗したが、粘り強く崩れないチームディフェンスはみごとだった。そのディフェンスを最前線のタックルで支えながら、ボールを奪えば一気のカウンターで敵陣を陥れる決定力も光る。秋田大会で5トライ、東京大会でも5トライをあげたのに続き、今大会でも5トライ。猛タックルで知られ日本代表キャップも持つヤマハ発動機CTB鹿尾貫太は実兄だが、アタックセンスは妹が上か? 当欄ドリームセブンには初登場。

梶木真凛 自衛隊体育学校PTS

梶木真凛

梶木真凛


石井寿衣主将が欠場、葛西杏奈ゲームキャプテンも大会中の負傷でリタイアした自衛隊にあって、FWとBKを兼任。ボールを動かしたときの展開力はもちろん、地面のボール争奪、ブレイクダウンでのボール争奪で発揮される球際の強さ、キックボールをロングチェイスする走力も光り、今大会5トライ。福岡レディース時代はセブンズアカデミーなどのユースキャンプの常連だったが、フルタイムでラグビートレーニングに専念できる環境で、重量感あるコンタクトプレーがスケールアップした。津久井萌、小西想羅、加藤幸子、平野優芽、田中笑伊、原わか花ら、高校生で日本代表入りした才能が並ぶ同期のミレニアムベビー(1999年度生まれ)世代の注目選手がまたひとりブレイクした。当欄ドリームセブンには初登場。

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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