太陽生命ウィメンズセブンズ2021・東京大会2日目フォトレポート | ラグビージャパン365

太陽生命ウィメンズセブンズ2021・東京大会2日目フォトレポート

2021/05/03

写真●大友信彦


5月1日、2日に開幕した太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2021・東京大会。女子セブンズ日本代表候補選手を中心に構成されたチャレンジチームがカップ戦優勝を果たした。

9位~11位決定戦|日体大 19-12 YOKOHAMA TKM

8強入りを逃したチームによるチャレンジトロフィー(9位以下決定戦)。初戦に登場したのは、プール戦では互いに三重パールズ、チャレンジチームという強豪チームとの対戦が続いた「死のプール」で敗退した2チーム。TKMは得失点差でRKUグレースにわずか4点及ばずカップ戦進出を逃した。今大会は北海道バーバリアンズディアナが出場辞退ということで、チャレンジトロフィーは3チームによる争いとなり、今大会の特別ルールとして、日体大、YOKOHAMA TKM、自衛隊PTSの総当たり戦となった。

日体大が古屋みず希のトライで先制するとTKMは渡辺莉紗、鈴木育美の2トライで逆転。日体大は一人少ない状況でも、前半のラストプレーで小島碧優のトライで12-12の同点として前半を終えた。

後半最初にスコアしたのは日体大。高橋沙羅のトライ、そして吉田美結のコンバージョンが決まり19-12とする。

なんとか追いつきたいTKMだったが、そのまま試合終了。日体大はこれで1勝。次の自衛隊PTS戦で勝利すれば9位が確定。TKMは自力での9位確定は消滅したが、次の自衛隊PTS戦で、大差での勝利に挑むことになった。

 

カップ戦 東京山九フェニックス 10 - 0 追手門学院VENUS

カップ戦準々決勝進出をかけた試合。東京山九フェニックスが試合開始早々に鹿尾みなみのトライで先制するもそこから試合は膠着状態。後半に入っても互いにスコアを奪えないがフェニックスが優勢に試合をすすめる。

 

後半3分、フェニックス・高橋李実がトライを決め10-0とリードを広げる。追いつきたいVENUSだったが、そのまま試合終了。フェニックスが勝利し、準々決勝進出を決めた。

 

 

カップ戦 チャレンジ 27 - 7 四国大学

プール戦全勝のチャレンジチームに、シリーズ初参戦ながらRKUグレースに見事勝利し挑む四国大。チャレンジは中村知春のトライで先制するが、前半4分、四国大は自陣からしぶとくボールをつなぎ、尾崎夏鈴が果敢に走って相手陣に侵入。さらにディフェンスでプレッシャーをかけ、PKを得ると速攻をかけ福澤恵がトライ。金島瑠奈のコンバージョンも決まり7-5とリードして後半を迎える。

チャレンジは後半早々、司令塔・大黒田裕芽の仕掛けからディフェンスラインを崩しトライを決めると、一気に畳み掛け、後半だけで4連続トライで勝負を決めた。27-7でチャレンジが勝利し、準々決勝進出を決めた。

 

 

昇格組ながら堂々たる試合を見せた四国大

昇格組ながら堂々たる試合を見せた四国大

 

カップ戦 アルカス熊谷 17 - 14 三重パールズ

優勝候補同士の両チームがここで激突。前半6分、中澤佑衣のトライでアルカス熊谷が先制し前半を終える。後半追いかける三重パールズは、山本実のトライで7-5と逆転に成功。

 

 

後半4分、コロリアフェイスハコ・ヘイブレムのトライでアルカスが再び逆転に成功する。さらに後半終了間際、アルカスは杉本七海のトライで10点差に。勝敗は決まったが残りのラストワンプレーで三重パールズが意地を見せる。

齊藤聖奈キャプテンが自陣から激走してトライを決める。17-14でアルカス熊谷が大一番を制し準決勝進出を決めた。

 

