やっぱりスゴイや。改めて、そう思った。
何が? ルーキーたちの躍動だ。
12月最初の週末は、関東大学対抗戦グループの優勝決定シリーズだった。
熊谷では帝京大vs筑波大。
国立では早大vs明大。
目の前で続くスリリングなプレー、スコアボードの数字、そして勝負の行方にハラハラ、ドキドキしながらも、目はいつしか、ゴールデンルーキーたちのパフォーマンスにクギづけになった。
進化を続ける19歳のフィニッシャー 筑波大WTB 竹中祥
筑波大のWTB竹中祥は、対抗戦グループの優勝をかけた帝京大との戦いで、目の覚めるようなランを再三見せた。
ヘッドキャップを目深にかぶり、ボールを受けると前傾姿勢でグイグイ加速する。今年7月、7人制日本代表の合宿で、参加全選手中最速タイムをたたき出した豪脚。50mは5秒9。
だが、そんな数字以上のパワーが竹中の真骨頂だ。真正面から突き刺さったタックラーが、いつの間にか外されている。学生最強タックラーと謳われる帝京大CTB南橋直哉(4年)のタックルも振り払った。いや「蹴散らした」という表現が相応しいかもしれない。
この試合では、足首を痛めて後半開始早々に退いた竹中だが、40分間だけでも、見る者に十分なインパクトを残したはずだ。
対抗戦7試合で積み上げたトライはチーム最多の7。9月には、7人制日本選抜でボルネオセブンズに出場した。
「セブンズでは、一瞬の判断で勝負が決まる。ヘンに当たりに行って失敗もしたし、思い切ってプレーしなきゃダメだと勉強しました。行ける! と思ったらそこで行くしかない。セブンズと15人では動きが違うところもあるけど、スペースをどう使うか、勝負にいく感覚は身についたと思う」
高校時代から圧巻だった瞬発力、当たりの強さは、大学でも通用した。いや「通用」という言葉は相応しくない。積み上げたトライは、スピードだけで決めたのでも、当たり強さだけでもなく、もちろん「ごっつぁんトライ」ばかりでもない。タックラーとの駆け引き、ディフェンダーとスペースの位置関係を瞬時に見極める判断力。
19歳のフィニッシャーは進化し続けている。