こんにちは。翔太です。
日本v南アフリカの試合はテレビで観戦しました。
試合の内容に触れる前に、改装された熊谷ラグビー場が満員になったことについて、選手として、コーチとして、改装される前の熊谷で何度も試合をした一人として本当に感動しました。
お客さんがたくさん入ったということだけでなく、スタンドの雰囲気も素晴らしかったことがテレビの画面からも伝わってきました。フェイスブックなどの投稿を見ると、熊谷駅からスタジアムまでの交通アクセスもすごくスムーズだったようで、地元の皆さんが本当に一生懸命努力してこの試合を成功させようとしたことが分かりました。現地に行った人からは、スタジアムに向かうバスやタクシーに向かって、ボランティアの人たちが素晴らしい笑顔で手を振っていた、歩いてスタジアムへ向かう人にはハイタッチしていた……と聞きました。そういうひとつひとつの取り組みが、スタジアムを包む暖かい空気になっていたのだと思います。嬉しかったです。
本気で『テストラグビー』をしてきた南アフリカ。
さて、試合について。
まず、僕が嬉しかったのは、南アフリカが本気で来てくれたことです。前回ワールドカップでの結果もあって日本代表をリスペクトしてくれていたこともあるでしょうし、ワールドカップの初戦がオールブラックスとの大一番ということもあったと思うけれど、それにしても本当に素晴らしい準備をして、日本のこともしっかり分析して、ベストのメンバーを揃えて臨んできてくれた。簡単に言うと、「南アはテストラグビーをしてきた」。
テストラグビーとはどういう意味かというと、勝利を最優先するためにリスクを最小限に抑え、勝利の確率を最大化させる――いわゆる「手堅いラグビー」です。得点は少なくなっても、失点を最小化させることを優先する安全ラグビーで、現象としてはキックが多くなることが多い。今回の南アは、自陣で無闇にフェイズを重ねる場面はほとんど皆無だった。ボールを持ってアタックするのは、モメンタム(前に出る勢い)があるときだけ。ボールが出たときに攻撃態勢が完璧に整っていないときには迷わず蹴る。
まるで、2015年ワールドカップでの日本v南アと戦い方が逆転したみたいな印象でした。
ということで、思い出すのはフィジー戦の時に覚えた危惧です。