カップ戦 RKUグレース 5 - 25 ながとブルーエンジェルス

北海道バーバリアンズディアナの出場辞退で、プール戦では2敗を喫しながらカップ戦に進出したグレース。ながととはプール戦でも対戦し、前半は2トライでリードしたものの、後半に逆転を許し敗れた。ながとは、このプール戦での反省を踏まえ、試合開始から貪欲にトライを狙った。

前半、ながとがレベッカ、カタリナの2トライでリードすると、後半も3分までにこの2人でトライを決め20-0と大きくリード。さらに、相手の隙をつきカタリナがハットトリックを決め勝負あり。グレースは、後半のラストプレーで永岡萌がトライを決めるも序盤の失点が大きく響いた。

 

 

 

9位~11位決定戦 自衛隊PTS 0 - 42 日体大

この試合に勝利すれば、9位が確定する日体大。対するは、プール戦ではフェニックス、アルカスに食い下がりながら勝利には届かず、厳しい戦いが続く自衛隊体育学校PTSの試合。

試合は前半、人羅美帆の先制トライなど3つのトライで大きくリードした日体大が、攻撃の手を緩めず後半も3トライ。合計6トライを決めPTSを圧倒。

42-0で日体大が勝利し9位が確定。一方敗れた自衛隊PTSは、次のTKM戦で10-11位、つまり最下位回避をかけて戦う状況となった。

 

5位~8位決定戦 追手門学院VENUS 17―12 四国大学

山九フェニックスとのカップ戦準々決勝に敗れたVENUS、入れ替え戦からの昇格ながら、準々決勝ではサクラセブンズ候補で固めたチャレンジチームから前半リードを奪うなどここまでいいパフォーマンスを見せている四国大学との戦い。互いに大学生チームの戦いは最後までもつれた。

前半は追手門VENUSが須田倫代、吉本芽以の連続トライでリードするが、四国大もトライゲッターの尾崎夏鈴が前半終了間際にトライを返し、前半は12-7。VENUSのリードで折り返す。

 

後半3分、四国大は再び尾崎夏鈴がトライを決め12-12の同点に。一進一退の攻防が続いたが、残り時間2分弱。VENUSは相手ゴール前のPKから小林詩波がトライを決め、17-12で勝利し、5位決定戦に踏みとどまった。敗れた四国大は7位決定戦へとまわった。

小林詩波のトライ

小林詩波のトライ

 

 

5位~9位決定戦 三重パールズ 29 - 7 RKUグレース

アルカス熊谷との接戦に敗れた三重パールズとながとブルーエンジェルスに敗れたRKUグレースの対戦。

パールズが前半だけでダールズ、保井沙予、齋藤聖奈、渡辺桜子が4トライをあげ、グレースを圧倒。後半4分にも庵奥里愛のトライで勝負を決めた。グレースは試合終了間際に、菅萌絵が意地のトライを返すも、思うようにラグビーをさせてもらえず敗れた。

 

 

 

カップ戦準決勝 東京山九フェニックス 7 - 29 チャレンジ

プール戦を全勝で通過した両チームの対戦は互角の戦いが続いた。
フェニックスは自陣からハーフウェイまでボールを運ぶもオーバー・ザ・トップのペナルティーでボールが続かない。チャレンジの攻撃は敵陣22m付近までボールをキャリーするもオブストラクションで再びフェニックスボールへ。

フェニックスが自陣10m手前でノックオン。チャレンジボールのスクラムで再開。田中笑伊がキャリー、22m手前まで運ぶ。2つフェイズをはさみ、フェニックスのアウトサイドにスペースができるとオープンに展開。チャレンジ、横尾千里が左隅にトライ。

さらに続くキックオフ。チャレンジは蹴り上げたボールを中村知春がフェニックス鈴木実沙紀と競り合いながら確保すると、一気にバティヴァカロロライチェル海遥がゴール中央にトライ。大黒田裕芽のコンバージョンも決まり12-0とリードをひろげる。

