南ア遠征で得た自信−サンウルブズ・長谷川コーチ、PR山本、HO庭井がスクラムについて語る。 | ラグビージャパン365

南ア遠征で得た自信−サンウルブズ・長谷川コーチ、PR山本、HO庭井がスクラムについて語る。

2017/04/01

文●斉藤健仁


スーパーラグビー参入2年目のサンウルブズ。開幕戦こそ、昨年の王者ハリケーンズに大敗した。ただ3月はホームのシンガポール、そしてアウェーの南アフリカ遠征において、南アフリカ勢相手に善戦するものの勝てそうで勝てない状況が続き、結局、開幕から5連敗を喫してしまった。

スクラムを極める、長谷川コーチの存在はサンウルブズにとって大きい

2月25日 ●サンウルブズ17-83ハリケーンズ(東京・秩父宮ラグビー場)
3月04日 ●サンウルブズ23−37キングズ(シンガポール)
3月12日 ●サンウルブズ31−38チーターズ(南ア・ブルームフォンテーン)
3月18日 ●サンウルブズ21−34ブルズ(南ア・プレトリア)
3月25日 ●サンウルブズ31−44ストーマーズ(シンガポール)

ただ、アタックに関しては、ボールを持って進んだ距離は、18チーム中2位の2,592mで十分に通用しており、WTB/FB江見翔太、WTB福岡堅樹が個人スタッツの上位に入っていることがそれを証明している。そんなアタックの起点となり、サンウルブズの攻撃力を下支えしているのが、やはりスクラム、ラインアウトといったFWのセットプレーである。

昨年の一番の課題だったラインアウトは、昨年はコーチで、今年からヘッドコーチに就任したフィロ・ティアティア氏が直接指導しており、昨年の成功率は18チーム最下位で、76.8%と低迷。だが、今年は5試合を経過した時点で86.4%と10位につけており、まだまだ問題がないわけではないが大きな改善が見られた。

次にスクラム。昨年は元オールブラックスのHOだったマーク・ハメットHCや、HO堀江翔太キャプテン(当時)が話し合いながら組み方を修正していくことによって、最終的には成功率は92%で7位タイと、どうにかマイボールをキープすることができる段階までになっていた。だが、今年はひと味も違う。開幕から5試合までの成功率は100%で、他の3チームと並んでトップタイという数字である。

スーパーラグビー2年目を迎えて、56人のスコッドのほとんどが日本代表経験者、もしくは今後日本代表資格を取得可能な選手で構成されており、サンウルブズ=日本代表という状況の中になった。そんな中で、昨年11月に日本代表のスクラムコーチを務めた長谷川慎コーチが、そのままサンウルブズのスクラムコーチに就任した。

長谷川コーチと言えば、サントリーや日本代表といった現役時代からPRとしてスクラムに人一倍こだわりと持っている選手として有名だった。そしてコーチとなり、古巣のサントリーを経て、2011年に清宮克幸監督がヤマハ発動機の監督になると、その右腕として、2016年度までスクラムコーチとしてヤマハ発動機のセットプレーを支え続けた。

「めちゃくちゃ違いますよ!」とHO堀江が言うように、日本代表だけでなく、サンウルブズを含めてスクラム専門の長谷川コーチが指導いることは、大きな意味を持ち、8人で低く、一体となり組むスタイルは徐々に浸透していると言えよう。

またサンウルブズのFWにはヤマハ発動機や昨年11月の欧州遠征に帯同した選手も多く、長谷川コーチのスクラムを理解している選手が多いことも心強く、初めてヤマハスタイルのスクラムを体感する選手の助けにもなっているようだ。

そんな長谷川コーチは、シンガポール・南アフリカ遠征、特にスクラムに関してこう統括した。

 

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