チャレンジのプレッシャーからフェニックスは前進できず自陣22m付近でタッチに押し出され、チャレンジボールのラインアウト。フェニックスがゴール前でノットロールアウェイのペナルティー。クイックリスタートで横尾千里が2本目のトライ。17-0として前半を終了。

後半はフェニックスのキックオフ。敵陣22m手前でフェニックスボールのスクラム。鹿尾みなみが22m手前までボールをキャリー。チャレンジのミスタックルから岡元涼葉がゲイン、相手に倒されるも、中島涼香が後ろからフォロー。ボールがつながりトライ。7-17と追い上げを開始。

しかしチャレンジのアタックのプレッシャーの前に、フェニックスはディフェンスで我慢しきれず、相手に数的優位を与えてしまう。この隙を見逃さず、永田花菜がスペースを突いて自陣から一気にゴールまで独走しトライ。24-7とリードを広げる。

さらにチャレンジは敵陣10m付近で、細かなパスを繋いでスペースを作ると大黒田裕芽が試合を決めるトライ。29-7でチャレンジチームが山九フェニックスに快勝しファイナル進出を決めた。

 

カップ戦準決勝 アルカス熊谷 24 - 5 ながとブルーエンジェルス

セミファイナルもう1試合は、2019年からの連覇を目指す、ながとブルーエンジェルス対アルカス熊谷。

アルカスのキックオフでスタート。ながとが自陣10m手前でフォワードパス。アルカスボールのスクラムとなる。アルカスはフェイズを重ねるが、ながと磯貝美加紗がジャッカル。ながとは敵陣22m手前でのラインアウトとなるが、ボールが乱れる。アルカスがながとの攻撃を凌ぐと、アルカスは自陣22mライン付近のPKから谷口令子が緩急をつけたランでディフェンスをかわしてトライ。

さらにアルカスは相手ラインアウトをターンオーバーすると、松井渓南が相手ディフェンスをステップでかわしてインゴールまでボールを運びトライ。10-0とアルカスがリードして前半を終えた。

後半はながとが相手陣に深く蹴り込む。アルカスは左アウトサイドから谷口がゲイン。敵陣までボールをキャリーし、ボールを内に返し、杉本七海へパス。そのままゴール中央へトライ。17-0とアルカスがリードを広げる。

疲れの見えるながとはタックルが高くなり、アルカスの攻撃を止めることができない。松井渓南の思い切りのいい仕掛けから河部春香がスペースを抜けてトライ。24-0とリードを広げた。ながとは残り1分30分で磯貝美加紗がトライを返すも序盤の失点が大きく響き試合終了。

アルカス熊谷がファイナル進出を決めた。

 




9位~11位決定戦 TKM 12-0 自衛隊PTS

勝利したチームが10位となる戦い。試合途中から強い雨が降り出す悪コンディション下の戦いとなったが、TKMは前半と後半にSH新原響が1トライずつを決め、自衛隊PTSに12-10で勝利し10位を確定。ポイント3を獲得した。自衛隊PTSはプール戦では上位チームと互角の戦いを見せたが2日目はやや息切れしたか、勝利なく今大会を終了。次戦の巻き返しに期待だ。

 

 

 

 

 

7位決定戦 四国大学 12-22 RKUグレース

7-8位決定戦は、前日のプール戦でも対戦したグレースと四国大の対決。前日敗れ、四国大にシリーズ初勝利を献上したRKUグレースが、順位決定戦では意地を見せた。前半、四国大は尾崎夏鈴の2トライなどで12点をリードするが、1年生奥田真帆がトライを返して折り返すと、後半は1分の永岡萌のトライを皮切りに、疲れの見えた四国大に対し、フェイズを重ねてFWが圧力をかけ、ンドガ・ジェニファが勝ち越しトライ、さらに佐々木理子がダメ押しトライを加え、22-12で勝利。

 

 

 

 

5位決定戦 追手門学院VENUS 12 - 28 三重パールズ

2年前に続き、東京大会連覇を目指しながら4強に残れなかった三重パールズだが、年間優勝を目指すには1ポイントでも多く獲得しておきたい。この試合でも前半からトライを量産。ダールズ、山本、保井の3連続トライで21-0として前半を終える。

後半VENUSは村田彩乃、堀毛咲良が2トライを返すも流れを引き戻すことはできず試合終了。三重パールズが28-12で勝利し5位を確定。第2戦・静岡エコパ大会では、今大会優勝したチャレンジチームと同じプールになった。今大会でチャレンジチームに対して接戦を演じた三重パールズがどんな戦いを見せるか注目だ。

一方敗れた追手門学院VENUSは6位確定。今大会準優勝のアルカス熊谷に対して12-19と僅差で敗れ、さらに4位の東京山九フェニックスに対しても2度戦い0-5、0-10とともに接戦に持ち込んだ。上位進出には、こうした接戦を勝ちきれるかどうか、2週間で成長できるかに注目。

3位決定戦 東京山九フェニックス 7-14 ながとブルーエンジェルス

互いにファイナル進出を逃したが、気持ちを入れ替えて年間成績のためにしっかりと上位確定でポイントを獲得しておきたいところ。ながとはカタリナのトライで先制。フェニックスは前半ノータイムのホーンが鳴ったあと、自陣から佐藤優奈、鈴木実沙紀が粘り強く前進し、鹿尾みなみのキックに反応した岡元涼葉のトライで7-7の同点に追い付く。一歩も譲らず後半へ。

後半早々に磯貝美加紗の70m独走トライでながとが再びリードを奪う。残り時間をながとが粘り強くディフェンスでフェニックスの得点を許さず試合終了。ながとブルーエンジェルスが3位を確定。次戦ではプールCに入った。同じ組には、追手門学院VENUS、日体大と大学生チームが入った。

敗れた東京山九フェニックスは、アルカス熊谷がいるプールBに入った。

 

 

 

ファイナル  チャレンジ 28 - 5 アルカス熊谷

2年ぶりの開催となった大会を締めくくるファイナルに進出したのは、サクラセブンズ候補選手で構成されたチャレンジチームと、過去最多優勝10回を誇るアルカス熊谷。チャレンジチームが勝てば初優勝。アルカスは2017年保土ケ谷大会以来4季ぶりの優勝を目指した。

チャレンジは前半、試合開始のキックオフを中村知春が奪い、そのままライチェルが先制トライ。さらにこの日が23歳の誕生日だった黒木理帆、さらに大黒田裕芽のトライで21-0とリードして前半終了。後半1トライを返されたが、永田花菜のトライで再び突き放し、28-5でアルカスを破り優勝を決めた。

 

 

 

 

 

今大会の最終順位は以下のとおり


1位 チャレンジチーム
2位 アルカス熊谷
3位 ながとブルーエンジェルス
4位 東京山九フェニックス
5位 三重パールズ
6位 追手門学院VENUS
7位 RKUグレース
8位 四国大学
9位 日本体育大学
10位 YOKOHAMA TKM
11位 自衛隊PTS
12位 該当なし

東京大会の結果を受けて第2戦・静岡エコパ大会の組分け抽選が行われ、次戦のプール分けは以下のようになった。


プールA
チャレンジチーム
三重パールズ
四国大学
YOKOHAMA TKM

プールB
アルカス熊谷
東京山九フェニックス
RKUグレース
北海道バーバリアンズディアナ


プールC
ながとブルーエンジェルス
追手門学院VENUS
日本体育大学
自衛隊PTS

記事検索

バックナンバー

メールアドレス
パスワード
ページのトップへ